とのさま日記なるもの

のどかな美しいそして感動の詩を書いていきたい

日が落ちる

2017-06-15 17:23:15 | 私の詩
さまざまな思いが思い出される

女性は黙ってその家をみた

両親がいる

兄姉もいる

深い樹木に覆われた家

もう少ししたら灯りが灯るだろうか

辺りは静けさがまし

日が落ち始めている


家から声が聞こえる

楽しそうな子供の声

そして食器があたる音

夕げの支度だろう

あっ

母が出てきた

勝手口から


若いと思った

母はまだこんなに若いんだろうか

崩れかけた石塀に体を隠して母をみた

母と一瞬、目があったような気がした

早く帰っておいで ご飯だよ

そう言って手招きをしてくれるような気がした

後から出てきた小さな少女が母にまとわりついていた

あれは誰?

兄姉の子供だろうか

女性は長く家には帰っていなかった

捨てたわけではない

逃げたわけでもない


母と少女が家に入って行った

日がどっぷりと落ち始めている

風が冷たい

もうすぐ冬が来る

家の中から声がする

灯りを早くつけないと

心で呟く

声だけが闇の中に響いている



闇の中に深い樹木に覆われた家がある

声すら途絶え


家に灯りが灯ることはなかった











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