mimi-fuku通信

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『吹奏楽の旅2010&エルザの大聖堂の行列』の話題。

2010-11-04 00:50:00 | クラシック・吹奏楽

 情報:『響け!吹奏楽2011』は12月24日(土)午後7時よりBS朝日で再放送の予定。
 見逃した方はクリスマスの夜の放送をお楽しみください。


 11月1日の当ブログ記事で紹介した、
 <笑ってコラえて!吹奏楽の旅2010
 
を観て感じた事を文字にします。
 最初にお断りしますが“マニアック”な話になると思います。

 番組は2004年、2005年と放送され好評を博しています。
 今年(2010年)の文化の日に放送・紹介された吹奏楽部は、
 ・鹿児島県・鹿児島情報高等学校
 ~課題曲:「オーディナリーマーチ」
 ・千葉県・船橋市立船橋高等学校
 ~課題曲:「汐風のマーチ」
 ・東京都・東海大学付属高輪台高等学校
 ~自由曲:「交響詩・モンタニャールの詩」
 の3校。
 
 千葉県・船橋高等学校は、
 惜しくも全国大会に行く事はできませんでした。
 全国大会の受賞団体の結果は下記リンクをご参照ください。
 
 *審査結果→ http://www.ajba.or.jp/competition58koukou.htm

 番組の最大の見所は鹿児島情報高校を率いる屋比久勲先生
 本人の望むところではないでしょうが、
 “金賞請負人”の称号が最も相応しい吹奏楽指導者。
 屋比久先生を一躍有名にしたのが、
 1971年:沖縄県真和志中学校での金賞。
 曲はバッハの『トッカータとフーガ・ニ短調』でした。
 一昨日の記事でも書きましたが、
 1970年から定期的に全日本吹奏楽コンクールのレコードを発売。
 1970年は1枚だけの発売(CBSソニー)が、
 1971年からは年3枚の発売(総べての金賞団体+α)。
 1977年頃には年7枚の発売(総べての中高+その他の金賞)
 だったように記憶しています。

 屋比久先生の演奏を一度だけ生で聴いた事があります。
 1995年の普門館大会での福岡工業大学附属高等学校(当時)。
 その時の楽曲も『トッカータとフーガ・ニ短調』(金賞)。
 生で聴く屋比久サウンドは、
 それまで私が持っていたイメージとはかなり異なり、
 金管を豪快な鳴らす迫力ある演奏に心打たれました。
 屋比久先生は今年71歳
 番組HPによると、
 鹿児島情報高等学校の吹奏楽部の創部は屋比久先生の赴任の年。
 果たして創部4年目で全国大会の金賞の栄冠を手にしています。
 放送で紹介される練習は基本の徹底(ロングトーン、タンギング等)。
 さらに不思議な練習方法として合奏の最後に、
 必ず『エルザの大聖堂の行列(行進・入場の表記もあり)を演奏。
 静かな和音で構成される楽曲は美しいメロディに溢れており、
 徐々に音量を上げ最後には壮大なクライマックスに辿り着くこの曲は、
 現実的には長い音の連続で演奏者はかなりの体力を必要とします。

 番組の最後に生演奏(14年目にして番組史上初の生放送)された、
 『エルザの大聖堂の行列(行進)について少し記述。
 歌劇王:リヒャルト・ワーグナーの歌劇『ローエングリン』第2幕。

 『ローエングリン』と言えばクラシック・ファンにとっては、
 “前奏曲”や”結婚行進曲”が有名ですが、
 吹奏楽ファンにとって『ローエングリン』と言えば、
 『エルザの大聖堂への行列』。
 1966年(昭和41年)の豊島区立第10中学の『エルザ』の演奏は、
 1967年(昭和42年)の出雲第1中学校の『トッカータとフーガ』
 1968年(昭和43年)の今津中学校の『さまよえるオランダ人』
 と並び吹奏楽史に残る歴史的演奏として記録されています。
 ~1969年までは順位制が採用され何れも第1位(優勝)。

 吹奏楽で演奏される『エルザ』は原曲(オペラ)とは違い、
 ラストに壮大なフィナーレが付け足されています。
 原曲ではコーダの前に合唱が入り次の曲に移動。
 “笑ってコラえて!吹奏楽の旅2010”で演奏された、
 『エルザの大聖堂の行列』は、
 吹奏楽でしか聴くことのできないアレンジなのです。

 私が普門館で生演奏を聴いた『エルザの大聖堂への行列』は、
 ・1987年:松山市立雄新中学校(銀賞)。
 ・1991年:宝塚市立宝梅中学校の招待演奏。
 2校とも大変立派な演奏でした。
 雄新中学校の演奏は銀賞ながら深い感銘を与え話題になりました。
 宝梅中学は5年連続の金賞で招待演奏(現在は3年連続出場で1年休み)。

 中学時代の思い出では1975年(昭和50年)に

 紫錦台中学(金沢市)、河北台中学(かほく市)、野田中学(金沢市)
 の3校が『エルザの大聖堂への行列』を石川県大会で演奏。
 ~前年の1974年に全国大会高校の部で那覇市首里高校が『エルザ』で金賞。
   レコードの販売と共に全国的に『エルザ』の知名度があがりました。
   1974年の高校の部は金賞が2校しか受賞できなかった大波乱の年で、
   もう一校の金賞は銚子商業高校の『トッカータとフーガ』でした。
   前記2曲が収録されている1974年のライブ・レコードVol.2には、
   今津中学校(西宮市)の『高度な技術への指標』が収められており、
   全国の吹奏楽ファンは挙って購入したことを付け加えておきます。


 生演奏、CD、レコード、テープ含め私は100回以上は聴いたかな?
 通常のクラシック・ファンには知られていない隠れた名曲。
 吹奏楽のオリジナル作品にも親しみやすい名曲が満載。
 鑑賞用としてもお薦めの作品が多いのですが…。

 <笑ってコラえて!吹奏楽の旅2010>
 今回も高校生達の悲喜交々。
 勝っても涙、負けても涙。
 音楽で“勝ち負け”なんて野暮は言いっこなし。
 勝つ喜びと演奏する喜び。
 目標を持って本気で立ち向かう姿勢。
 “勝ちたい!”と言う気持ちに嘘はありません。

 過去に放送された、
 【2004年】
 ・大阪・淀川工業高等学校吹奏楽部
 ~課題曲:「風之舞」
 ・習志野高等学校吹奏楽部
 ~自由曲:「歌劇 トゥーランドット」より
 ・青森山田高等学校吹奏楽部
 ~自由曲:「ミュージカル ミス・サイゴン」より

 【2005年】
 ・武生東高等学校吹奏楽部
 ~自由曲:「コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディー」
 ・金沢・桜丘高等学校吹奏楽部
 ~課題曲:「春風」
 ・柏市立柏高等学校吹奏楽部
 ~自由曲:「吹奏楽のためのムーブメントⅡ・サバンナ」
 ・京都・洛高等学校吹奏楽部
 ~自由曲:「交響曲第一番“ギルガメッシュ”」より

 ~本大会は課題曲と自由曲で12分間の制限時間内で演奏されます。
   時間内で演奏を終了しないと失格(審査の対象外)となりますので、
   課題曲の終了後は拍手をしないのが慣例となっています。
   番組放送で課題曲が紹介された学校は自由曲後の拍手を編集して追加。
   コンクールの鑑賞は県大会、支部大会、全国大会ともに、
   課題曲後の拍手をしないよう注意してください。

 音楽に勝ち負けはありません。
 そこにあるのは評価です。
 芸術に於ける評価の価値基準には個人差があります。
 しかし、
 コンクールは基本的に技術に対する評価であり、
 耳の肥えた専門家(審査員)の評価に、
 
概ね誤りはないと感じます。
 勝って涙。
 負けて涙。
 聴く者の涙は違う視点を持っています。

 私は10月31日に地元石川県で、
 パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団
 
の演奏会を鑑賞して吹奏楽ファンには御馴染の、
 レスピーギ作曲『ローマの松』に感動したことは、
 ブログ内で紹介しました。
 
帰りの電車の中でプログラムを読んでいると、
 「今日のコンサートに行かれたのですね。」
 と老婦人(80歳位)から言葉をかけられました。
 「素敵なコンサートでしたね。」
 と話していると、
 「ボレロとカルメンしか知らないんですよ。」
 との事。
 『ローマの松』の話をすると、
 「初めて聴く曲で私には難しすぎました。」
 との返事。
 老婦人が感動したのは、
 「ボレロと最後の曲(『8 1/2』)が素敵でした。」
 と語った。
 聞けば老婦人は外国から来た楽団は総て行かれるそうで、
 「石川県立音楽堂は駅前にあって便利ですね。」
 と話を続けた。

 そして心に残った言葉
 「先日お友達を誘ってスメタナ(わが祖国?)を聴きに行ったんですが、
 演奏が終わって2人で手を取り合って“生きてて良かったね”と涙しました。」
 
 “聴くものの涙は絶えず違う視点を持っている”
 評価はその中の一側面でしかなく、
 評価する者が変われば結果は変わる。

 繰り返しますが、
 如何なるコンクールやオーデションや面接でも、
 評価はその中の一側面でしかなく、
 評価する者が変われば結果も変わります。

 しかし、
 懸命な努力は必ず誰かが見ていてくれます。
 報われる事がなくても、
 “勝つための努力!”

 勝っても涙、負けても涙。
 勝つ喜びと演奏する喜び。
 目標を持って本気で立ち向かう姿勢。

 “努力するっていいだろ?”は、
 2005年の番組中で語られた、
 柏高校の石田修一先生の名言

 番組は多感な高校生の姿を描き出しました。
 其々に違った指導法はいつも新鮮。
 違った指導法で音楽と取り組む指導者姿勢と、
 悔し泣きしながらも喰らいついていく学生達。
 諦めない彼等・彼女等の踏ん張り。
 それが何よりも尊く、
 それが多くの視聴者を感動に導きます。

 まだまだ言葉にしたい事が沢山あります。
 でも、
 明日も仕事なのでこの辺で。
 ・・・。

 <ブログ内関連記事リンク>
 *ギャルド金沢公演&吹奏楽の旅SP&大阪市音楽団の話題。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20101101

 *BS朝日『全日本吹奏楽コンクール2010(高校の部)』を放送。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20101217


 ~下記日本テレビホームパージより記事転載。

 『笑ってコラえて緊急生放送スペシャル!!』
    ~吹奏楽の旅2010:完結編~

 大好評「吹奏楽の旅2010」が今宵いよいよ完結!
 しかも何とまだ興奮が覚めやらぬ全国大会の3日後に、
 2時間の緊急生放送です!!
 吹奏楽の甲子園と呼ばれる聖地「普門館」で、
 今年の全日本吹奏楽コンクールが10月31日に開催。
 番組では、
 「普門館」の舞台に立つ事を憧れ青春のすべてを懸ける3校の吹奏楽部に、
 今年の3月から足掛け9か月に及ぶ密着取材を行いその軌跡を追います!
 全国約1600校の中から全国大会に出場出来るのはわずか29校のみ!
 果たして3校は普門館にたどり着く事が出来るのでしょうか?
 *第58回:全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞主催)は、
 10月30日(中学校)10月31日(高等学校)の順で開催されました。

 【ゲスト】:金聖響、テリー伊藤、矢口真里、中野裕太

 まず番組が訪れたのは、
 鹿児島県・鹿児島情報高等学校
 この学校を率いるのは「吹奏楽の神様」と呼ばれる、
 御年71歳の屋比久勲先生。
 この神様の特徴は絶対に怒らないこと。
 3年前の屋比久先生赴任と同時に創部された同校吹奏楽部は、
 一昨年・昨年と全国大会に2年連続出場を果たしましたが、
 結果はいずれも「銀賞」。
 その結果に悔し涙を流した卒業生に託された夢「全国で金賞を先生に!」
 を合言葉に今年の鹿児島情報が日々練習に励むのは、
 コンクール課題曲の「オーディナリーマーチ」。
 メンバーの中には左目が見えないというハンデを抱えている、
 トランペット奏者・前畑一志君がいます。
 時には優しく時には厳しく指導する同じパートの仮屋美紀部長のもと、
 前畑君はどんな成長を遂げていくのでしょうか?
 そして全国大会で先輩たちの代から悲願「金賞」を、
 屋比久先生に捧げることは出来るのでしょうか?
 屋比久先生の神様たる所以である練習方法も明らかになります。
 さらに随所に散りばめられたお茶目なギャグもあり、
 一瞬たりとも見逃せません。

 続いて、
 千葉県・船橋市立船橋高等学校
 市船吹奏楽部が全日本吹奏楽コンクールに出場したのは、
 2007年の一度だけしかありません。
 というのも、
 市船が所属する東関東支部は全国大会の常連である千葉の2強、
 柏市立柏高校、習志野市立習志野高校が君臨する大激戦区だからです。
 そんな強豪高に打ち勝ち「汐風のマーチ」で今年こそ全国出場を狙います!
 楽器演奏未経験ながら熱血指導を行なう顧問・高橋健一先生の、
 ポリシーはコンクールだけでなく、
 よさこいソーランや定期演奏会など部活動全体を充実させ、
 その上で普門館に出場すること。
 しかしライバル習志野高校出身で普門館を経験し、
 その難しさを一番知っている谷村絵美子先生からは、
 「このままじゃ代表になれない」と厳しい一言が。
 己の甘さを知り一念発起した市船吹奏楽部。
 強豪校を破り全国大会に駒を進め、
 さわやかな「汐風のマーチ」を奏でる事は出来るでしょうか?

 最後は、
 東京都・東海大学付属高輪台高等学校
 高輪台は全国に過去5回出場。
 すべて金賞をおさめてきた強豪校。
 しかしながら昨年度東京都大会の結果は金賞は金賞でも、
 全国大会に進む事の出来ない「ダメ金」でした。
 昨年全国に出場を果たせなかった生徒たちが多数残っており、
 その悔しさを噛み締めながらリベンジを計ります!
 そんな高輪台吹奏楽部が再起を懸けてまず取り組んだのは自由曲選びでした。
 コンクール応募締め切り直前まで曲の選考が行われ、
 十数曲という候補曲を巡り先生と生徒たちが衝突、生徒達も二分。
 その上で選ばれた曲は一体!?
 お腹も心も大らかな顧問・畠田貴生先生の指導のもと、
 独自の表現方法で曲に磨きをかける高輪台。
 高輪台高校は普門館に返り咲き、
 荘厳なメロディーを響かせる事は出来るでしょうか?

 
 発売即完売のプラチナチケットで知られる、
 普門館の様子ももちろんお届けします!
 全国を目指し熱い涙と熾烈な戦いを繰り広げる高校生の物語が完結!
 さらにスタジオにもある一校が来て渾身の生演奏を行います。
 吹奏楽部出身の方はもちろんそうでない方も感動間違いなし!
 見れば“神様が降臨”するかもしれません!

 

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