晴耕雨読

耕すのは土だけではない。
心のなかこそ酸素を補給し、ゆたかな栄養で満たさなければならない。

雨呼山

2016年11月05日 | 登山


天童市の東側にある雨呼山(標高905m)は、あまよばり山と呼ぶ。比較的小さな里山で、この山から渓流が流れ、山麓を潤す水が少ない。雨呼とは字から容易に推測されるように、里人がこの山に雨乞いをした歴史を持っている。山中に「村雲の池」、「龍神の池」があるが、二つとも池と呼ぶにはあまりに小さく、いつ涸れてもおかしくない井戸のようなものだ。この池の周りは、ちょっとした広場になっていて、昔からここで神主を中心に雨乞いの儀式が行われたものと思われる。

愚図ついていた天気も晴れ、穏やかな山行日和となった今日、雨呼山に登ってきた。ジャガラモガラの上にある登山道は、急勾配で、登りやすくすために階段が作られている。栗の木やブナの林は、紅葉の最盛期を迎えていた。滑りやすく嫌な階段登りも、目の覚めるような紅葉に元気づけられる。



この秋の山行は幸運に恵まれている。前日まで危ぶまれていた天候が、当日になって快晴になる。今日もその通りになった。急な階段を上りきって尾根筋に着くと、西の方にきれいに冠雪した月山。そして頂上では、ブナやナラの紅葉が青空を覆うように広がっている。もう高山では、木々は葉を落し、裸の木々の従容した姿を見るのみだが、ここでは正に最盛期、至福の時間である。登山口から1時間半、一行は身をそのなかに置いて、自身も一緒に染め上げられるような不思議な感覚に捉われた。

黄葉中目つむりをりて鳥語聴く 島村 利南

本日の参加者は8名、内女性3名。登山道はすでに落葉が堆積し、昨日までの雨でぬれている。滑らないないように足もとの注意も必要だが、紅葉の見事さはそれを補ってあまりがある。その快適さに、一行の笑語が尽きない。下山中、山中に大きな歌声が響き渡った。10人ばかりの一行が歌いながら登ってくる。聞けば仙台から来た平均年齢70歳のチームだという。ビニール袋には、途中で採ったムキタケが入っていた。無名のこの山を何故選んだのか。この秋晴れと紅葉の素晴らしさは、その選択は彼等にとっても大正解であったであろう。



登山口はジャガラモガラと呼ばれるすり鉢状の凹地近くにある。ジャガラモガラは崖崩れを起因としてできた場所だが、岩の穴から冷気を噴出する風穴が存在する。姨捨の伝説もある市民の観光地になっている。30年ほど前にここにきたのだが、当時は徒歩で登った道が舗装されて駐車場ができている。駐車場から10分ほどで、風穴のある場所に着く。紅葉は雨呼山よりも、もっと見栄えがした。木道の奥に3人ほどの家族がいた。見ればかって一緒にこの会で登っていたkさんであった。何十年ぶりかの再会に、話はすぐにかっての登山の話になり、懐旧談が尽きない。足が弱くなって登山はできないが、好きな山景色を見に娘が連れてきてくれたいう。

暫くは雑木紅葉の中を行く 高濱 虚子
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 石行寺の紅葉 | トップ | ホトトギス »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

登山」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。