南英世の 「くろねこ日記」

経済問題・教育問題を中心に、日々感じたことを綴っていきます。

投資信託

2011年10月09日 | 日常の風景
先日行われた講演会での話である。

 「日本の個人金融資産1488兆円のうち、株式市場には6.3%しかない。個人金融資産の半分が銀行に集まっている。個人が保有している株式の割合は市場全体の約2割である。外国人の持ち株比率が高まり、上場企業の株式持ち合いは急速に解消している。売買代金のシェアは、62%が外国人、証券会社の自己勘定24%、個人23%となっている。

 そうした中で、最近、人気を集めているのが投資信託である。特に高齢者を中心に、毎月分配型、アメリカのハイイールド債(=ジャンク債?)などに人気が集まっている。そうした金融商品の中には(1万円につき)毎月150円の配当をうたう金融商品もある。しかし、毎月150円ということは、年間1800円である。年間利回りだと18%にもなる。そんなうまい話があるはずがない。投資家の半分くらいはそうした金融商品のリスクが高いこと理解していない。
 
 毎月分配型は、簡単に言うとその配当の原資は元本の払い戻しによって捻出している。最近になってようやくN証券のHP上にそうした注意書きが載るようになった。この1〜2年の間に、元本1万円のものが8000円以下に値下がりしているものも少なくない。しかし、それでもまだ8000円分の元本が残っているだけましかもしれない。とにかく高い手数料(証券会社の取り分だけで4%、中間マージンを入れた実質的手数料は9%くらい)が稼げるから、証券会社は売りまくっている。」

 証券会社も生き残るためとはいえ辛い商売だよね。
しかし、外国の債券を外貨建てにして組み入れ、商品構造をより複雑にして高齢者を「カモ」にしているという事実がもしあるとすれば、たとえ高利回りをうたう商品が消費者ニーズをつかみ、販売が好調であったとしても、そうした営業行為は決してほめられたものではない。

 一般に、人間が物事を判断するとき、2つのバイアスがかかる。
一つは「正常性バイアス」である。異常事態に遭遇しても人間の危機感スイッチはすぐにはオンにならず、根拠なく「正常だ、大丈夫だ」と思い込むバイアスである。もう一つは「同調バイアス」。大勢の人たちがしているから大丈夫だと思うバイアスである。「横断歩道、みんなでわたれば怖くない」というあの心理である。


退職した団塊の世代がこぞって高利回り金融商品を買っている。
ギリシャ危機がどの程度のものなのか。
投資信託はプロが運用しているからといって、必ずしも高いパフォーマンスをあげるとは限らない。
最近、そのことをしみじみ思う。
正常性バイアスと同調バイアスの観点から、冷静に見つめ直してみる必要がある。
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キーワード
正常性バイアス 団塊の世代 ギリシャ危機 ジャンク債 ハイイールド債 株式持ち合い
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2 コメント

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ご無沙汰しております (門外漢)
2011-10-16 21:27:19
南先生、ブログが再開され、大変喜んでいる門外漢です。

ところで、特に定年を迎えた高齢者を中心に毎月分配型の投資信託が人気だそうですが、ご指摘の通り、原資を削って無理に配当金を出していると思われるものが目立ちますよね。

そこで、果たして手にした分配金が運用がうまくいった成果なのかどうか、簡単に判別する方法があります。(注:モチロン、南先生にはこんなこと、釈迦に説法だとは百も承知の上で書いています)

それは分配金の名称が「特別分配金」となっていれば、それは運用益以上の分配金を出している証左です。すなわち、貯金にあたるこれまでの実際の運用益を取り崩すなり、投資元本の一部を払い戻していることを示します。

当然、その度ごとに元本は目減りしてしまいます。このような投資信託を高齢者に「定期預金のようなもの」と説明して勧誘している証券会社の営業担当はきちんと納得させているのか、非常に疑問です。
特別分配金 (南)
2011-10-17 21:16:22
イヤー、そうだったんですか。知りませんでした。

実は僕も毎月分配型の投資信託を少しばかり持っています。
目的は配当ではなく別のところにあるのですが。
最初はパフォーマンスがよかったのですが、最近はさっぱりです(笑)。
でも、長期的には資産形成にきっと威力を発揮してくれると思っています。

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