La douce vie

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「傭兵ピエール」上巻 佐藤賢一

2017-06-29 | book/comic
最近、なぜか、佐藤賢一氏の名前が頭の中へ浮かぶことが多く、著書をチェックしていました。
フランスの歴史の題材を多く扱っている佐藤氏。フランスの歴史は興味があったので名前だけは存じ上げていました。
ただ、最近、あまり本を読めない人なので、自信がなかったのですが、とうとう、チャレンジしました。

上下巻の上、字が小さい、そして1冊が重い!最近はこんな条件でめげそうになるのですが、なぜかそれでも、読んでみたい、という気持ちが働いてくれました。

時は100年戦争の時代。
ピエールは教会の前に捨てられていた赤ん坊だった。「この子はさるやんごとなきお方の子供です。」という内容の手紙を添えて。困った司教は川へ捨てようとするが、そこへ、貴族のドゥ・ラ・フルトが通りがかり、司教から「あなたの子供です」と渡される。その後、ドゥ・ラ・フルトの私生児として育てられるが、勉強は苦手で大きくなると父と共に戦争へ出る。そこで、父とも生き別れ、ピエールの傭兵生活が始まる。
やがて、シェフ(自分の隊の傭兵隊長)殺しのピエールとして、名を馳せる傭兵隊長となる。傭兵生活は、戦争だけでなく、街や村を襲い、金品だけでなく、女性も襲い、連れ去る。少し読み進めていくと、どうしようもなく悪を働く彼らにも個性があり、副隊長にはピエールとずっと行動を共にしてきた美男子だが、金遣いがあらく、残酷な性格のジャン。会計のトマなど、傭兵仲間の姿もみえてくる。ピエールは隊長に相応しい鷹揚な性格で隊からも女性からも愛され、慕われいるが、隊をまとめ上げるため、いろいろ考えている姿も見受けられる。

そんな生活の中、ピエールは通りがかりの旅人から強盗をすると、女性だったことに気づく。だが、女性は、神からの使命を果たさなければならないので行かせてほしい、という。彼女はそののち、ラ・ピュセル、ジャンヌ・ダルクであることを知る。ピエールの傭兵隊は十字軍に加わる。
ピエールは傭兵隊の価値観で生きていて、残忍なことをしても躊躇がない。でも、どこか、女性に優しい。(それは女性にとっては残酷でもあるのか?)それは、幼少期に血がつながらなくても息子として育ててくれた母親への思いに通じるものがある。
上巻はとにかく、殺伐とした残酷な、特に女性からすると目を背けたくなるような話が多く、中世の時代に生ききなくてはいけないところから生まれる物事の捉え方とか、傭兵生活とか、一兵の立場から見る戦争が描かれている。

その殺伐とした世界に現れるラ・ピュセル。大人になると、ジャンヌ・ダルクとは一体どういう存在だったのだろう、と思うのだけれど、この本では彼女が本当に神の声を聞いたのか、ということを突き詰めることはせず、傭兵の荒くれた生活の中に現れる彼女の頑固なまでのイノセントさ、とにかく、神からの使命を200%信じて動いている事、その場の雰囲気など構わず、正しいことは正しいと言う融通の利かなさみたいなところや、貴族たちとはうまくいかず、最前線を戦う傭兵たちと行動を共にし、戦線を見極めることができるピエールのアドバイスを素直に聞き、難しい理論をすっとばして、作戦に意見をしてしまうところが貴族からみて神がかりめいて見えるところなどが伺えるところが、(周囲の人間の心理として)納得してしまう。

やがて、勝利を手にしたラ・ピュセルは神の使命は終わったことを知る、それを知りながら、軍に加わり続けないことに対して途方に暮れる。
ピエールはジャンヌ・ダルクに惹かれていくのだが、相手はラ・ピュセル。ピエールは葛藤する。
そんなこんなで下巻へ続きます。

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