mimi-fuku通信

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新型携帯電話「iPhone」を創った男/ スティーブ・ジョブズ。

2008-07-12 23:03:00 | 経済・産業・mono

 米アップル社の、新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」が11日、ソフトバンクより発売され話題になっている。
 そこで、アップル社の総帥、スティーブ・ジョブズ(Steven Paul Jobs、1955年生まれ)について書いてみようと思う。

 実は、ジョブズは、一度アップル社を退社している。
 退社といえば聞こえは良いが、その実、業績不振による解任。
 アップル社の会長職(名誉職)を与えられたものの、ジョブズは新しい会社NeXTを立ち上げるために、自身が所有していたアップル株を売却。
 売却益をNeXT社に投資し、ハード&ソフトの両立を試みたが、その後断念。
 ソフトウェア会社として成長させた。
 1996年~97年にかけて、アップル社がNeXTの買収契約に合意し、アップルに復帰。
 そして、ジョブズ率いる、2000年頃からのアップル社の快進撃は、ご承知の通り。
 iTunesとiPodによる成功は、企画力と開発力の圧倒的な独創性を見せつけ、新しいアメリカン・ドリームの象徴とされている。
 そうした、ジョブズの経歴は、彼の持つカリスマ性を高め、ビル・ゲイツとは対照的な経営者としての側面も強調されることが多い。

 数年前に、雑誌:AERAで読んだインタビュー記事が、強く印象に残っている。
 完璧主義者で自信家の彼が、自らの過去を振り返り、

 「私は、良いものさえ作れば、市場は反応すると信じてきた。そのために価格を無視してでも自分が欲しものを作ろうと考えた。しかし、それは私の思い過ごしだったようだ。市場にとって、まず大事なことは価格なのだ。購入できる価格を設定し上で、商品作りを考えるべきことに気付いたことは、私にとっての大きな変化だった。そして、市場の求めているものは、完璧なものではなく、ヴァリュー・フォー・マネー(Value for Money、~価格に見合った質の高いサービスの提供)の徹底なのだ。最高の音質を求めればコストはかかる。しかし、その価格が商品を購買する購買層(ターゲット)に対して、高嶺の花となっては、その商品は自己満足に過ぎない。大切なことは、購入できる価格のライバル製品の中で、対象商品が如何に傑出しているかが、ヴァリュー・フォー・マネーの定義であり、市場において満足度を共有できる商品こそが、大衆の指示を得ることができる。」

 みたいなコメントだったと記憶している。
 その彼のことを書いた著書を下記に紹介した。
 私が感じた象徴的な記述を呼んでいただければ、新型携帯電話「iPhone」が、なぜ巷で騒がれているのかの秘密が少しだけ理解できると思う。
 著書は、専門用語が多く、やや難解な文面となっているが、向上意識の高い若い人にはお薦めできる。

「i Podをつくった男:大谷和利著(アスキー出版)
                  ~2008年1月25日 初版発行~

 <著作の中の象徴的段落。>     

 これからの企業に求められるのは、目まぐるしく変化する社会やユーザーのニーズをいち早く捉え、製品のあり方を変化させていく柔軟性だ。

 これまでに実現されたことのないコンセプトやアイディアを具体化する上で、ユーザー調査を通じて製品をデザインしていくことは、大きな困難が伴う。
 たいていの場合、消費者は、具体的な形にして見せてもらうまでは、自分が何を欲っしているのか分からないものなのだ。

 カリスマとは強い求心力を持ち、周囲の人間を巻き込みながら何かを成し遂げる力を秘めている。
 その点で、ジョブズは時にはワンマンとも受け取れる「決断力」と、リーダー・シップを支えるカリスマ性を持っている。
 事実、ジョブスの下で活躍したメンバーが口々に指摘するのは、
 <自らの限界を超える力を発揮して何かを創造することは、ジョブス(の要求や指摘)なしには不可能だった。>と語っている。

 ビル・アトキンス談:
 「僕達は、世界で最初に何かを作ることに意味を見出したわけではなく、
 世界で一番優れた何かを作ろうとしただけなんだ。」

 ジョブズが一番恐れていることは、スタッフの考え方が保守的になり発想が固定化することだ。

 彼自身ワンマンなイメージが付き纏うが、実際の所、納得のできるアイディアやプランに対して尊敬の念を持って接し、そのスタッフを高く評価する。

 アップル社の基本方針は、ハードウェア、OS、アプリケーションの三位一体の開発ポリシーに基づいている。
 近年では、さらにインターネットを活用したサービス(i Tunes ミュージックストア等)にも力を入れ、四位一体の体制が敷かれている。

  i Podの成功は、ハードウェアとしてのi Podと、アプリケーションとしてのi Tunesと、サービスとしてのi Tunesストアのどれが欠けても成し得なかっただろう。

 日本の携帯電話や家庭用ゲームでのビジネス・モデルが、安価なハード(激しい安売り合戦)と、豊富なアプリケーションで、サービス(使用料)を確保することに懸命なのに対して、アップル社は、サービスとアプリケーションあくまでもハードの販売促進の道具として位置付け、安易な安売りを拒否した姿勢が逆にユーザーに支持されたと考えるべきだろう。

 アップル社のビジョンは、すべてを自社開発する能力から生み出され、その点が他社との開発競争に先んじる結果をもたらしている。

 

 

iPodをつくった男
スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス
(アスキー新書 048) (アスキー新書 48)
大谷 和利著

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 「スティーブ・ジョブズ名言&スピーチ」について、
 書かれた方のページへのリンク。

http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html

http://wiredvision.jp/archives/200603/2006033001.html

http://lifehacking.jp/2007/05/10-lessons-from-steve-jobs/
 *3件のブログは、いずれも大作ですが、ジョブズを知るためのキーワードが分り易い文書で記入されています。お時間が許す限りお読みください。

アップル:iPhoneホーム  
http://www.apple.com/jp/iphone/?cid=MAR-JP-GOOG-IPHONE


 

コメント
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