夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『DRIVE』

2003年06月04日 | 映画(た行)
『DRIVE』
監督:SABU
出演:堤真一,大杉漣,安藤政信,寺島進,筧利夫他

同監督の『弾丸ランナー』(1996)、『POSTMAN BLUES ポストマン・ブルース』(1997)で
激走しつづけた堤真一が、今度は車で走りつづけます。

薬品会社の営業マン、朝倉は頭痛持ち。
医者にストレスのせいだと言われる。
幼いころに両親が自殺したことが原因と思われる。

そのせいなのかどうなのか、
クソ真面目な朝倉は、社会のルールは決して冒さない。
秩序正しい生活をし、交通ルールもきっちり守る。
法定速度を厳守し、右折不可のところで曲がるなんてもってのほか。

そんな朝倉の営業車に、銀行強盗をやらかしてきた3人組が飛び乗ってくる。
どうやらもとは4人組で、そのうちのひとりが仲間を出し抜き、
金を丸取りして逃げたらしい。

金を取り返すべく、裏切り者を追跡しようとする3人。
しかし、強盗に庖丁で脅されようとも
朝倉は交通ルールを守って運転しつづける。
こうして朝倉と強盗3人のドライブがはじまる。

一方、用意周到な裏切り者は、
逃走経路の河原にあらかじめ停めておいた車に乗り換えようとする。
ところが手をすべらせて車のキーを落としてしまう。
土手の穴に落ちたキーを拾おうと腕を伸ばすが、穴から腕が抜けなくなって……。

激走シリーズ(?)や前作の『MONDAY マンデイ』(1999)に比べると
テンポがイマイチなようにも思えるけど、それはこの運転だからしょうがない!?

強盗のうちのひとりが実は坊主。
逃走中にまぎれこんだライブハウスで
ヘヴィメタ・バンドの演奏に合わせて説教たれたら若者に大ウケ。
寺島進がいい説教をいっぱい聞かせてくれます。
スキを見て逃げようとする朝倉に、
「人間は500年前から『縁』が決まっている。これも何かの縁だ」って調子で。

裏切り者の強盗役、筧利夫は、ほとんど土手で寝っころがったまま。
土手には成仏できない幽霊が現れたりして、
怯える筧の情けない姿と表情がこれまた笑えます。

田口トモロヲ(また見過ごすところだった)、麿赤兒、柴咲コウ、松雪泰子など、
みんなちょっとずつだけど効果的な使われ方。

ドライブをつづけるうちに、それぞれが自分の居場所を見つけていきます。
やっぱり好きです、この監督。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ディナーラッシュ』 | トップ | 『めぐり逢う大地』 »

映画(た行)」カテゴリの最新記事