時事解説「ディストピア」

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北朝鮮のミサイル発射がまた騒がれているが・・・

2016-09-07 23:43:38 | 北朝鮮
何度も書いているが、北朝鮮のミサイルはアメリカ軍を標的にしている。

そのため、基本的にはアメリカ本土を狙っているし、
だからこそ長距離弾道ミサイルの開発に勤しんでいるわけだ。


北朝鮮は短・中距離弾道ミサイルを以前から保有しており、
それが騒がれるようになったのはつい最近のことである。


つまり、米韓政府が韓国のソンジュにTHAADを配備しようとした瞬間、
これまで等閑視されていた中距離弾道ミサイルが急に危険視されるようになった。



いつもの「北朝鮮の脅威」を口実にミサイル配備を正当化するロジックだ。
ちなみに同じ論法でアメリカは「イランの脅威」に対抗するためにEUに防衛ミサイルを配備しようとしている。


この件でちょうど良い記事が朝鮮新報に載っていたので以下に抜粋したい。



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—金正日時代から大陸間弾道弾(ICBM)の開発は続けられてきた。既存の弾道弾とSLBMの違いは。

大雑把に言えば「ICBM+潜水艦=SLBM」となる。

弾道ミサイルの技術自体は同じだが、強いて言うなら、ICBMの使用は先制攻撃を想定し、SLBMは報復用だ。
海の中の潜水艦を完璧に探知するのは不可能だ。
そこから発射される弾道ミサイルを迎撃する技術は確立されていない。

SLBMが最強の兵器、最善の核戦争抑止力といわれる所以だ。


核の先制攻撃によって相手国の核ミサイル基地をすべて破壊した後、
第2波の攻撃を繰り出すという戦争計画は、SLBMという最終兵器によって封じ込められる。

海から核による報復攻撃を受けるかもしれないという恐怖が先制攻撃の抑止となる。

現在も米国は、朝鮮の核施設への先制攻撃を想定し、実動訓練を繰り返しているが、
朝鮮のSLBMが実戦配備されれば、核武力を動員する米国の侵略戦争シナリオは根底から崩れる。



~中略~



—米国や日本はSLBM試験発射が国際社会に「脅威」を与える「挑発行為」で、
「国連安保理決議違反」だと非難している。



国防力強化は、主権国家の正当な権利だ。米国の核威嚇が続く限り、
核兵器の運搬手段となる弾道ロケットの開発を続けるという朝鮮の立場は変わらない。


朝鮮が実戦配備を目指すSLBMの名称は「北極星(북극성)」。

英語で表記すれば「Polaris(ポラリス)」だが、
これは米国で初めて開発されたSLBM(最初の発射実験は1960年)の名称だ。

朝鮮は、米国が配備した核戦争装備に対する対抗手段としてSLBMの開発を進めていることを明確にしている。

朝鮮は「火星10」や「北極星」を「高角発射」することで、飛行距離を調整し、
他国の領空、領海を侵入することなく、地域の安全を担保しながら、弾道ミサイルの性能をテストしている。


これに対して「脅威」「挑発」のレッテルを張るのは、朝鮮への軍事侵攻をねらい、
朝鮮の国防力強化にブレーキをかけるようとする米国の論理だ。

米国の「核の傘」の下にいる日本もこれに追随している。

朝鮮に対してのみ「弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁ずる」とした国連安保理の「決議」は、
核ミサイルに関する米国の不当な二重基準を模倣したものだ。


国際法上の根拠はなく、国連憲章の精神にも反している。



国連安保理の常任理事国(中・ロ・米・英・仏)はSLBM保有国だ。

これまで実験を繰り返し、「核クラブ(nuclear club)」を形成した国々が、
同じプロセスを踏む国に身勝手なルールを適用し、
一方的に責め立てるのは「大国の傲慢」以外のなにものでもない



朝鮮は、米国との戦争状態にピリオドを打つ平和協定締結を目標に掲げつつ、
核抑止力強化を「国際法で保障された自衛権の行使」として主張し、実行していくだろう。


http://chosonsinbo.com/jp/2016/08/0029-2/
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現在、アメリカは核兵器を運搬する能力のある軍艦や戦闘機を各基地に配備しているが、
これに対して「やめろ」という声を挙げる国を聞いたことがない。


北朝鮮のミサイルは脅威だが、アメリカの戦闘機や軍艦は脅威ではないという理屈は通じない。
結局のところ、北朝鮮の脅威というのはアメリカにとっての脅威であって、近年の日本の軍拡は、
アメリカの手下である日本政府が主人が抱える恐怖を取り除こうと躍起になっているだけに過ぎない。


日本の誇りがどうのこうのと騒ぐ連中は、まず
この日本政府および極右政治家たちの凄まじい奴隷根性を矯正することを目指すべきではないかと私は思う。


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