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『ちょっと今から仕事やめてくる』

2017年06月15日 | 映画(た行)
『ちょっと今から仕事やめてくる』
監督:成島出
出演:福士蒼汰,工藤阿須加,黒木華,森口瑤子,池田成志,小池栄子,吉田鋼太郎他

TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの2本目。
前述の『花戦さ』の次に。

どんな題材であっても、わかりやすくエンターテインメント性の高い作品に仕上げるのが得意な成島出監督。
原作は北川恵海の同名ベストセラー小説。
最近できるだけ映画を観る前に原作を読むように心がけてきましたが、これは未読。
いま頁数を確かめたら258頁。薄い!これはすぐ読めそうだから買わなくちゃ。

ちなみに、私が「普通」だと感じる頁数は320頁前後。
晩ごはん後に読む時間が2日間あれば読めるかなという頁数です。
400頁だとまぁまぁ分厚い。700頁だったりすると「アンタは京極夏彦か」
200頁以下だと極薄で、数時間で読める。だから258頁もお手頃です。
どうでもいい話をすみません。(^^;

就活に失敗した青山隆(工藤阿須加)は、とにかく正社員で就職したくて、
いわゆるブラック企業に入社する。
有休を取ることは許されず、ミスをすれば給料から引かれる。
上司の山上守(吉田鋼太郎)からは罵倒され、足蹴にされることも日常的。
そんな会社でもしがみついているよりほかはない。

一人暮らしのマンションの部屋はまるでゴミ屋敷。
田舎の両親(池田成志森口瑤子)から送られてくる野菜や果物も腐らせたまま。
眠りたいのに眠れず、心身共に疲労が積み上げられてゆく。

ある晩、意識が朦朧とするなか、駅のホームから飛び込もうとする。
電車が通る寸前、隆を後ろから引き倒した男がいた。

男はヤマモト(福士蒼汰)と名乗り、親しげに隆に微笑みかける。
小学校3年生の途中でヤマモトが引っ越すまで隆と同級生だったというが、
隆はどうしても思い出せないまま、ヤマモトに強引に誘われて飲みに。

陽気なヤマモトと話すうち、隆は明るさを少し取り戻す。
営業の極意などもヤマモトから教わり、連絡先を交換して解散。
ヤマモトの教えにならって営業先に行き、顧客獲得に成功する。

ところが、隆の発注ミスが発覚。
隆は担当から外され、営業成績トップの五十嵐美紀(黒木華)が引き継ぐことに。
山上からひどいパワハラを受けている隆に、
ヤマモトは仕事を辞めるあるいは変えることを勧めるが、
隆は言う、「そんなに簡単には辞められないよ」。

じゃあ、おまえにとって仕事を辞めるより簡単なことって何?
そうヤマモトは問いかけるのだが……。

ヤマモトについて調べてみれば、数年前に自殺したという記事が出てきて、
俺の目の前にいるこいつはいったい誰なんだと、隆がとまどうという過程があります。

さもありなんな展開で、特にラストは海外ロケのありがちなパターン。
それでもずいぶん泣きました。
だいたい泣かされるんですよねぇ、成島監督には。

お人好しすぎる隆に時折イライラ。
だけど、追い詰められた人間はこんなふうに思うものかもしれません。
これに共感したからって、仕事を簡単に辞めていいことにはならないと思うけど、
だけどこんな人間の尊厳を無視した会社は辞めるべき。

希望はなくなったりしない。見えなくなることがあるだけ。
一瞬見えなくなっても、またしっかりと見ることができますように。

ところで本作でいちばん驚いたのは、福士くんの関西弁の完璧さ。
『セトウツミ』(2016)のときの池松くんは、がんばって喋っている感満載で、
ところどころイントネーションがおかしいけど
ケナゲだからまぁ許そうみたいな感じでしたが(笑)、
福士くんはなんで関西人でないのにこんなにちゃんと喋れる!?とビックリ。
『後妻妻の女』(2016)の大竹しのぶよりずっと上手です。スバラシイ。
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