時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

衝撃スクープ?金正男暗殺の真相

2017-10-08 21:34:21 | 北朝鮮
韓国の情報機関、国家情報院(通称「国情院」)が
どのような組織であるかを知るには次の記事を読むと良い。


-----------------------------------------------------------------
ブラックリストの芸能人、国情院の予告どおり追い出し



国家情報院(国情院)の「ブラックリスト芸能人」追い出し作業は想像以上だった。
29日、「ハンギョレ21」が確認した芸能人ブラックリストに
関連した国情院の文書14件の内容によると、国家情報機関が全方位的に、
また持続的に該当する芸能人たちの追い出しに尽力した
具体的な情況を把握することができる。





まず、国情院がブラックリストの芸能人らの追い出し時期と
方法まで子細に言及した部分が目を引く。



2011年7月に作成した「MBC左傾向出演者の早期追い出し施行」報告書によると、
「4月にキム・ミファ、7月にキム・ヨジンを降板」、
「後続措置としてユン・ドヒョン、キム・ギュリを8月ごろ交替予定、
10月秋の改編の際にシン・ヘチョル、キム・オジュンも降板させ交代させる方針」など、
多くの芸能人らの追い出し時期と方法を言及している。


実際、ユン・ドヒョンは同年9月に文化放送のラジオ番組「2時のデート」から、
キム・オジュンは10月に「風変わりな相談所」からそれぞれ降板した。



オン・オフラインの「世論工作」が試みられた情況も見られる。

「VIP(大統領を指す)に言葉テロを加えて国家元首の名誉を失墜」させたと
名指された放送人のキム・グラや歌手のキム・ジャンフンの場合、
「アンチ勢力を活用した萎縮」を試みた。



実際、国情院が報告書を作成した時点を基点に、
キム・グラの場合、過去の暴言の動画などがコミュニティサイトに配布され、
キム・ジャンフンは偽りの寄付論議に巻き込まれた。


当時は国情院心理戦団と軍サイバー司令部の活動が活発だった時期でもある。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28614.html
-----------------------------------------------------------------

国情院の歴史を辿ると、その前身は植民地時代の特高にたどり着く。
終戦後、特高の組織を継承した形でKCIAが発足、軍事政権下、
反対派の活動家および容疑者を拘禁、拷問を繰り返した。


日本メディアは全く注目していないが、朴槿恵の事実上の親衛隊として
思想弾圧に加わった国情院の余罪追及は未だに継続している。






金正男暗殺、北朝鮮工作員の手口と謎の愛人
たった500ドルの報酬で彼の命は奪われた


10月8日夜の特番にむけたダイジェスト記事が東洋経済に記載されている。
「真相」と銘打っているが、実際には既存のニュースを映像化しただけのもので、
 事実、同サイトの検索欄に「金正男」と打ち込んでやれば同様の記事がヒットする。


注目すべきは
なぜか北朝鮮の工作員の仕業と断定していること。



クアラルンプールの旅客数は2015年度で4893万8424人。
1日当たり100万以上の人間が利用している。

その中で当日、空港市内にいた北朝鮮の人間のみを「容疑者」に絞り上げ、
見込み捜査を始めたわけだが、当然、これといった証拠も発見することが出来ず、
結果、ほぼ迷宮入りとなって事件は終息した。


金正男氏殺害事件の新委曲 リ容疑者、捜査は謀略と非難

容疑者として拘束された北朝鮮の出稼ぎ労働者は証拠不十分で釈放後、
マレーシアから国外追放された。人権侵害だが、非難するメディアはなかった。


さて、この事件に対しては以下のような論評がある。


----------------------------------------------------------------
大騒ぎは米南日のマスコミだけ、
海外から見たクアランプール事件

/李東埼



完敗したCIAと国情院の謀略劇

マレーシアのクアラルンプール国際空港で2月13日に死亡した朝鮮公民の遺体は、
両国の共同声明にもとづき3月30日、朝鮮側に引き渡された。



共同声明は「両国は、ビザなし渡航の再導入について肯定的に討議することにし、
双務関係をより高い段階へ発展させるために努力することで合意した」と明記した。



マレーシア警察は朝鮮民主主義人民共和国の公民に嫌疑をかけると
同時にビザなし渡航を一方的に廃止した。その、ビザなし渡航を復活させるというのである。



これはとりもなおさず、嫌疑を撤回するという意味である。
さらに両国関係をいっそう緊密化するとも言っている。


これには、朝鮮の威信と名誉を故なく汚したことへの、反省と謝罪が込められていると見てよい。



恥知らずの日本マスコミ



CIAと南朝鮮の国家情報院が、
マレーシアの一部不純分子を巻き込んで敢行した一大謀略劇は完敗し、醜態をさらした。
この間、日本では狂乱的な「北朝鮮たたき」が吹き荒れた。恥を知るべきだ。



海外ではどうだったのか。


清華大学客員教授・鄭己烈氏は、
3月下旬時点で世界中のウェブサイトに上った
同事件関連の報道、論評は10余編にすぎず、それも「米韓日の報道に批判的なのが大部分」という。




中国、ロシアの両政府は、
米日南の報道とマレーシアの発表を疑っている。




人民日報の海外向けソーシャル・メディア「侠客島」は
「今回の事件で利益を得るのは韓国の保守層だ」と書いた。



元ジャパンタイムズ編集長で、調査報道専門記者として
世界的に有名なヨイチ・シマズ氏(日系米人)は3月の早い段階で
「CIA・国情院の犯罪者たちが演出したマレーシア空港事件」と題する詳しい論評を発表した。




見せびらかす劇場型暗殺


事件は空港の雑踏の中、監視カメラの下で行われた。
こっそり殺すのが暗殺。だがこれは、見せびらかす劇場型暗殺である。
マスコミを動員し朝鮮を窮地に追い込むためなら極めて効果的といえよう。



事件当時、CIAなど米政府内のタカ派が
3月初予定の朝米非公式会談をつぶそうと必死になり、
南朝鮮の与党と保守派は朴槿恵弾劾を阻止すべくあせっていた。


「北朝鮮の脅威」で朝米会談も朴槿恵弾劾も吹き飛ばそうとすれば、
 これほど絶妙のタイミングはない。



重大な捜査サボタージュ



マレーシア警察の発表をみると、重大な捜査サボタージュが発見できる。



(1)金氏が空港に入る前の行動をなぜ捜査しないのか。
(2)監視カメラには金氏をはさんで2人の男が一緒に歩いている。なぜ彼らを捜査しないのか。
(3)VXを素手で扱った容疑者はなぜ死なないのか。
(4)女性容疑者の南朝鮮行きについて、なぜ捜査当局は沈黙しているのか。


ヨイチ・シマズ氏は、金氏が空港に入る前にカフェで毒を盛られたと推理している。


なぜマレーシアなのか



09年に就任したナジブ・ザラク現首相は汚職まみれ。
15年には国営マレーシア開発有限公社からの巨額横領が発覚。
彼の腹心ザヒド・ハマディ氏と賭博王ポール・プアの腐れ縁もそれ以前に発覚した。


資金洗浄を依頼したゴールドマンサックスを通じてCIA、FBIは証拠を握った。
こうして現首相は米国の「奴僕」となった。マレーシアはでっち上げに最適の舞台だった。
事件後、親米サウジアラビアは、対マレーシア70億ドル巨額投資を発表した。

 (ジャーナリスト)

http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/0407jy/
----------------------------------------------------------------


Demonization Campaign:
ROGUE CIA-NIS Agents STAGED Murder Of Kim Jong Nam



島津洋一氏の評論は上のページから閲覧可能。かなりの長文だが読みごたえがある。



実行犯に当たる女性2名は
日本人を名乗るアジア人に依頼されたと告白しているが、
フジテレビ取材班はこれを強引に「日本人を装った北朝鮮工作員が声をかけた」と解釈。


誰が初めに工作員の仕業と決めつけたのか。
何を隠そう、その人物こそ国情院院長、リ・ビョンホ氏である。


「犯行直前の工作員たちの動きが今回の取材で判明した。
 空港内で入念な下調べをした後、女実行犯たちと合流、
 金正男氏への襲撃の指示を出す様子なども明らかとなった。
 女たちの手には、工作員によって謎の液体がつけられる。」


幾度にかけて専門家によって指摘されているが、猛毒VXを手に塗り無事で済むことはありえない。
次の記事を参照。


------------------------------------------------------
マレーシアのカーリド・アブ・バカル警察長官は
「犯行前に一人の男性容疑者が女性容疑者たちの両手に毒劇物をたっぷり塗り」、
「アイシャが先に前から接近し、彼の顔に毒劇物の付いた自分の手をこすり付け、
 続けて背後から彼に抱きついたフオンが再び両手の毒劇物を彼の顔に塗りつけた」と述べた。


同紙は、
専門家たちは空港の監視カメラの分析結果などを挙げ、警察発表を疑問視していると指摘。

監視カメラの画面を見ると、
男性が攻撃を受けた後も顔や目を手や服で拭うしぐさを一切しなかったとし、
空港の監視カメラ映像を入手した日本のフジテレビ側の依頼
50数分間の動画の原版を分析したある消息筋は、

「人間は目や顔に水滴が少しでも付くと本能的に拭うはずなのに、
 何度も見返したが、男性は襲われた後、服や手で顔を拭うしぐさをまったくしなかった」
としたうえで、「男性の顔に液体が塗られていなかったということだ」と述べたと報じた。


また、医療専門家も、手に塗っても平気だが、
顔に塗ると致命的という毒劇物が果たして存在するのか疑問を呈したと同紙は報じている。

http://chosonsinbo.com/jp/2017/02/02suk-12/
------------------------------------------------------

勘の鋭い読者は既にお気づきだろうが、フジテレビは事件当初から
執拗に北朝鮮犯行説(発信元は国情院)を連呼していたメディアだった。


今回のスクープ(笑)はその集大成に当たるが、
未だに「毒物を手に塗り付けた」と平然と語るあたり、
取材は結論ありきのもので、ろくに検証がされていないのではないだろうか?



-------------------------------------------------------
〈クアラルンプール事件〉北の工作員が韓国に旅行?(自主時報、2月25日)

ドアン・ティ・フォン容疑者は昨年、2人の女性と共に韓国を訪問、
フェイスブックに男性の友人に会いに韓国を訪問するという情報を載せた。



韓国は対共(反共)意識が極めて高く、
国家情報院や警察などの機関が整備されているなど北に対する警戒心がとても高い国である。
それなのに北に取り込まれている女性が韓国旅行にくるということは理解しがたい。


それならば、フォンと韓国の関係についても調査が必要であるにも拘わらず、
マレーシア警察当局は調査する気はないようだ。



一方の国情院も調査すべきだが、そんな気配はない。
ベトナム人女性3人を招いた韓国人男性がフォン逮捕の前日にフランスに向かったが、
マレーシア当局は彼に対する調査を行っていない。




韓国の公安機関がそうさせないようにしたという情報も伝わってきている。

http://chosonsinbo.com/jp/2017/02/04suk-4/
-------------------------------------------------------

私自身は情報を整理する限り、韓国黒幕説が濃厚ではないかと素人ながら考える。

実行犯の一人が事件直前に韓国に向かっていたこと、
彼女らと関わりの有る韓国人男性が逮捕前日にマレーシアを出国していること、
この件に関してマレーシア当局が意図的に捜査をしていないこと、

事件が起きた同時期に朴槿恵陣営に対する大々的な弾劾運動が起きていたこと。


そして北朝鮮犯行説の情報源は国情院。


マスメディアのように状況証拠のみで憶測をしても許されるならば、
十中八九、韓国が裏にいると断言しても良いだろう。

実際には憶測のみで断定をするのは論理の飛躍も甚だしいが。


フジテレビは懸命に金正男を反体制派の急先鋒であるかのように描きたがっているが、
本人はマカオで豪遊していた政治的にも存在感の薄い人物だった。


今も金正男氏が生きていたら北朝鮮をめぐる国際情勢は違っていたのだろうか? 
10月10日の朝鮮労働党創建記念日に向けて新たなミサイル発射の動きが指摘されている。

金正恩委員長とドナルド・トランプ米大統領の舌戦も
過熱の一途をたどり、北朝鮮はますます孤立している。


もし、金正男氏が生きていたなら、
北朝鮮と国際社会を結ぶ有力なチャンネルになれただろう。
孤立化への道をつき進む北朝鮮、一筋の希望はもう光を失ってしまっている。

http://toyokeizai.net/articles/-/191748?page=3


マカオの遊び人がどうやったら有力なチャンネルになれるというのか?
事件後、一部メディアで正男の個人崇拝がはびこったが、これは期待過剰というものだろう。


なお、北朝鮮は8月下旬に、すでに日本に対してアメリカとの仲介役として
コンタクトを取っている。結果は言うまでもない。


故人に対して、お涙頂戴のストーリーをでっち上げるよりも
日本政府が米朝衝突の緩衝材となることをフジは主張すべきではないだろうか。


粉飾戦争 ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器

(https://honto.jp/netstore/pd-book_02423226.html)

アメリカ・メディアがイラク戦争の大義をねつ造した事件を
厳しく批判した書。絶版だが、BookOff等の古本屋ではよく見かける。


イラク戦争に限らず、あらゆる事件において
同様の構造(政府有利の情報をメディアが作り上げ宣伝する)が散見される。


フジの特集もなぜか衆院選直前の時期に放送。
安倍政権は北朝鮮の脅威を盾に改憲を主張。狙いは明々白々である。






『政治』 ジャンルのランキング
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 作為された脅威・北朝鮮 | トップ |   
最近の画像もっと見る

北朝鮮」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL