MINの目

MINの目が見つけた事柄をつれづれなるままに綴ります

椅子を制作する事になりました。

2011年04月05日 | Weblog
やっと地震のショックから立ち直りつつあります。
本当に被災した人々のことを思えば、そんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、そのつもりは無くても、かなりショックをうけていたみたいです。地震以来、次の日から通常通り仕事はしていましたが、本調子で無いまま時間が過ぎて行ったように感じています。
津波の映像や原発のニュースを視たり聞いたりする度に落ち込みますが、桜も咲き始め、花々が咲く様子を見ていて、少しづつ元気が出てきました。
立ち止まっていられませんね!!

さて、主に建築設計の仕事をしている私ですが、その昔・・・大学では木工芸を学んでいました。
木の塊からサラダボールを掘ることから始まり、様々な種類の椅子やテーブル、家具、などを制作しました。作った作品は置く場所が無い事もあり、実家に置かせてもらっています。
実家を訪ねてた方々からお褒めの言葉いただいて、内心は嬉しく思っていましたが、疑心暗鬼でもありました。

母から「友達のお友達が椅子を作ってもらいたいという話があるらしい」との連絡を受け、この話がスタートしました。椅子を見られた母の友人がご友人にお話されていたようでした。
最初は、ゆっくり出来る。リラックス出来る椅子というお話でしたが、実際お会いしてお話を聞くと、
「自分の身体に合った椅子」ということがテーマでした。
「ゆっくり出来る。リラックス出来る椅子」とはただゆったり座るというだけの椅子ということでは無いこと知りました。
勉強になりました!
自分に合わない椅子ということで「緊張」をもたらしてしまうのだと知りました。

改めて椅子を勉強し直し、オーナー様に合う椅子が見つかればとお店やショールームを見に駆けずり回り、良さそうな商品については、後日、座ってみてもらいました。
帯に短し、たすきに長しだったようで、これは!というものは見つからなかった様でした。
それまでも、ご自身で探し歩かれていたようです。

そして、何度かお話をして、少しづつ形が決まり、模型の形まで近づきました。
しかし、最後に確認の為に学生時代に作った椅子に座っていただいたところ、その椅子の背もたれの高さが気に入られたようで、背もたれの位置は少し変更となりました。

椅子には良いとされる基本的な寸法があります。そして、利用されるであろう設定がある場合はより弱者合わせた方が良いとされています。
例えば、男性と女性なら女性。大きい人と小さい人なら小さい人といった具合です。
その他にも靴を履いて使う椅子なのか、履かないで使う椅子なのか、という時点で心地良い座面の高さも変わってきます。

本来は、図面をおこして家具屋さんにお願いするのが通常です。
しかし、サイズなど多くの確認はしたものの「ご自分の身体に合った椅子」ということで、デリケートな椅子であることから、途中確認していただいて調整することになりました。
図面を書いて、プロの人に作ってもらうのが一番ですが、オーナー様のご要望もあり、今回は私が作ることとなりました。


更に作ることで勉強になることは多いと思い、お受けすることにしました。

今回はオーナー様の為だけの椅子。
何時までも座っていただけるように心を込めて作りたいと思います。

完成までをブログに残してみたいと考えております。

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2 コメント

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Unknown (とんべり)
2011-04-05 22:50:23
私も震災鬱になってしまい、かなりひどい有様でしたが、やっと正気に戻ってきました。
深刻な被害を受けた方ががんばっているのに、お恥ずかしいかぎりです
たいへんな状況ですが、日本の復興に少しでも役立てるようにしていけたらと思っています。


椅子の座り心地ってけっこう難しいですよね。
心地良さや合う合わないは人が押しつけるものではなく、個々人が持っているもの。
デザイナーさんはそれを引き出して形にするのがお仕事なのですね。
電車のデザインで有名な水戸岡鋭治さんのドキュメンタリーを見ましたが、使う人のことを思う妥協のない仕事に感銘を受けました。

ステキな椅子の完成、楽しみですね!
Unknown (MIN)
2011-04-07 13:40:11
とんべりさん♪
ご無事でよかったです!
日本の復興に少しでも役立てるよう頑張っていきたいですね。

建築家、デザイナーというと芸術家にでもなったようにデザインすると思われがちですが、ほとんどの人がより良い形を研究してその形を生み出していると思います。水戸岡鋭治さんもそうですし、身近なところでは柳宗理さんもそうです。
私もそうありたいと思っています。

この仕事をきちんとやり遂げたいと思っています!

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