観る前から、気になって仕方のない作品というのがある。
この「アイランド」がそうだった。
映画館で予告編を観るたびに、何だろうって思っていた。
何度も予告編を観ていると、「作品に対する単なる興味」が「この作品を観なければならない」という強迫観念にまで成長してしまった。
逃げる2人。
執拗な追跡者たち。
この世の楽園「アイランド」とは、一体、何なのか。
このように思い始めると、もういけない。
封切後、最初の日曜日に、観に行った。
・・・・・・・・・・・・・・・
何かがおかしい。
彼の心の中に生じた疑問は、白い布の上にできた染みのように急速に広がっていった。
汚染された外界から逃れた人類は、隔絶されたシェルターの中で辛うじて生きながらえていた。
たまに外界から救出され、搬入される生存者たち・・・。
狭いシェルターの中での異性と接触することすら禁止された制約された堅苦しい生活。
厳しく健康管理され、食事ですら自由にならない。
娯楽と言えば、テレビゲームをすることだけ。
地球上に残された唯一の楽園、汚染されていない「アイランド」に行くことだけを目的に、毎日を過ごしていく。
「アイランド」に行くには、毎日行われる抽選に当選しなければならない。
好奇心にかられた彼は、秘密の通路を伝って、シェルターの向こう側へ忍び込んだ。
そこで見たものは、彼の想像を絶する世界だった。
「アイランド」に行ったはずの男が、臓器を取られ、殺されそうになっていた。
「アイランド」に行ったはずの女が、出産と同時に殺されていた。
生まれたばかりの赤ちゃんは、身も知らぬカップルに譲り渡されていた。
一体、ここはどこなんだ。
彼の疑問は、恐怖に変った。
ここにいたら、殺される。
「アイランド」なんてなかった。
そんな時、彼が心惹かれている彼女が、「アイランド」行きの抽選に当選してしまった。
彼女を助けなければ。
彼の意思は固まった。
ストーリーそのものは、クローンを扱った比較的ありがちな展開ではあるが、映画作品としては、恐らくこれまでにないものだろう。
主演のユアン・マクレガーは、スターウォーズのオビ=ワン・ケノービ役で有名であり、
さらに現在公開中の長編アニメ「ロボッツ」の声優でも出ている、
現在、最も露出度の高い男優であると言えるだろう。
スターウォーズではそうでもなかったのだけれど、この作品ですっかりファンになってしまった。
わたしの好きな若い頃のスティングにも似ているし・・・。
そして、主演女優のスカーレット・ヨハンソンは、凄い美人。
わたしは、この作品で初めて彼女を見た。
作品の中で、ユアン・マクレガーが演じる「トム・リンカーン」と目が合うシーン。
まるで小学生が初恋の人を見るような初々しさ。
物語が進むにしたがって、この初々しさの意味が判明する。
彼らの頭脳には、性の意味がインプットされていなかったのだ。
彼らは、当然、処女と童貞。
「アイランド」から脱出して、現実世界でふたりが結ばれた時、その素晴らしさに、一層、ふたりの絆は強くなっていく。
いいじゃないですか。
純粋で。
もともと、セックスとはそういうもののはずなのです。
外界の全ての汚染されている事象から隔離され、純粋培養されていた彼らであったからこそ、実現した純愛。
結ばれた後で、狡猾なクライアントの仕掛けた罠を見破るシーンにも、愛された女として愛する男を守る・・・というより、自分のものは自分のように愛しいという単純な女の本能を感じさせ、とても良かった。打算とかそんなものが一切ない、そういう純愛を実現するには、この作品のような極端な設定が必要なのも、また事実として悲しい。
物語では、ビジネスとしてのクローン産業がリアルに描かれている。
クローンは、ある程度、実生活に近い環境においておかないと、内臓がおかしくなり、使えない・・・臓器移植できないという設定になっている。
単に、フラスコの中で培養したのではだめで、実際に、完全な人格を持った人間として生活させ、その後、生きている彼らから必要な臓器を摘出することが必要なのだとしている。もちろん、そんなことをすれば、クローン人間は死亡する。
そんなことが許されて良いはずがない。
一方で、クローンではない、クライアントである本人からすれば、莫大な費用をかけて確保したオリジナルの健康な臓器があれば、長生きできるどころか、理論的には不老不死が手に入るのだから、何が何でもクローン人間が欲しいということになる。
物語の核心は、このクローン人間たちに、インプットしたわけでもないのに、本人の記憶がその頭脳に再生してしまうという点に収束していく。
本人の記憶までもがコピーされてしまうのであれば、もはやそれはクローンではない。オリジナルとどこが違うかと言えば、オリジナルよりも健康である点と肉体が若返っている点だけなのだ。
最後までふたりを執拗に追い回した傭兵である彼は、
クライアントである本人が助からないと判っているのに、クローンである彼女が殺されると知って、彼女を助けた。
命をやりとりする傭兵であればこそ、命の大切さを知っていたということなのだろうか。
この「アイランド」という作品、生命と性、現実と仮想、純愛と打算、ありとあらゆる要素が混然と融合し、類稀な名作に仕上がっていると思うのだ。
mina、絶対のお勧めの作品ということで、ハートは当然3つ。
とてもおもしろかったです。
☆ブログランキングに参加しています。
気に入ったら、プチッと押してね、お願い →
こちらもお願いね →
この「アイランド」がそうだった。
映画館で予告編を観るたびに、何だろうって思っていた。
何度も予告編を観ていると、「作品に対する単なる興味」が「この作品を観なければならない」という強迫観念にまで成長してしまった。
逃げる2人。
執拗な追跡者たち。
この世の楽園「アイランド」とは、一体、何なのか。
このように思い始めると、もういけない。
封切後、最初の日曜日に、観に行った。
・・・・・・・・・・・・・・・
何かがおかしい。
彼の心の中に生じた疑問は、白い布の上にできた染みのように急速に広がっていった。
汚染された外界から逃れた人類は、隔絶されたシェルターの中で辛うじて生きながらえていた。
たまに外界から救出され、搬入される生存者たち・・・。
狭いシェルターの中での異性と接触することすら禁止された制約された堅苦しい生活。
厳しく健康管理され、食事ですら自由にならない。
娯楽と言えば、テレビゲームをすることだけ。
地球上に残された唯一の楽園、汚染されていない「アイランド」に行くことだけを目的に、毎日を過ごしていく。
「アイランド」に行くには、毎日行われる抽選に当選しなければならない。
好奇心にかられた彼は、秘密の通路を伝って、シェルターの向こう側へ忍び込んだ。
そこで見たものは、彼の想像を絶する世界だった。
「アイランド」に行ったはずの男が、臓器を取られ、殺されそうになっていた。
「アイランド」に行ったはずの女が、出産と同時に殺されていた。
生まれたばかりの赤ちゃんは、身も知らぬカップルに譲り渡されていた。
一体、ここはどこなんだ。
彼の疑問は、恐怖に変った。
ここにいたら、殺される。
「アイランド」なんてなかった。
そんな時、彼が心惹かれている彼女が、「アイランド」行きの抽選に当選してしまった。
彼女を助けなければ。
彼の意思は固まった。
ストーリーそのものは、クローンを扱った比較的ありがちな展開ではあるが、映画作品としては、恐らくこれまでにないものだろう。
主演のユアン・マクレガーは、スターウォーズのオビ=ワン・ケノービ役で有名であり、
さらに現在公開中の長編アニメ「ロボッツ」の声優でも出ている、
現在、最も露出度の高い男優であると言えるだろう。
スターウォーズではそうでもなかったのだけれど、この作品ですっかりファンになってしまった。
わたしの好きな若い頃のスティングにも似ているし・・・。
そして、主演女優のスカーレット・ヨハンソンは、凄い美人。
わたしは、この作品で初めて彼女を見た。
作品の中で、ユアン・マクレガーが演じる「トム・リンカーン」と目が合うシーン。
まるで小学生が初恋の人を見るような初々しさ。
物語が進むにしたがって、この初々しさの意味が判明する。
彼らの頭脳には、性の意味がインプットされていなかったのだ。
彼らは、当然、処女と童貞。
「アイランド」から脱出して、現実世界でふたりが結ばれた時、その素晴らしさに、一層、ふたりの絆は強くなっていく。
いいじゃないですか。
純粋で。
もともと、セックスとはそういうもののはずなのです。
外界の全ての汚染されている事象から隔離され、純粋培養されていた彼らであったからこそ、実現した純愛。
結ばれた後で、狡猾なクライアントの仕掛けた罠を見破るシーンにも、愛された女として愛する男を守る・・・というより、自分のものは自分のように愛しいという単純な女の本能を感じさせ、とても良かった。打算とかそんなものが一切ない、そういう純愛を実現するには、この作品のような極端な設定が必要なのも、また事実として悲しい。
物語では、ビジネスとしてのクローン産業がリアルに描かれている。
クローンは、ある程度、実生活に近い環境においておかないと、内臓がおかしくなり、使えない・・・臓器移植できないという設定になっている。
単に、フラスコの中で培養したのではだめで、実際に、完全な人格を持った人間として生活させ、その後、生きている彼らから必要な臓器を摘出することが必要なのだとしている。もちろん、そんなことをすれば、クローン人間は死亡する。
そんなことが許されて良いはずがない。
一方で、クローンではない、クライアントである本人からすれば、莫大な費用をかけて確保したオリジナルの健康な臓器があれば、長生きできるどころか、理論的には不老不死が手に入るのだから、何が何でもクローン人間が欲しいということになる。
物語の核心は、このクローン人間たちに、インプットしたわけでもないのに、本人の記憶がその頭脳に再生してしまうという点に収束していく。
本人の記憶までもがコピーされてしまうのであれば、もはやそれはクローンではない。オリジナルとどこが違うかと言えば、オリジナルよりも健康である点と肉体が若返っている点だけなのだ。
最後までふたりを執拗に追い回した傭兵である彼は、
クライアントである本人が助からないと判っているのに、クローンである彼女が殺されると知って、彼女を助けた。
命をやりとりする傭兵であればこそ、命の大切さを知っていたということなのだろうか。
この「アイランド」という作品、生命と性、現実と仮想、純愛と打算、ありとあらゆる要素が混然と融合し、類稀な名作に仕上がっていると思うのだ。
mina、絶対のお勧めの作品ということで、ハートは当然3つ。
とてもおもしろかったです。
☆ブログランキングに参加しています。
気に入ったら、プチッと押してね、お願い →
こちらもお願いね →
ううん、予想外でした。。。
いや、監督がたしか「ザ・ロック」のマイケルベイ
ではなかったかしら。。。
ザ・ロックにかつて失望したので、
期待してなかったんですが。。。
うう、、、みてみるべきか。。。
スカーレットヨハンソンは「LOST IN TRANSLATION」
ではじめてみました。
いや、すてきなかたです。。。
とても楽しいです。
次はどんな名前で来られるのかしらん。
この作品は、minaはとってもおもしろかったです。
人それぞれですから、そうでなかったら、ごめんなさい。
スターウォーズのユアン・マクレガーより、アイランドのユアン・マクレガーの方が数段素敵でした。
まあ、騙されたと思って、観られたらいかが?
minaさまには、感服いたしました。
あんな見方、あたしには、出来ませんでしたわ。
そういうことを考えながら、
もう一回、見よっと!
アップで映ると、思わず綺麗だ!と思いました。
官能的美人だ!!
この二人の純愛ってちょっとくすぐったくなっちゃった
わたしも、そんな見方はできなかったわ
この映画意外と深いのね