時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮の崩壊を望んでいるのは左翼も同じ

2016-09-13 23:27:31 | 北朝鮮
日本で北朝鮮を弁護することは大罪とされていると言っても過言ではない。

実際は、当サイトで再三、述べているように北朝鮮の敵国はアメリカであり、
近年の核開発も合衆国が北朝鮮の要求する平和条約締結に応じず、軍事演習を敢行していることに起因する。


そもそも、北朝鮮は核実験を行う度に「これはアメリカを標的にしたものであり、
アメリカが敵視政策を続ける限り中断することはない」と発言し続けてきた。


この点を一切、無視して悪の北朝鮮論を吹聴してきたのが日本の左も含む知識人である。

実際、北朝鮮を弁護する人物は極めて稀であり、専門家を含め、
多くの知識人は、多かれ少なかれ北朝鮮の悪魔化に貢献してきた。



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過去の五輪閉会式の例をみても、セレモニーで
その都市が位置する国の政治権力のトップがメインを張るなんていうのは前代未聞だ。

北京五輪の中国ですらこんなことはやらなかった。


ソチ五輪のロシアでもプーチンがショーに登場することはなかった。

これから先も、
北朝鮮などの独裁国家で
オリンピックが開かれないかぎり、
こんなショーはありえないだろう。



そういう意味では、今回の東京セレモニーは日本が
民度の低い前近代的独裁国家であるかのような
イメージを世界に振りまいていしまったといってもいい。


http://lite-ra.com/2016/08/post-2515_2.html
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上記の文章はリオ五輪閉会式でのセレモニーにおける「安倍マリオ」の
演出に対する批判記事から引用したものだが、ここでは
最悪の国の例として北朝鮮、中国、ロシアが平然と使用されている。



リテラに限らず、日本政府を批判するさいに
「このままでは中国や北朝鮮のようになる」とほざく輩は少なくない。


日本と中国・北朝鮮は本質的に異なるという妄想による発言である。

実際は、日本も北朝鮮も同じ近代国家であり、
どちらも中央集権体制および官僚制度に縛られた政治を行っており、
そこに質的な違いはない



そもそも、安倍晋三自体、
父親の安倍晋太郎のコネクションを最大限に利用して成り上がった人物であり、
また本人も自慢するように皇族や大物政治家と姻戚関係にある。

支配者層が権力を維持・強化しているという点では日本も北朝鮮も大差はなく、
むしろ小泉進次郎という親米派の新自由主義者を未来の首相のように崇拝・アイドル化する
メディアの行為に何も感じず同調する大衆が存在する日本のほうが自覚がないだけ危険ではないだろうか?



安倍晋三を主役にするというパフォーマンスは日本政府が真に独裁的だからこそ
可能だったわけであり「北朝鮮のような前近代的国家」でさえ同じことはしない。




安易に北朝鮮を悪と腐敗の象徴としてレッテルを貼りつける行為こそ、
自民党に対する最大のプレゼントに他ならない。この点を自覚しているのだろうか?




安倍政権も待望、米軍の「北朝鮮核施設・先制攻撃」が
引き起こす悪夢のシナリオ! 沖縄への報復攻撃、泥沼の地上戦、9条改正



今回の核実験を通じてリテラもさすがに日本の敵視政策のおかしさに気づいたようだが、
批判するには遅すぎたと言わざるを得ない。


同記事で述べられていることは私が数年前から発していたこととほぼ同じ内容で、
責められるべき対象は日本政府もさることながら、それを今の今まで
論じようとすらしなかった日本のメディアや知識人、主流の平和団体にもある。



つい最近まで「民度の低い前近代的独裁国家」と表現しておきながら
いざ日米韓が攻撃を仕掛けようとする動きが出てくると、途端に態度を翻す。

このような軽佻浮薄な態度こそ
日本の左翼の信用を落としている何よりの原因ではないだろうか?




試しに次の記事を読んでみると良い。





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北朝鮮は、アメリカとその同盟国は、
北朝鮮を主権と防衛の権利を持った核大国として認めようとしていない
と考えています。


北朝鮮はさらに、核実験を、北朝鮮の人々と労働党による、
アメリカと敵対勢力への強い一撃だとしました。




北朝鮮が新たな核実験を行った一方で、
アメリカとその同盟国、つまり韓国と日本は、経済や貿易の分野で、
北朝鮮に対する圧力を依然として拡大しています。


北朝鮮は核・ミサイル実験はアメリカの拡大する
軍事的脅威に対する抑止力の強化として行われていると考えています。




朝鮮半島沖で繰り返されるアメリカと韓国の軍事演習、
さらに同盟国内でのアメリカ軍の駐留拡大は、
北朝鮮がアメリカに標的にされていると考える根拠です。




このため、北朝鮮は、
アメリカの敵対政策の終結を強調すると共に、抑止力の強化を強調しています。





西側の一部情報筋も、北朝鮮は国際社会の支持を取り付け、
経済状況の回復を目指し西側から利権を得るために、
世界的な警告にもかかわらず、たびたび核・ミサイル実験を行っていると考えています。



こうした中、アメリカ軍9万人以上が駐留する日本と韓国は、
北朝鮮の核・ミサイル実験の力をはかることで、北朝鮮は単に力を誇示するために
こうした実験を行っているのではなく、アメリカからの危険を十分感じているという結論に達しています。



一方で、中国は北朝鮮の核・ミサイル実験は、
アメリカにとって地域での軍備の増強と共に、中国を包囲するために必要な口実となっていると考えています。

これは中国政府が、THAAD配備など、日本や韓国の軍事力を増強させているアメリカの主な目的は、
中国をけん制することにあると考えていることを意味します。


このため中国は、北朝鮮にこうした実験を停止させようとする西側からの圧力を逃れるために、
これらの実験を認めないと表明しました。




北朝鮮の同盟国と見なされるロシアもまた、北朝鮮の新たな核実験を非難し、
これに関して、西側を支持しています。こうした中、西側はこのような中国やロシアの立場を、
西側の圧力を軽減するための見せ掛けの行動に過ぎないとしています。




いずれにせよ、政治評論家は、脅迫を受けたり、
それを感じたりしている全ての国の抑止力の強化は、国際法規に基づき認められていると考えています。




このため、北朝鮮の見解ではアメリカとその同盟国は単に、様々な軍事演習を実施し、
北朝鮮に脅威を作り出すことで、単に朝鮮半島の危機を煽っているとされています。





この危機は最終的に、北朝鮮との緊張の最前線にいる
日本や韓国をはじめとするどの国の利益にもならず、北朝鮮との緊張が続くだけです。


中国外務省も、朝鮮半島の情勢不安や混乱、あるいは戦争の勃発はどの国のためにもならないと表明しています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i16366
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上はイランラジオ改めParsTodayからの記事だが、
こういう解説を日本のジャーナリズムを気取る雑誌や団体が継続的に発信してきただろうか?


否である。さらに重要なのは北朝鮮の核開発はアメリカの国外基地の問題と連動していることだ。

フィリピンのアメリカ軍撤退要請


フィリピンや韓国や沖縄の米軍基地問題をリンクさせて語る記事が主流になっているだろうか?
私には沖縄のことだけを語っている日本中心のニュースがほぼ全てだと感じてならない。


そのような記事は記者自身は良心的であろうと結果的には全体像を見づらくすることに貢献してはいないか?

北朝鮮の問題について回るのは結局のところ、日本の民度の低いジャーナリズムなのである。



「アラブの春」や「雨傘革命」「ひまわり革命」といった一連の民主化運動(笑)に対する
あまりにも楽天的な日本の主流知識人の発言を知る限り、彼らは北朝鮮に対しても
武力干渉はNGだが自壊ならOKといった認識を抱いているのではないだろうか?


だとすれば米英仏のような侵略主義者たちと彼らとの間は手段が違うだけで
目指すべきビジョンは同一のものではないだろうか?


とするならば、はたして右翼と左翼との間に大差はあるのだろうか?
こういう点にこそ、今日の日本の左翼の減退の原因があるのではないかと思えてならない。



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