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フィリピンの選挙

2010-05-25 10:05:57 | 日記
 フィリピンでは、5月10日に統一選挙が行われた。大統領、副大統領、上院議員、国会議員、自治体首長・副首長、地方議会議員、バランガイ役員(バランガイというのはフィリピンの最小行政単位)など全ての選挙が同時に行われ、投票日は国民の休日となった。

 投票日から2週間が経過したが、公式の選挙結果はまだ出ていない。投票集計作業の不正疑惑などがあって、その調査のために集計作業が中断されたりしたからである。

 しかし、大統領については、先ごろ亡くなったコラソン・アキノ元大統領の息子であるノイノイ・アキノ氏(以下敬称略。なお、正式にはベニグノ・アキノ3世という名だが、フィリピンでの慣習に従って、愛称を使用する。以下全員同様)にほぼ確定したと言ってよい。

 2位は、不正疑惑で大統領職を、いわゆるピープルズパワーによって追放されたエラップ・エストラーダである。彼は追放の後、汚職で有罪となり実刑が確定した(その後恩赦で釈放された)のだから、彼が大統領に選ばれれば、フィリピンは国際社会の笑いものになるところだった。

 3位は、上院議員で、世界的な大金持ちだと言われるマニー・ビリヤールである。不動産会社の社長だが、噂では日本円にして数十億円の金(日本とは貨幣価値が違うから膨大な金額なのである)を選挙に使ったと言う。下馬評では、アキノとこの人の一騎打ちになるだろうということだったが、蓋を開けてみたら意外に奮わなくて、1・2位とは大差の3位にとどまっている。もっとも、アキノだって日本ではあまり知られていないが、コファンコという中国系の大財閥の1員だし、選挙資金は相当使ったに相違ない。

 なお、4位につけているギボ・テオドロは前国防相で、どこを突いてもスキャンダルが出てこない清潔な人ということで人気があったが、カリスマ性に欠けていたようである。この人もコファンコ財閥の1員で、1位のアキノの従兄弟にあたる。

 副大統領選は、今のところ、選挙前の予想を大きく裏切る結果が出ている。すなわち、上院議員のマール・ロハスと元上院議員のローレン・レガルタの一騎打ちになるだろうと言われていたが、ロハスは2位、レガルタは大きく水をあけられた3位であり、1位は、今のところ、ダーク・ホースと言われていた前マカティ市長のジョジョ・ビナイである。しかも2位との差は約80万票もある。

 現在のフィリピンは第3共和国と言われているが、その第3共和国で最初の大統領になったのがマニュエル・ロハスという人で、マール・ロハスはその息子である。

 レガルタは50歳だが、この年としては、映画スターと比べても遜色ない美人である。しかし彼女は美貌を武器にしているわけではない。政治家として十分活躍してきた才媛なのである。彼女が副大統領になれば(その可能性はもうないと思うが)、その美貌のせいで、フィリピンの政治が世界的ニュースになることが多いだろう。それはフィリピンのような小国にとって悪いことではない。
 
 ビナイは野心家で、マカティ市長のときも汚い疑惑に包まれた人だった。マカティはフィリピンの経済活動の中心地であり、ビルが林立している。市長は建築許可を与える直接の権限は持っていないと思うが、それを左右するパワーは持っている。マカティにあるコンドミニウムでビナイが実質的に所有する部屋がないものはないというのが専らの噂である。つまり、自分に1室無償提供しない場合には建築許可を与えなかったというのである。この人は、メトロマニラでは相当な票を集めるとが、地方ではあまり票が取れないと思われていた。だからこの人が1位を走っているというのはかなり驚くべき結果なのである。

 ビナイが副大統領になると、自分が大統領に昇格するためにアキノを追い落とす汚い策略を仕掛けるだろうと言われているが、策略の中には暗殺というのもあり得るのではないかと、私は密かに思っている。

 画像は、このブログ記事とは何の関係もない、私の妻の写真です。最初のブログなので、自己紹介の代わりのようなつもりです。