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『手をつないでかえろうよ シャングリラの向こうで』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の25本目@なんば)(完)

2016年06月05日 | 映画(た行)
『手をつないでかえろうよ シャングリラの向こうで』
監督:奈良橋陽子
出演:川平慈英,すみれ,七海,岡安泰樹,板尾創路,LiLiCo,
   吉田敦,藤田朋子,勝矢,別所哲也,中居正広他

このブログのタイトルって50字までしか入らないんです。
サブタイトルまで入りきらずに断念したのは、たぶん“ドラえもん”のとき以来。
「フリーパスで鑑賞の」を削れば無論入るのですけれども。

フリーパス有効期限最終日、21:20から上映の本作が今回の〆。
昨年急逝した俳優の今井雅之。彼が原作・脚本・主演を務めた同名舞台の映画化です。
当初は本人が主演するはずでしたが、病状が悪化。
彼と親しかった川平慈英が代役を務めることになったそうです。
その他のキャストとスタッフも彼にゆかりのある人ばかり。
一周忌に当たる5月28日に公開の運びとなりました。その当日に鑑賞。

軽度の知的障害を持つ尊真人(たけるまこと)。
父親の義男(板尾創路)はヤクザだが、真人に大きな愛情を注いでいる。
決して自分と同じ仕事には就くなという父親に、
真人は「トラックの運転手になりたい」と瞳を輝かせる。

しかしあるとき父親が母親(LiLiCo)と真人を捨てて家を出る。
いつかおまえもわかってくれる日が来ると言い残して。

中学で同じクラスの咲楽(さくら)は、真人のそばを決して離れなかった。
大人になった真人(川平慈英)と咲楽(七海)は結婚。
穏やかな毎日を過ごすも真人はまともな職には就けず、
中学時代の先輩たちを慕ってヤクザの下っ端になるのだが……。

といったあれこれは徐々にあきらかにされるようになっていて、
最初は50歳の真人が伊勢神宮を目指し、車を走らせるシーンからスタート。
途中、強引に車に乗り込んできた麗子(すみれ)という女性とともに
天橋立を経由して伊勢神宮へと向かうロードムービー。

舞台を観ていないのでなんともいえませんが、
すみれ演じる麗子が英語でまくしたてたりつぶやいたりするシーンが不自然。
彼女がハワイ帰りである意味がどこにあるのかがわかりません。
浴衣を着てこれから寝るだけというときにフルメイクというのもなんだかなぁ。
川平慈英の関西弁ももちろんヘンテコで、咲楽には知的障害があるように見えず、
違和感を挙げるとキリがないほど。

が、この世にもういない今井さんの作品にどうしてケチをつけられましょう。
本作に集った面々がみんな、今井さんに追悼の念を捧げているのが伝わってきます。
もっと長生きしてほしい役者だったのに、早世がつくづく残念。
謹んで死を悼みます。

フリーパスの〆にはふさわしいタイトル、ふさわしい鑑賞に思えました。

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