みりおんの連載ネット小説

ラブコメ、奇想天外etc。一応感動作あり(かも?)

連載D

2005年06月21日 10時54分26秒 | D:突然の彼女
                   題名:「突然の彼女」

                       第1話
                       たなぼた

 ●森田卓(もりたすぐる)の手記より
 
 それは突然の出来事だった。

 僕は同僚から合コンの人数合わせのために仕方なく呼ばれた。
 そんなことくらいわかってはいたが、誘われると断れない性格というか・・はっきり言うと僕は気が弱いんだと思う。

 この日だって時間ギリギリになってから現場に呼ばれたのに、遅刻の常習犯のように非難された。
 「森田、おっせぇよ!時間にルーズだと女の子に嫌われるぞ!」
 「卓(すぐる)、また遅れたのかぁ。しょーもねぇ奴だなぁ。」
 「ご・・ごめん。ははは。」
 としか言えない自分が情けない。

 たぶん気のせいではないだろうが、女の子の視線が冷たいように感じた。
 たしかに僕は全然カッコ良くないし、スーツもこの1着しかなくてヨレヨレだ。そんな男が遅刻したのだから印象が良いはずはない。
 でも自己分析としては、映画化になった電車男よりはマシな格好なんじゃないかなぁ・・と思っているんだけど。。

 「森田、遅れたお詫びにお前が乾杯の音頭とれ!」
 「えぇ?僕はちょっと・・」
 「形式的なもんだ。簡単でいいから。」

 これは同僚の嫌がらせだ。僕が人前で話すことが得意じゃないのを知っていながらこんなことをさせるんだ。
 「ささ、早く。料理も冷めちゃうぞ!」
 「あ・・じゃその・・えと・・みなさん・・乾杯!」
 ((ノ_ω_)ノバタ
 (ノ _ _)ノコケッ!!
 「それだけかよっ!」
 「みじかっ!!」

 そんなこと言われてもどうしようもない。思いつかないんだから。
 「卓も一気に飲めよ。」
 「僕が飲めないの・・知ってるだろ?」
 「乾杯のときくらい飲むもんだって。盛り上がらないじゃんか。」
 
 別に盛り上がらなくたっていいのに・・と僕は思ってはいるが口に出すなんてことはもちろんできない。
 緊張症の僕にとって合コンは試練だ。地獄に近い。
 生まれてこの方27年、彼女歴がないのが災いしてるんだろうか?
 とにかくこの緊張をほぐすためにも、酒は飲んだ方がいいかもしれない。
 僕は乾杯したビールを一気に喉の奥へ押しやった。
 「んぐっ・・うっ!ブホォォォ!!」

 僕はビールを一気に流し込んだ勢いで、むせてビールを吐き出してしまった。 
 「ああああぁぁぁ~~・・・・!!」
 一同みんな、唖然とする。
 僕の正面に座っていた女性の服にモロかかってしまったのだ。
 しかも見た感じ、今日集まった女の子の中では1番可愛い。
 「おいおい、森田何やってんだ!ったくよ!」

 女性陣からも、痛いほどの視線が刺さる。
 「す、すいません。。今拭きますから。。」
 僕は慌てて相手側に走って周り、自分のハンカチでその彼女の服を拭こうとした。
 「あっ・・」と彼女は小声で叫んだ。
 「森田!お前ってほんとバカなのか大胆なのか・・」
 「え?」
 「ハンカチ手渡してやればいいじゃんか!何でお前が彼女の胸触りながら拭いてんだよ!!」
 「うわっ!しまった!全然そんなこと気づかなかったもんで・・す、すいません。。」
 彼女の友達の女性が言った。
 「しかもそのハンカチ、あなたがさっき自分の汗を拭いてたやつね?」
 「あ・・あ・・いやあの・・これは・・ちょっと失礼します。」

 僕は顔から火の出る恥ずかしさで、この場を離れてひとまずトイレに非難するしかなかった。
 「ε-(;ーωーA フゥ…参ったなこりゃ。。」

 そこへ同僚の青木が入ってきた。
 「卓、早く来いよ。」
 「僕なんか、仕方なく呼ばなくても良かったのに・・」
 「ん?それは全然違うぞ卓。俺たちはいつもお前が必要なんだ。」
 「え?本当に?本当にそう思ってるの?」
 「そうさ。お前がいないと俺たちが引き立たないじゃん。ウヒャヒャ(≧▽≦)ノノノ☆バシバシ 待ってるから早く来てもっとドジなところ見せてくれや!」
 「。。。。。」
 そういい残して青木は席に戻って行った。
 なるほど・・そういうことだったのか。。気づかなかった僕がバカだった。

 その後、僕は何とか冷静さを取り戻して男子トイレから出たところを、さっきビールをかけてしまった彼女と出くわした。
 「あ、さきほどは・・本当にすみませんでした。お詫びのしようもありません。クリーニング代は僕が・・」
 「ううん、いいのそんなちっちゃなこと。で、話があるから待ってたんだけど。」
 「え?僕に?」
 「そうよ。ここにあなたの他誰もいないでしょ。」
 「はぁ・・」
 「森田さんて言ったわよね?」
 「はい・・」
 「あたしと付き合って!お願い!ね、ね、いいでしょ?」
 「は?・・な、な、ななななんで?」
 「だって森田さん、あたしのタイプにビンゴなんだもん。」
 「そ、そ、そそそそれは・・」
 「一目ぼれって、こういうことを言うもんなのね。ダメ?森田さん。」
 「ダメもいいも何も・・」
 「じゃいいのね?」
 「はぁ・・あなたがよろしかったら。。」
 「決まりっ!じゃ明日またデートしようね!日曜だから休みでしょ?」
 「は、はい。」
 「じゃあたしのメアド教えるね。×××@・・・・」

 とても信じられない出来事が起こった。
 僕に突然、彼女ができた。
 でも先行きに一抹の不安。。。
                 (続く)
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