ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

明治時代の帯地の文様を、現代的な色彩に。三条通の「seisuke88」。使いやすいトートバッグが素敵

2015-01-23 | ファッション

京都に暮らし始めたばかりのころ、訪れた河原町と三条通の交差点近くにある「seisuke88」。おしゃれなプリント雑貨のお店です。オーナーの高橋聖介さんとお友達のミモロ。久しぶりにショップを訪ねることに…。「こんにちは~」「ミモロちゃんいらっしゃ~い!」
  
ミモロがお店に来るというので、わざわざお店に来てくれた高橋さん。「前に来たときとは、ずいぶん変わってるでしょ!」と。
  
「ホント~なんか新しいアイテムも多いし、前よりすごくバージョンアップした感じがする…」と、ちょっと生意気な発言を…。
「そうでしょ!いろいろ新しい試みもやってるし、商品開発も、すごく進化してるんですよ」と。

  
店内に並ぶ色とりどりのプリント雑貨。見ているだけで、心が弾むよう…。

実は、このプリントのデザインは、今から約150年前の明治時代の西陣の帯地の文様なのです。
江戸から明治になり、人々の暮らしは、ガラリと変わりました。次々に入ってくる西洋の品々、また今まで手にすることができなかった憧れの品々も、経済の発展と共に、グッと身近に…。化学染料の登場や機械の導入で、着物の生産力も向上。西陣は活気づいてゆきます。女性たちのニーズにこたえ、京都画壇のすぐれた日本画家たちの協力のもと、それまでなかった新感覚の帯地も、西陣で作られ、次々に発表されてゆきます。

戦後、洋装が、女性たちの装いの主流となり、かつての勢いをなくした西陣。ある日、高橋さんは、知人の蔵の中に、明治時代に描かれた帯地の図案集やはぎれに出会います。それは、長い間忘れられていた明治時代のデザインでした。その自由な発想と優れたデザイン…それは、今見ても、心躍るような楽しさと美しさを湛えたもの。すっかり明治時代のデザインに魅了された高橋さん。その文様は、今の女性たちにも受け入れられるはず…と確信します。

高橋さんの実家は、「高橋練染」という65年間つづく洋服地の整理仕上げ工場を営んでいます。整理仕上げというのは、プリントした布地の染料を沈着させ、さまざまな表面加工を施す、服地の仕上げ部分の工程です。(以前、ミモロが工場見学にも訪れています。そちらも『ミモロ 高橋練染』で検索を…)

三代目となる高橋聖介さん。以前から、自分たちの持つ技術で、新しいモノづくりができないかと考えていたのです。
この明治時代のデザインとの出会いは、そんな高橋さんに新しいモノづくりへの意欲を一気に燃え上がらせる運命的なものになったのでした。

 
「ここに並ぶ品々のデザインは、明治時代の帯地などの文様そのままなんです。デザイン変更は一切していません」と高橋さん。
「え~でも、なんかすごく今っぽい感じ~」とミモロ。「それは色を変えているからです。今の女性たちがいいなぁ~と感じるカラーリングなんですよ」と高橋さん。「え~色だけでこんなに印象変わるんだ~!」と驚くミモロ。「もともとのデザインが素晴らしいですから、色を変えることで、時代を超えることができるんです」と。「すごいね~」
「よく見てください…同じデザインで色違いがいろいろあるでしょ!」「あ、ホント…色が違うと全然別のものみたい…」

明治時代の画家の力量を感じさせる、まさに時代を超えたデザインです。

和服の文様や生地を使い、財布やバッグを作るメーカーは、京都にはたくさんあります。
「うちの強みは、デザインの作成、プリント、加工のすべてを自社のスタッフとファクトリーでやっていること…だから、より使いやすいものが次々に生まれているんです」と、高橋さん。

デザインスタッフは、若い人たちが活躍。今の色彩センスや雑貨デザインを提案しています。

プリント生地の表面加工は、お手のもの…。たとえば、コスメポーチは、PVCコーティング、つまりビニール加工が施され、汚れを防ぐとともに耐久性をアップしています。「濡れた手で持っても大丈夫だね~」とミモロ。洗面台に置くこともあるコスメポーチは、結構濡れやすいんです。

「あ、これ初めて見た~前にはなかったよね~」とミモロが一番興味を抱いたのは、トートバッグです。
 
「ビニール加工がしてあるから、雨に濡れても安心だね~」と。持ちやすい大きさのトートバッグで、ハンドル部分は、タンニンのみで丹念になめし、仕上げられたヌメ革が使われています。
「なんか手にやさしい感じ…」とミモロは、バッグを持ってみて…「そう、ミモロちゃんよく気が付いてくれました!革の切り口を丁寧に削ってあるから、すごく持ちやすいんですよ」と高橋さん。「なるほど…細かいところまで気を使っているんだ~。さすが高橋さん…」。ファッションアイテムには、強い関心をお持ちで、いいものへのこだわりも人一倍の高橋さん。「僕が納得できないものは、製品にしません!」ときっぱり。

横長のトートバッグは、有名ブランドのバッグとほぼ同じサイズ。肩にもかけられる持ちやすさも…。

「ちょっと中も見てください…」「何々・・・?」とバッグの中を覗きこみます。
内側の布は、このブランドのロゴデザインが織りこまれたもの。ファスナー付きのポケットや携帯電話ようのポケットも付いて、使いやすく…。
「機能性もいいんですが、この裏地自体に、『持続性抗菌消毒加工』が施されています」と。「それなあに?」

この加工は、天然ミネラルパワーで雑菌や悪臭を吸収分解させ安全で優れた抗菌消毒効果が持続するもの。洗濯してもその効果は衰えないそう。

「わ~ミモロにぴったり…」と、よくお菓子の食べ残しをバッグに入れ忘れたり、散歩で拾った木の葉や木の実をいれて、バッグが臭うことがあるミモロでした。でも、いくらこのバッグでも、食べ物などを入れ忘れるのがいけなから、注意しましょうね~。

ミモロのようなことをしなくても、バッグって結構いろいろな匂いが付きます。それを分解し抗菌できるって、画期的!
「こういう技術も、もともと布地の表面加工をしていますから、できたこと。他ではできないことだと思います」と。

この横長のトートバッグは、1万円。なかなか手ごろな価格も嬉しいところ。

シーズンごとに新作を発表。使いやすいし、値段も手ごろなので、いろいろな種類を買い求める人も多い、人気のバッグです。

お店には、他にもカラフルなプリント生地をつかった品々が並びます。
   
クッション、ブックカバー、エプロン、あ!シュシュもね…

「こんな子もいるんだ~」


同じプリントで、バッグ、コスメポーチ、ミラーなどをトータルにそろえるもの素敵です。

色が地味になりやすい冬のファッションのアクセントになる、カラフルなプリント雑貨。
「なんか春がもうきたみたい…」そう、そんなウキウキした感覚に浸れるお店です。

*「seisuke88 本店」京都市中京区三条通河原町東入ル中島町83はせ川ビル1F 075-211-7388 営業時間・11:00~20:00 月曜休み(祝日の場合は営業)



 






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