時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮バッシングと併進する朝鮮学校への差別

2017-10-04 21:45:40 | 北朝鮮
朝鮮総連「金正恩委員長を決死の覚悟で擁護」…中央常任委員会が声明
(http://dailynk.jp/archives/96193)

先日の声明を受けて、一部(というより大半)の極右論者が歓喜に震えている、
もとい、怒り心頭に発しているが、そもそも総連が北朝鮮が擁護することは
言うほどおかしいことだろうか?


朝鮮中央通信は同日、以下のような記事を載せている。

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【平壌9月23日発朝鮮中央通信】


朝鮮民主法律家協会のスポークスマンは23日に発表した談話で、
在日同胞に対する日本反動層の卑劣かつ幼稚な差別行為を断罪、糾弾した。






去る13日、日本の東京地方裁判所は東京朝鮮中・高級学校高級部生徒に
高等学校支援制度を適用することを求める総聯(朝鮮総聯)と
在日同胞の正当な主張を何の法的論拠もなしに棄却する暴挙を働いた。





談話は、東京地方裁判所の不当な判決は
日本反動層の反共和国・反総聯敵視政策の延長として、
在日同胞の自主権、生存権を無残に踏みにじる
不法無法のファッショ的暴挙であると暴き、次のように指摘した。





朝鮮民主法律家協会は、日本の東京地方裁判所の
不当な判決をわが共和国の尊厳ある海外公民団体である総聯を弾圧、
抹殺するための極悪非道な敵対行為、犯罪行為とらく印を押し、
峻烈(しゅんれつ)に断罪、糾弾する。







朝鮮高級学校生徒に高等学校支援制度を適用するのは
過去、日帝がわが民族に働いた犯罪を誠実に謝罪する立場や、人権を尊重し、
保障することに関する国際法上の見地から見てもこれを排除する何の法的根拠もない。







われわれは、総聯と在日同胞を対象にして
しつこく強行されている日本反動層の卑劣かつ幼稚な差別行為を絶対に傍観しないであろう。




もし、日本の反動層が総聯と在日同胞に対する差別と迫害に執着し続けるなら、
全朝鮮民族の復しゅうの洗礼、正義の審判を免れられないであろう。




日本当局は、総聯と在日同胞の尊厳と権利を無残に踏みにじり、
在日朝鮮生徒の未来に陰を投げた野蛮な行為が
どんな破局的結果をもたらすかということについてはっきりと悟り、
熟考しなければならない。---


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朝鮮学校に対する教育差別は不当以外の何者でもないので、
「仰る通り」としか言いようがない。


駄目押しで次の記事も載せる。



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それぞれの歴史観、誰も奪えない/
市の補助金不交付・千葉初中で緊急集会




「千葉市の補助金不交付に抗議し撤回を求める4.29千葉ハッキョ緊急集会」が
29日、千葉初中にて行われた。


県内の活動家、同胞・学父母、
「千葉朝鮮学校を支える県民ネットワーク(千葉ハッキョの会)」
の会員をはじめとした日本の有志ら約100人が参加した。




千葉市は、同校の主催する
「ウリハッキョと千葉のともだち展」に展示された一部の作品とその解説文に
2015年の「日韓合意」を批判する記述があったことなどを指摘。





これに対して
「補助金事業に必要とされる『地域住民との交流に資するもの』
 と言うことが極めて困難と言わざるを得ず、

 また『市長が適当ではないと認めるものでないこと(要綱第3条第6号)』の要件にも該当せず」
 よって「要綱第3条に定める補助対象事業として促進すべき地域交流事業とするのは
 適当ではないと言わざるを得ない」とし、これを補助金等の交付の決定の内容に違反していると判断。


「千葉市補助金等交付規則第17条第1項第2号に該当する」ということを理由に、
 4月27日、同校の地域交流事業への補助金の交付決定を取消した。


集会ではまず、同校の金有燮校長が報告を行った。



金校長は

「私たちには私たちの歴史観や文化があり、それを誰も奪うことは出来ない。
 子どもたちは自分たちの歴史観や文化を誇る、朝鮮民族の一員として交流をするのであり、
 日本政府と考え方が異なるからと言って地域交流を阻むのは差別以外なにものでもない」


としながら、

「戦時中に性奴隷となり尊厳を踏みにじられた朝鮮の女性たちがいる。
 その歴史的事実を直視することは、今の若者たちに必ず必要なこと。
 私たちは自分たちの歴史教育に誇りを持ち、
 朝鮮人として真の地域交流を堂々とやり続ける」と述べた。



また、

日本が未だに同化政策や
 植民地主義を捨てきれずにいることに問題の本質があり、


 日本が過去に行った植民地政策の結果としての
 朝鮮学校の存在意味を政府や地方自治体が真に理解し、
 これを保障することにこそ朝鮮学校問題の真の解決がある
」と指摘した。



続いて、千葉ハッキョの会呼びかけ人のひとりである廣瀬理夫弁護士が発言した。


廣瀬弁護士は、
「従軍慰安婦問題について、
 国際的には日本政府の見解は認められていない。

 あたかもその見解が正しいかのように宣伝をしてきたのは日本政府。
 行政府はむしろ、その宣伝によって誤解を持っている市民に
 正しい歴史を知ってもらう努力をする責任があると思う」としながら、

「そもそも異文化交流とは互いの違いを認め
 尊重し合いながら共生の道を探すためのもの。
 互いの歴史や文化、経験を知っていくのが交流の目的。
 日本政府の見解と違うことを表現すると
 地域交流にはならないというのは全くの間違いである」と市の決定に異議を唱えた。


http://chosonsinbo.com/jp/2017/05/rp170501/
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国際条約では政治的事由で教育関連の補助金を打ち切ることは
差別行為であるとみなされている。


それは、「何が反日で何が親日か」の基準を定めるのが
得てして権力側であり、政府の裁量次第で本来なら得られるはずの支援が得られないからである。



朝鮮学校にのみ教育支援を行わないという行為は
子どもの権利条約、国際人権規約、日本国憲法等に違反するものと国際的にはみなされており、
過去、幾度も注意・勧告を受けている。



よって、北朝鮮側が語る
「人権を尊重し、保障することに関する
 国際法上の見地から見てもこれを排除する何の法的根拠もない」
というのは、まさしく妥当であるし、また、排除を熱望する人間が得てして
過去の歴史を隠ぺいせんと奔走している点からも彼らの言い分は的を射ている。



自身達の置かれた状況に対して真剣に接してくれる北朝鮮政府に対して
総連や朝鮮学校が感謝の意を表するのは、ごく自然ななりゆきだと私は思うのだが、
どうもこれが極右論者および自称中立派には許せない行為になるらしい。



これは恐らく、論者の多くが2本ある記事のうち、
北朝鮮バッシングに役立ちそうな個所のみを切り取っているからだと思われる。

全体を通してみれば不自然な発言ではないのだ。


情報源たるデイリーNKは、
朝鮮学校への差別に抗議したとの記事も合わせて載せている。



つまり、今回に限ってはNKではなく、
情報リテラシーが出来ていると勘違いしている人物が
「擁護」の部分だけを見てヒステリックを上げたということなのだろう。

(別記事で述べるが北朝鮮は8月下旬の時点で
 日本に対し米朝の緊張緩和に協力してくれないかとコンタクトを取っている。
 勝手に向こうの申し出を断って独自制裁を追加し、
 あまつさえ国内の在日コリアンを迫害し、歴史を直視しない
 日本政府のほうこそ、擁護をするのは難しいというものだ)




そもそも、問題の声明は北朝鮮建国69周年記念にむけて開かれた
各国でのセレモニーの一環として発話されたものでもある。


次の記事を参照してみよう。



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【平壌9月23日発朝鮮中央通信】

朝鮮民主主義人民共和国創建69周年に際して
ブルガリア、ルーマニア、スロベニア、ロシア、
ペルー、タンザニア、ギニアで1日から10日までの間に講演会が行われた。



ブルガリア金日成・金正日主義研究グループの責任者は、
金日成主席は革命の壮途についた初期から人民が全てのものの
主人になった国を建てる遠大な志を抱いて日帝に反対する武装闘争を策定し、
導いて国を解放したし、共和国を創建して自主・自立・自衛の社会主義国家に転変させたと語った。



また、金正日総書記は類例なく厳しい試練の時期、
先軍の旗印をいっそう高く掲げて朝鮮の社会主義をしっかり守り抜いたと強調した。



そして、こんにち、朝鮮は尊敬する金正恩同志の指導の下に
チュチェの核強国として尊厳をとどろかしていると述べた。



ペルー共産党中央委員会の書記長は、朝鮮は一心団結と
強大な軍事力に依拠して国の自主権と朝鮮半島の平和と安全を頼もしく守っており、
これはわれわれに大きな力を与えていると語った。




また、偉大な領袖の指導を受ける朝鮮労働党と人民の偉業は正当であり、
朝鮮は必ず最後の勝利を収めるであろうと強調した。



タンザニア朝鮮民主主義人民共和国友好協会の副書記長は、
共和国の創建と強化発展に積み上げた白頭山の天が賜った偉人たちの業績を激賞した。



そして、現時代の傑出した指導者である
金正恩閣下が居て勝利はいつも朝鮮のものであると強調した。---

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要するに、よその団体に倣って発言した社交辞令にすぎず、
これをただちに「北朝鮮の奴隷と化した」と解釈するのは不適なのだが、
これに関してはデイリーNKは「なぜか」記事として読み手に発信していない。





http://dailynk.jp/archives/96239/2

デイリーNKは「原文は以下の通り」と称して
朝鮮中央通信の記事を載せているのだが、実はこれ、
インターネットでも参照できる日本語版の記事をコピー&ペーストしているだけに過ぎない。


つまり、仮にもジャーナリストの端くれを名乗り、
これにより利益を得ているはずのメディアがよそのサイトの記事を貼り付けて
記事を作っているのである。しかも、これといった解説文はつけられていない。



通常、原文を載せる場合は、翻訳するとしても自社あるいはフリーの翻訳家に
依頼するものであるが、私のような個人が遊びでやっていることと同レベルのことを
天下のデイリーNKがしているというのは、なかなかハイセンスなギャグである。


編集長の高英起は北朝鮮バッシングには異常に情熱を燃やす一方で、
朝鮮学校への差別や裁判の経緯には無頓着である。


NKには先日の大阪での判決に対して記事を一本も書いていない。
どうでもいいのだろう。


表面的には人権侵害を憂いでいるはずなのだが、
実際には国内の人権侵害にすら本気で怒りもしない。


「正義の使者」高英起の高潔さには頭が下がるばかりである。
 恐らく、彼の顔面は五寸釘を指されても血の一滴も流れないのではないだろうか?


(大体、彼の編集した記事が極右のコリアン差別の格好のネタになっている点からも
 彼がどれだけ差別に対して憤慨しているかは推して知るべしだろう)



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