たき☆かわブログ

不完全燃焼人生記録

ぺるけ式ヘッドホンアンプ(旧版)を製作する

2009-03-07 23:19:48 | オーディオ
(2009/08/06 改訂)写真変更・記事内容変更
(2009/03/23 改訂)記事内容追加

CDプレーヤーにつなぐヘッドホンアンプを作成しました。

ヘッドホンアンプはちまたに数多く売ってますし、自作記事もいろいろ見かけます。その中でも異彩を放っていた「ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ(旧版)」を作ることにしました。

これの特徴は、まず増幅素子がFETとトランジスタのみという完全ディスクリート構成だという点。もうこれだけでオーディオマニア心をくすぐりまくりです。次に、基板がラグ板だという点。初めて見たときは、「おいおい!中学生の電子工作かよ!」と思いましたが、実際に作ってみると積み木を組み立てていくような気分でなかなか面白かったです。

部品集めに1週間、製作に1週間を要しました。制作費は1万2千円ぐらいです。

さすが評判になるだけあって、出てきた音はひずみのないとても綺麗な音でした。あとは自分好みの音になるように、電源回路をいじったり、出力コンデンサを選定したり、あーでもないこーでもないと半田ごてを握る毎日。最終的には完成に1ヶ月かかってしまいました…。

苦労の甲斐あって、細かい音までも緻密に再生するハイファイな仕上がりになったのですが、緻密すぎて聴き疲れする感があったりします。ヘッドホンの場合だと、もっと暖かい感じのふわっとした音の方が長時間聴くのにいいのかもしれません。とりあえずこれは一作目ということで良しとして、二作目は長時間リスニングに向くような暖かみのある音が出せる物を作りたいなぁ。
(追記:このあとエージングにより、何時間聞いても疲れないような音になりました。)


<外見写真>
ケースは「タカチ HEN110420」です。2ミリ厚のアルミ製。ずっしり重くて頼りになりそうなケースです。値段が普通のアルミケースの倍するのがネックですが。
ボリュームツマミは「サトーパーツ K-59M」です。ちょっとお高いですが、総アルミ製で質感が良いです(門田無線で売ってます)。





<内部写真>

■ 全体写真
オリジナルと違うところは、
・電源部を別ラグ板に分離して後部に置いた。
・LとRをシンメトリーなるように部品を配置した。

部品の配置は旧版と同じですが、定数や電源部は改訂版と同じに変更してあります。




ピンク色の抵抗はタクマンREXです(千石で売ってます)。なぜカーボン抵抗のREXを使ったかというと、みんな金属皮膜のREYを使うので単に反骨精神です。本来は金属皮膜抵抗をお使いください(特に差動増幅回路と負帰還回路では抵抗値に誤差が生じにくい方がよいので重要)。今回は千石で10本一袋入りを買って、近い抵抗値のものを選別して使いました。



■ 電源部
電源部は別ラグ板に組んでみました。


まず、電源部の右側に立っている茶色い電解コンデンサは、回路図で電源のマイナスとアースにつながっているものです。東信のUTWRZ(1000uF/10V)を使いました。
電源部の横倒しになってる茶色い電解コンデンサは、改訂版の回路図でいうと電源のプラスとマイナスをつないでいるものです。ここには「KZH 1000uF」を使いました(マルツで売ってます)。東信のUTWRZよりもリップル耐性が2倍強力です。高域の荒れが減少します。

電源端子のところに2つ付いている頭が青で胴体が黒の部品は、フェライトチップです(鈴商で売ってます)。セラミックコンデンサではありません。フェライトチップを付けることでコモンモードノイズを減少させています。プラス側とマイナス側それぞれ1個ずつ直列に入れてください(パスコンの様に並列に入れないように…)。

その右にある黒い筒はコイルです。オリジナルだとノイズフィルタはコンデンサ一個に頼ってますが、コイルを入れることでLCフィルタになり強力になります。これでノーマルモードノイズを減少させています。

緑色の四角いものは、メタライズドフィルムコンデンサです。電源のプラスとアースに1つ、マイナスとアースに1つ、つなぐように入れてあります。なくてもいいのだとは思いますが、電源部からの高周波ノイズの遮断のために気休めで入れてあります。

あとは電源コードにクランプフィルタ(灰色のフェライトコアの筒、千石で売ってます)を装着して、高周波ノイズ対策をしています。

なぜここまで電源部のノイズにこだわるかというと、我が家ではサーバー(パソコンの親玉みたいなもの)が6台も常時稼働しており、ACラインにノイズが乗りまくりだからです。たぶん一般家庭?ではここまで対策しなくても大丈夫だとおもいます。
ぺるけ式は構造が単純なだけに電源由来のノイズに敏感です。高域がイガイガすると感じたら、電源部のノイズ対策を考えてみてください。

■ RCAジャック
RCAジャックには「モガミ 7552」を使いました(門田無線で売ってます)。
オリジナルだとライン入力端子のマイナス端子にシールド線を取り付けることになってます。私も最初作ったときはそうしてたのですが、配線が複雑になるし、ぺるけ氏もシールド不要と言ってたので、結局マイナス端子には緑色のGND線しか取り付けてません。

■ 出力コンデンサ(カップリングコンデンサ)
回路図でヘッドホン出力のところに直列に入っている1000uFのコンデンサは、直流信号(DC)をカットしてヘッドホンに伝えない役割をするものですが、これが音質に非常に影響を及ぼします。自作オーディオマニアにとってはコンデンサをとっかえひっかえして音の変化を遊べるところでもあります。

ここでは、簡単に入手できるものをいくつか選んで試聴しました。コンデンサはそれぞれ何度かとっかえひっかえして複数回聞き比べてから音質評価してますが、個人の感想なのでさらっと読み流す程度にしてください。

なお、指定の容量は1000uFですが、2200uFの方が低域がさらに豊かに聞こえたので、サイズが合うものだけ2200uFで試聴しました。

・東信 UTWRZ(2200uF/16V)
 ぺるけ氏が使用している標準品です。低域の方はよく出ますが、中高域~高域あたりがやや物足りない感じです。おとなしめで癖のない聴き疲れしない音質です。
・東信 UTSJ(2200uF/16V)
 最近よく目にする銀色のコンデンサです。低域はまあまあ。中高域~高域寄りの音で、キラキラと解像感の高い音が出ます。しかしヘッドホンで長時間聴いていると聞き疲れする感じもあります。ポップス向け・高音好きには良いと思います。


東信 UTSJ

・ニチコン MUSE FW(2200uF/16V)
 MUSEの標準品です。低域から高域までバランスよく音が出ますが、やや華やかな傾向です。ざわざわした雰囲気もありますが、解像感は良い方です。
・ニチコン MUSE FG(1000uF/16V)
 MUSEの高級品「Fine Gold」です。ここからコンデンサ自体のサイズが大きくなってくるので1000uFでの試聴。すべての音が誇張されたように出てきます。うるさいです。個人的にはご遠慮します。
・ニチコン MUSE KZ(1000uF/25V)
 MUSEの最高級品です。非常にサイズが大きいので、ケースに入りません。参考ですね。これも全体的に音が誇張されているのですが、FGのようにうるささは感じません。


左から、MUSE KZ/MUSE FG/MUSE FW

私は主にポップスを聴くのでMUSE FWが好みの音ですが、これでも高域がうるさいと感じる場合は、MUSE FX(通称「緑MUSE」)にすると多少落ち着いた音になります。


MUZE FX(緑MUSE)

なお、回路図のプラス電源に並列に入っている2200uFのコンデンサにも信号が流れるそうですが、ここは指定の東信 UTWRZをお使いください。ここまでオーディオ用にするとコンデンサの癖が強調されてひどい音になります。コンデンサを取り替えて遊ぶ(?)のは、出力コンデンサだけにしておいた方が無難です。

■ 中央部
真ん中にあるのがプラス側電源用の東信UTWRZ(2200uF/10V)です。高さがあるのでケース上部のふたにぶつからないようにご注意ください。


■ 前側
特筆するようなことはないですが、配線が入り組みやすいのでよく考えて綺麗に配線してください。
ヘッドホン端子は「SwitchCraft #12B」です(千石で売ってます)。アメリカのメーカーで、本来はギターの部品だそうですが、なかなかガッチリとしていて頼りがいがある感じです。一目惚れして買いました。


ボリュームの配線。
ボリュームは「アルプス ミニデテント 50KAX2」です。
端子同士の間隔が狭いので、配線に結構苦労しました。
この写真では、右の緑の線がGND、中央の白と赤が基板入力部へ、左の白と赤がライン入力端子へ、となります。


<配線材の話>

■内部配線材は細い物を使いましょう。

オーディオマニアの性質上、どうしても太い配線を好む傾向になり、内部配線材も太い物を選んでしまうかもしれません。しかし、ケースの中はスペースが限られているため、太い線は曲がりづらくて面積も大きく、配線の取り回しが難しくなります。太い物が使いたいという欲求をグッと我慢して細めの物を使ってください。お勧めは耐熱電子ワイヤー「KYOWA UL3265 AWG24」です。さらに重要なことは「耐熱」なことです。普通の線だと半田ごての熱で被覆が溶けたり焦げたりしてしまいますが、耐熱ならばそのようなことも起こらず、綺麗に仕上がります。今回の製作では、電源のプラス(青)とマイナス(黒)、LEDへの配線に使いました。

■どうしてもOFCが使いたいなら…
OFCの内部配線材は種類があまりないのですが、どうしても使いたいなら「モガミ 2514」がお勧めです(若松で売ってます)。ただし、これでも線が太いので、要所に使うだけにしましょう。今回の製作ではGNDの配線(緑色)に使用しました。被覆も耐熱なので安心です。

■信号線には…
ライン入力やヘッドホン出力用の信号線には良い配線材を使いたいという気持ちはよく分かります。しかしここでも太い物は使わずに、なるべく細めのものを選択しましょう。今回の製作では「モガミ 2520」を使用しました(オヤイデで売ってます)。一芯シールド線で、銅線の素材はOFCです。中の信号線がとても細くて処理に非常に神経を使います(処理してるときになぜこれを選んでしまったんだろうと後悔します…)。信号線には必ずあらかじめ半田メッキしておきましょう。問題は、被覆が耐熱ではないので、半田を当て続けると被覆が溶けて悲しい思いをするところです。端子に付けるときは瞬時に一発で決めなければなりません。今回の製作では、白と赤の線をRとLとして使い、ライン入力~ボリューム間、ボリューム~基板入力間、基板出力~ヘッドホン出力間、に使用しました。
(追記:その後、耐熱でないことが災いして半田ごて接触事故?で被覆が溶けまくったため、結局全部外して「モガミ 2514」に交換してしまいました。)

■失敗…
ラグ板のジャンパー線(黄色)に「モガミ 2515」を使ってしまい、配線途中でものすごい後悔しました。太すぎるために固いわ、線が端子に入らないわ、かなり苦労しました。

また、当初は耐熱線ではなく普通の線を使っていたため、線が溶けまくって何度もやり直すハメになりました。みなさまも十分お気を付け下さい。。。
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