『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

カクヨム掲載中、ファミ通文庫より発売予定のライトノベル『我が偽り名の下へ集え、星々』の紹介ブログです。

レーザー兵器

2017-04-22 | 設定:SF、科学
この世界に於ける宇宙戦闘の主力兵器。
レーザーは光速度で直進、電荷もないので、発射されてからの回避は事実上不可能であり、電磁的にシールドする事も出来ない。兵器として実用化されてから(作中では)千年近く経っており、技術的にも完成されており信頼性も高い。
しかしそのレーザーのメリットがデメリットにもなっている。直進性が高いので遮蔽物、障害物の向こう側に潜んだ敵を攻撃することが出来ない。宇宙空間で使用すると、射線が見えないので、弾着観測が出来ない。照準がきちんと合っていれば問題は無いが、機械や計器というものは常に誤差があり、また兵器である以上、過酷な条件で使用されており、その誤差は徐々に大きくなっていく。その為、理屈の上では百発百中であっても、実際には命中しない場合も多い。そしてレーザーは直撃させないとダメージを与えられない。
また仮に「レーザーを100%反射、拡散する物体があれば、レーザーそのものには質量が無いので、如何にその物体が物理的に脆弱でもそれを貫通することは出来ない」。もちろん軍用レーザーを100%反射、拡散あるいは吸収する物質など存在しないが、数%でも反射、拡散する物質があれば、それを大量に散布、塗布すれば、威力の低減が望める。そのような物質を利用した折りたたみ収納式の防盾(シールド)、艦船用の塗料や装甲、そして宇宙空間に散布する微粒子(ミスト)などが実用化されている。
またディストーションエクステンダーの「空間の歪みを拡大する」機能を利用して、空間そのものに負荷を掛けて電磁波の全反射現象を起こす「空間負荷型対レーザー防盾」も存在するが、これはまだ実験段階である。
このような欠点を補う為、戦闘艦にはレーザーと共にミサイル、レールガンも搭載されている。また実戦においては敵艦艇が宇宙空間に浮遊する小惑星やデブリの陰に隠れている場合が多く、艦載レーザー砲は対艦と障害物破砕用の対物レーザーを兼ねている。
またレーザーを発射する前に。その射線上へレールガンで運動効果弾を発射しておき、各種対レーザー防御手段を破砕した後、レーザーを発射する、いわゆる「コンビネーション砲」も開発されているが、これも実験段階である。
レーザー兵器の威力は必ずしも口径には比例せず、また必ずしも常に最大出力で使用されるわけでもないので、その破壊力を比較するのは難しい。そこで帝国軍はもっとも基本的な艦載対空レーザー銃の威力を「1」として、平均してその何倍の破壊力があるかで比較している。その単位は「v」であり「7v」は対空レーザー銃の7倍、「120v」は120倍となりが、若干の誤差があり、また数年ごとに見直されるので、過去の兵器との比較は無意味である。なお単位「v」は、かつてレーザー発振管を「バルブ(valve)」と呼んでいた名残だとされる。

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