こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

リリー・クラウスのモーツァルトのピアノ協奏曲全集のこと

2017年04月16日 18時53分30秒 | モーツァルト
プロ野球も開幕して、一通りの対戦が終わりました。期待したマリーンズ、うーん、イマイチですねえ。とにかく貧打戦。チーム打率が1割台。昨日のスタメン中6人の打率が1割台。まあ打てません。パラデス、ダフィーもまったく打てない。悲しいくらい打てません。なぜこんなに打てないのでしょうねえ。同じ人間とは思えないほどの惨状であります。また投手も頭数はいますが、なかなかしっくりしませんねえ。これからどうなるんでしょうねえ。

そんな愚痴はさておき、今回はリリー・クラウスによるモーツァルトのピアノ協奏曲であります。リリー・クラウスと言えば、20世紀を代表するモーツァルト弾きですねえ。しかし、なぜかこの人のCD、出回っていませんでしたよね。1987年ですので30年前に11枚組に28000円でCD化されたらしいですが、分売されていなかったら、買うのにかなりの決意が必要ですね。ですので、この人の演奏をなかなか聴けなかったのでありました。それが2013年に「タワーレコードx Sony Classicalスペシャル・コレクション」で20~27番が再発売されて、やっと入手しました。そして、今年の5月5日に、全集が再発売されるそうです、これは12枚組で3000円ほど。2013年の4枚組は4200円でしたので、かなり安くなっており、かなりびっくりしました。と同時にそれはないだろうと、少々悔しい?思いをしました。全曲収められていることからも、これも買ってしまいそうです。まあ、安く全曲が聴ければ、それに越したことはないのですがね。

このリリー・クラウスの演奏ですが、指揮はスティーヴン・サイモンで、オケはウィーン音楽祭管弦楽団。ともに、ほとんど聴いたことがないですねえ。オケはウィーン交響楽団のメンバーからなる臨時編成のものと言われています。1965年5月から1966年9月にウィーンのコンツェルトハウスのモーツァルトザールで録音されたものです。ちなみにこれは、一人の演奏家によるモーツァルトのピアノ協奏曲全集としては最初の録音だそうです。この8曲の中で、20.23.27番などがけっこう気に入っています。その中から、第27番変ロ長調K.595です。

このピアノ協奏曲、私的にはけっこう好きな演奏なんですね。ただ、指揮はついては、どうもクラウスのピアノとうまく合っていないようで、気にはなるのです。クラウス自身も「気になって仕方なかった」と言われているそうなんですね。まあ、そんなのでオケの方は置いておき、やはりピアノですねえ。クラウスのピアノは。一音一音が際だった美しさを持っています。この27番は、微妙な難しさあると思うんですね。あまり感情を加えるよりも、何も考えないような自然体での演奏の方がかえってうまくいく。曲自体が持っている微妙な情感が、無色透明なピアノに加わり、なんとも言えない効果が現れるのであります。クラウスの演奏って、正にそんな印象を強く持つのでありました。クラウス自体は、そんなに表情を付けての演奏ではないのですが、それが返って微妙な情感となって、なんとも得がたい演奏になっているのでした。

第1楽章。微妙な情感の変化が、珠玉のようなピアノで存分に表現されているところが素晴らしい。オケに比べて、ピアノの音が大きいように思うが、それも効果的ですね。音の強弱やテンポの微妙な変化などが曲の趣を整えていますね。第2楽章。ゆったりとしたテンポで、一音一音確かめるようなピアノに情感があふれている。ここでも過剰な表情は見られないが、自然にあふれてくるような微妙な感情が実に清々しいのであります。綺麗なピアノであります。そして、第3楽章。愉悦感あふれる曲の中で、ピアノがそれほどの楽しさを感じさせないところが、正に諦観なんでしょうか。そんなモーツァルトの最後のピアノ協奏曲のもう佇まいが、ここでも見事に表現されているように思います。そんな実に微妙なバランスがまたいいのでしょうねえ。

しかし、もう4月も半分終わっちゃいました。ここんところ、花粉がもう飛び回っていることで、あまり気分が優れないのでありました。もうこればっかりはたまりませんねえ。
(SONY SICC1662~5 2013年)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オイストラフの凄さ | トップ | 車内で聴こう!「トゥーラン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

モーツァルト」カテゴリの最新記事