晴耕雨読

耕すのは土だけではない。
心のなかこそ酸素を補給し、ゆたかな栄養で満たさなければならない。

2017年04月18日 | 百人一首


百人一首の最後を飾るのは順徳天皇である。後鳥羽院の第三皇子で、父とともに鎌倉幕府を倒そうと承久の乱を起こしたが、失敗に終わり、乱後二人は佐渡へ配流の身となった。順徳院には「野辺のむかし物語」があり、そのなかにすみれの話が出てくる。

「昔、ある人道に行きまどひ、広野に日をくらして、草の中にて鳥の卵を拾ひぬ。これを袖に入れ、草の枕を引き結び、その野にて臥しぬ。夢に拾ひつる卵は前世の子なり、この野に埋むべしよし見て、夢さめぬ。夢のごとくやがて埋ぬ。そのあした見るに、葉ひとつある草に紫の花咲きぬ。いまのすみれ、これなり。」

前世になした子が鳥の卵になり、やがて菫に化生する、という伝承ははかなく哀れである。かつて、子を亡くした母たちが、野の菫を見るとき、この言い伝えに涙を流しながら、いつくしんだ。平家一門の子として育った順徳院は、鎌倉の源氏政権に烈しい敵意を抱いた。

百敷のふるき軒端のしのぶにも
なほあまりある昔なりけり  順徳院

軒端のしのぶはしのぶ草、別の呼びかたにわすれな草がある。
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