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「ディパーテッド」

2007年01月28日 | 映画
2006年(アメリカ)原題「THE DEPARTED」152分

★★☆☆☆←独断と偏見による



<出演>

レオナルド・ディカプリオ(「タイタニック」「ザ・ビーチ」他)
マット・デイモン(「グッド・ウィル・ハンティング」「プライベート・ライアン」他)
ジャック・ニコルソン(「シャイニング」「アバウト・シュミット」他)
マーク・ウォールバーグ(「ブギーナイツ」「スリー・キングス」他)

<感想>

本作品は、香港ノワールの傑作「インファナル・アフェア」のリメイクであり、
そのためオリジナルを見ているか否かが評価の分かれ目になるようです。
私は、「インファナル~」が好きで好きで3部作が公開され、
3作品のDVDがBOXセットで発売されるまで購入を控えた程でした。

ハリウッドでリメイクするという噂を耳にした時は、
「あの雰囲気はハリウッドには出せない」と強く思ったものです。
しかも、主役がディカプリオと聞き(ファンの方すいません。)、
オリジナルとの年齢差も気になるし、そもそもヤンとラウどっちを
演じるんだろうと一抹の不安を大いに抱いたのでした。
こういったマイナス面を多々抱えながらの鑑賞になることは、
十分承知していたのですが、
その分を差し引いたとして、「そこそこがんばった」と言えると思います。

上記の事情をお察し頂きまして、★二つと厳しい評価にならざるをえないことを
ご承知おきの上、この先お読み下さい。
尚、ストーリーの性質上、ネタバレ全開となりますので未見の方はご注意下さい。

比べるなという声が聞こえそうですが、比べてしまいます。
上映時間ですが長いとまで行きませんが、特に前半は説明部分が多く
(置いてきぼりをくらう可能性あり)どうも眠くなってしまいました。
オリジナルは、100分ほどの尺でバレるかバレないかの最高潮の緊迫感を維持しつつ、
一気に最後まで持っていくので、余計にだれて感じたのかもしれません。

この緊迫感の象徴が携帯電話というツールで表現されるのですが、
ヤンは、携帯電話さえ使えない状況に陥る時があり、
その時の手段は、モールス信号でした。
私はこのモールス信号の使用には、感動致しました。
ラウは、モールス信号を知りませんでしたから、
少なくとも警察学校で教えてくれるものではないようです。
ウォン警視とヤンだけの通信手段でした。
ハリウッド版でもこのモールス信号を大いに使ってほしかったのですが
(俄然緊迫感が違います)、通常警察では、モールス信号は使わないので?
削除されたのかもしれません。

そして、年齢。結局ディカプリオがマフィアに潜入した警察官、
つまりヤンだったわけですが、ヤンは優秀であるがゆえ、学校側から潜入捜査のため
表面上退学となり、マフィアに潜入します。
この時、ラウ(=マット・デイモン)は、楽しくもない警察学校での訓練に
飽き飽きしていたため?「オレが退学したいよ」とヤンを見送るのです。
そして、潜入から10年という歳月が流れたというところから話が始まります。
他方、ディカプリオは潜入して1年半と言ってましたから、
もうこの時点で抱える苦悩の度合いや悲哀が全く違うんですね。
ディカプリオの苦悩の演技は、なかなか良かったと思うのですが、
そういった背景とトニー・レオンの実力も重なり、
どうしても物語の深みが違って見えてしまうんです。

ヤンの何とも言えぬ物悲しい表情と時折浮かべる平和な表情というのは、
インファナルの重要な要素であり、反対にラウは善人になりたくてなりたくて、
でもそれが果たせないところに苦悩し、無間地獄に落ちてしまうというのが
メインテーマです。
ハリウッドは、どうやらそれを無視した形になっているようで、
あえてそうしたのかもしれませんが、そこがずれるとどうも・・・。

決定打としては、ラウは善人への道を選ぶため自らの手でボスを殺し、
堅気になることを誓うのですが、マット・デイモンがボスを殺したのは
明らかにそれとは理由が違いました。
「FBIに俺を売ったのか」と問い詰め、そして撃ち殺してしまいます。
つまり裏切り行為があったのかどうかというのが殺人の動機でした。
無間地獄は仏教の考えですから、キリスト教には当てはまらないとは思いますが、
ここでも「え?それだけ?」と思ってしまいました。

ちなみにこのジャック・ニコルソンが殺されるシーンですが、
ご丁寧にも「IRISH」と書かれたTシャツを着てました(笑)。
この作品には人種差別が盛り込まれているため、そこいらの情報に疎い私には、
アイリッシュマフィアの背景がよく分からないのが残念です。
わざわざそんなTシャツを着ているのですから、
それなりの意味をなすものだったのでしょう。

そして、エレベーターでディカプリオが殺されるシーンですが、
続いて二人がマット・デイモンに殺されます。
このシーンにBGMがなかったせいなのか、非常に淡々としすぎて
マット・デイモンの苦悩がこちらに伝わってこなかったです。
ディカプリオが殺されたおかげで保身が保障されたわけですが、
不必要な殺人をしてしまったわけですから、
さらりと流されてはいけないシーンだったはずです。
インファナルでのこのシーンは、ヤンとラウの心情を表したような
そこはかとない切ない歌が流れてました。
何度もスローモーションでヤンの表情を映したり、
モノクロでカットバックが入ったりします。同じにしろとはいいませんが、
もうちょっともの悲しさが伝わるような展開がほしかったです。

結局最後は、マット・デイモンがマーク・ウォールバーグに殺されてThe END。
ある意味インファナルの中国バージョンみたいな終わり方をするのですが、
殺されたときに窓の外の議事堂のアップで画面がフェードアウト。
この議事堂に関するセリフはあったものの、
議事堂の見える場所に住み、そこで殺され人生を終わるということが
生きておらず残念。

>伏線?

「インファナル~」は、ほとんど女っけのない男泣きの作品でしたが、
「ディパーテッド」では、二人とも精神科医と出来てしまうという展開でした。
マット・デイモンとは子供まで出来てましたし、
これは続編への伏線かとも思いました。
さらに同時に二人でしたから、マット・デイモンの子供とも言いがたい
という可能性も残しました。

続編への伏線は、もう一つあります。
ディカプリオは精神科医に「オレに何かあったらこの封筒をあけて」と渡します。
が、その後この封筒のことは全く触れずに終わってしまいました。

不満ばかりを並べましたが、「絶対にハリウッドで無理!」と思っていた私としては
よくがんばったなと思います。
どちらを先に見ようか迷っている人には、
「ディパーテッド」→「インファナル~」の順番をオススメします。

駄文、長文にお付き合い頂きありがとうございます。


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9 コメント

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初めまして (たけこ)
2007-01-28 22:36:54
TBありがとうございました。
レポ、楽しく拝見させていただきました。うんうんとうなずきながら、同感するところが多々ありました!
手首のギプスなど似たような映像があっても全く違うものだったりしたのが少し面白いなと思いました。
インファナル~にはハリウッド版にはみられなかった「美」があったように思います。やっぱオリジナルを観たときの衝撃は越えられませんねぇ。
TBありがとうございます。 (しゅぺる&こぼる)
2007-01-28 22:37:21
TBどうもありがとうございます。
どうしても比べてしまいますね。
わたしも比べましたが、それでもなかなか面白かった。それは役者の熱演によるところが大きいと思います。
ジャック・ニコルソン、最初と最後ではまったく印象がちがってみえます。
コリンにとってすごい憧れの存在、父の代わりだった
人がFBIに情報を提供していたということは
やはり彼こそがネズミであって、この裏切りに耐え切れなかったんでしょうね。
全体的にドライでした。
わたしも続編の匂いプンプン感じました。
TB返します。
はじめまして (チョコ)
2007-01-29 16:42:57
TBありがとうございました

『ディパーテッド』を観て、どうもすっきりしない感じを持ったので『インファナル・アフェア』を観てみました。

西洋人と東洋人の感性は違うのだということが良くわかりました。
でも、つい、比べながら観てしまったので、
私としては『インファナル・アフェア』を先に知りたかったです。

続編。。ああ、あの封筒はそういう含みがあったんですね。
納得しました(笑)
Unknown (雨のち晴れ)
2007-01-29 21:51:25
>たけこさん

ギプスの件は、そこに何か隠しているのでは?という疑惑を抱かせ、
観客側は、緊張するの図なんですが、
まあ普通にボスの怖さを思い知らせるという意図で使ってましたね。

>>インファナル~にはハリウッド版にはみられなかった「美」があったように思います。

雇われと言えどスコセッシ監督ですから、美学は感じました。血なまぐさいギャングの世界感はさすがです。

>しゅぺる&こぼるさん

ジャック・ニコルソンの存在感はすごかったです。ハエを食べるのは、アドリブでしょうか。
度がすぎた感もありますが、何度もアカデミー取ってるだけはあります。
ディカプリオの熱演は良かったです。
本来「ギルバート・グレイプ」のような名演技の出来る人ですから。

>>全体的にドライでした。

そうですね。ドライもドライ。乾ききっていたと思います。逆にインファナルは、潤っていたと言えるかもしれません。

>チョコさん

>>どうもすっきりしない感じを持ったので

チョコさんもそうでしたか。
実は、私もお口直しをしてしまいました(^^;;)。
確認したかったことも多々ありましたので。

同じ東洋でも、中国ではインファナルの終わり方は許されなかったそうです。
ということは、ハリウッド版なら少なくとも許されるのでしょうか。
お国柄が出ますね。

TBありがとうございました (ichi-ka)
2007-01-29 23:06:03
僕は『インファナル~』を知らずに『ディパーテッド』を観たので、エレベーターでのシーンは衝撃的に思いましたが、同時にあ然ともしてしまいました。
淡々とし過ぎていたからですかね?
雨のち晴れさんの記事を読んで『インファナル』も見てみたくなりました。
ディパーテッド (堕落論)
2007-01-30 00:01:43
TBありがとうございます。
Unknown (雨のち晴れ)
2007-01-30 20:29:11
>ichi-kaさん

エレベータのシーン、初めてオリジナルを見た時ものすごい衝撃でしたよ。
インファナル是非ご覧下さい。

>堕落論さん

こちらこそTB&コメントありがとうございます。
TBありがとう (しんちゃん)
2007-01-31 20:53:42
トラックバックありがとうございました。
返信が遅くなって、ごめんなさいね。
「インファナル・アフェア」を観てるとダメですよねぇ。どうしても比べちゃうから。
ディカプリオは、どうしても子供っぽく見えちゃって、ダメなんですよね。
Unknown (雨のち晴れ)
2007-02-03 00:51:58
しんちゃんさん

ディカプリオってもう30行ってましたっけ?全然そんな年に見えないんですよね。
だいぶ貫禄は出てきてますが、あともう少しでしょうか。
これから益々男の色気が出てくることでしょう。今後に期待です。

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