メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…5

2017-04-05 22:59:25 | 整備
2017年ももう4月…


4月に入っても仕事が落ち着く様子はありません…


車検に一般修理に見積りなど…
バタバタしてます。




まずは車検で入庫したトレーラー。

特に不具合やエア漏れがあった訳ではありませんが予防整備でチャンバーゴムの交換…


ゴムは劣化してますね…


中は錆も無くキレイです…



新品と比較するとこれだけ伸びてます。
右側が新品です。



最近のトレーラーのスラックアジャスターは自動調整が主流ですが、古い年式になると手動調整のタイプがほとんどで、手動式は定期的な調整が必要なんですが…

ブレーキの減り具合に合わせてスラックアジャスターを調整してやらないとチャンバーロッドのストロークが増え、結果的にゴムにも負担がかかります…
そうなるとこんな感じに伸びちゃうんです…


ボルト類も交換してチャンバーは完了。




お次は古いキャンター(ウチでは…)
エンジンは噴射ポンプ式の4M51。

キャンターやファイターでの4M5系では年数が経ってくるとよく漏れるオイルクーラーからのオイル漏れ修理で入庫。


本来なら作業性を確保する為にエキマニも外した方がいいんですが…
遮熱板を取り外す段階で取り付けボルトが折れる折れる…
触らぬ神に祟りなし…という事でマニホールドは外さずに作業する事に…笑

ただ、遮熱板は腐食が酷く交換するので折れたりナメたボルトは取り外さないといけません…
ボルトの頭も瘦せ細りボックスはかからない…


頭を削りステンボルトを溶接し慎重に取り外し。




ガスケットやOリングを交換してオイルクーラーも終了…




他にも特殊トレーラーのハブベアリング交換など…


最近導入した新兵器…
ベアリングレースインサーター。


任意のサイズに調整出来ます…


コレは使える…‼︎笑




そして車検で入庫したダイナですが…


燃料エレメント交換時にいつもは無い違和感を感じたので…


採取。


コレ…この車両から抜き取った軽油なんですが…

明らかに色が薄い…



ガソリンや軽油などは精製された段階では本来、無色透明なんですが、色んな理由から識別する為に色やニオイが人工的に付けられています。


ちなみに自社のトラクターヘッドから抜いた正規の軽油はこんな色。



比べると一目瞭然。



あくまで私の感覚ですが、ほんのり灯油の匂いを感じます。

コレはいわゆる不正軽油…⁉︎
ブラックライトを当てればハッキリするんでしょうが…


お客様に最後にどこで給油したかを聞くと、某大手石油メーカーのフランチャイズを受けた地元企業のスタンドでした。

今だにこんな事をするスタンドがある事自体が驚きですが…


正直、私は世直し人でもなんでも無いので誰がどんな不正をしようがタレ込みしてやろう…なんて思いませんが…
それがウチのお客様に迷惑がかかるような事となれば話は別で…
お客様には現状の説明をして、現車から抜き取った軽油と正規の軽油のサンプルをお渡ししました。
ここからどうするかはお客様の判断に任せます。



完成検査での排ガス測定はかろうじて合格しましたが…

実際に現車のインジェクター補正値は最悪で…
遅かれ早かれ必ずインジェクターとDPFの修理が必要になるでしょう。




昨今のディーゼルエンジンのコモンレールシルテムは高圧&精密な為に使用する燃料には非常にシビアです。
高精度な機構故に使う燃料が粗悪品だと当然トラブルになります…
燃料エレメントはあくまでゴミや水分の混入を防ぐ為の物なので、定期交換していても燃料自体に問題があれば意味がありません。



また、この手のトラブルで厄介なのはスグには分からない事。

燃料の不完全燃焼からDPFやインジェクタートラブルに至るまでにはしばらくかかります…
その為燃料が原因だとは気付かない事もあるかもしれません。

気付く頃にはもう手遅れでしょう。


コレばっかはユーザー側は気を付けようがないのでタチが悪いですね…



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