ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

大正5年創業の時計修理の専門店「京都三条 勝屋」。確かな技術と豊富な良質時計ベルト

2015-08-04 | 老舗

三条通と富小路通の交差点を東に進むと、レトロな雰囲気のお店があります。「ここ時計屋さんかな?でも、あるのは古い時計ばかり…」とミモロは、前を通るたびに中を覗いては、不思議そう…。
  
ここは、「京都三条 勝屋」という時計修理の専門店なのです。

ある日、ミモロは、中に入ってみることに…。落ち着いた雰囲気の店内…静かさが漂います。


「わ~大きな振り子時計がある…」
「この目覚ましもレトロ…」 

こちらの創業はなんと大正5年。店内の古い写真には、祇園祭の山鉾が三条通りを進む姿が映っています。
この写真は、このお店の2階から撮影したのだそう。レトロな洋館などが今も残る三条通。当時、京都で最もハイカラな通りと言われていました。

このお店もそんな時代に誕生したのです。

その当時、腕時計は、高級品であり、メガネと共に、インテリ層の象徴的な品物です。現在は、電波時計、ソーラー時計、またクオーツ時計などが一般的ですが、かつては手動のゼンマイ時計が主流でした。

時計は、昭和まで、栄誉を讃える記念品や結納返し、入学や就職祝いなど、特別感あふれる贈り物としても使われていました。

精密な手動巻の機械時計は、まさに一生もの。大切にメンテナンスをしながら、使い続けたものです。

その修理は、長年の経験を積んだ時計職人さんの技に託されていました。


このお店には、約1世紀に渡る時計修理技術が蓄積され、高度な技術を有する職人さんが、国内外の時計の修理に応じてくれます。
ベテランの時計職人さんが、時計の悩みなどをやさしくわかりやすく説明してくれます。

「ここで修理してくれるんだ~」と店の奥にある仕事場をのぞくミモロです。


近年、時計事情は大きな変化の波の中にあるそう。
今、このお店に時計修理を持ち込む人は、50代以上が多く、高齢化しています。というのは、スマホなどで時間を知ることができる若い人の腕時計離れが顕著で、修理してまで使いたいという人が少なくなったのだそう。

また、以前、リッチな象徴として人気の高級時計の売れ行きも頭打ちなのだそう。
「高級車や高級時計などに、最近の若い人たちは興味を抱いていないようですね。100円ショップでも時計売ってる時代ですから…」とお店の方。

確かに、時間を知るという機能だけなら、携帯で充分。アナログ式の時計が読めない子供もいる現代です。

「でも、やっぱり腕時計っていいよね~」とミモロ。

腕時計の発達は、第1次世界大戦のころ、それまでの懐中時計では、見るのが面倒ということから、腕にまくスタイルが考案され、それが普及したといわれます。

緊急事態の時、瞬時に時間を知るために、腕ににつけることが必要だったのです。

今、若い人が腕時計をするのは、スポーツ関係の時が多いとか。「え~そんなに若い人ってふだん腕時計してないの?」
もっていても、止まったら修理をしてまで使わないとか。

「あの~腕時計が、電池新しくしても、すぐ止まっちゃうの~。分解掃除してもらえませんか?」とミモロ。
「はい、しばらくお預かりしていいですか}と時計職人さん。
「はい、よろしくお願いします…」
電池の交換などもしてくれます。もちろん修理やお掃除も…。

「わ~たくさん時計のベルトがある…」
「この色素敵~」
ここには、ヨーロッパの有名時計ベルトメーカーの品々が豊富。ニュアンスのある色が魅力的です。

「国産のものもありますよ~。日本は、高温多湿なので、腕に汗をかきやすく、ベルトも傷みやすいんです。それを予防するように肌にあたる面を加工し、汗が染み込まないようにしたものなどもあります」


ショーケースに並ぶもの以外に金属製のベルトも多数用意されています。

時計は、ベルトを替えるだけで、その印象はガラリと変わるもの。季節ごとに、ベルトを替えて楽しむのもおしゃれです。

今や貴重なべっ甲のベルトもあります。

いままでいくつの時計を使ってきたでしょう。初めて買ってもらったのは小学生の時、ディズニーのバンビの手動式の時計でした。あれ、どこにいったんだろ…。


*「京都三条 勝屋」京都市中京区三条通富小路東入ル中之町33 075-21-0819









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