みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

「隠しごと」

2017-06-18 19:24:29 | ブログ短編
 僕(ぼく)は、妻(つま)に隠(かく)しごとがある。話さなきゃいけないとずっと思っているのだが、話すタイミングというか…、話を切り出す勇気(ゆうき)が出ないのだ。そのせいで…、辻褄(つじつま)を合わせるために、僕は妻に嘘(うそ)までついてしまった。
 もう、最悪(さいあく)だ。僕は、何でも話せる夫婦(ふうふ)になろうと妻と約束(やくそく)した。約束したはずなのに、こんな些細(ささい)なことでダメにしてしまうなんて。今日こそは、打ち明けなければ――。
 ちょうど今、妻は毎週(まいしゅう)楽しみにしているテレビ番組を見て笑っている。今なら、この番組を見終わったときに話せば、きっと妻は笑って許(ゆる)してくれるだろう。きっとそうだ。
 僕は、そのタイミングで、妻に話があると伝えた。妻は、ちょっと驚(おどろ)いた顔をして、
「なに?…何かあったの? まさか…、お義母(かあ)さまから…」
 お袋(ふくろ)…、何でここでお袋が出て来るんだ? 僕が首(くび)をかしげていると、妻は突然(とつぜん)、手を合わせて謝(あやま)りだした。
「ごめんなさい。今まで内緒(ないしょ)にしてたことがあるの。実(じつ)はね、商店街の福引(ふくび)きで、ホテルのランチの招待券(しょうたいけん)が当たったの。平日しか使えないやつだったから、あなたに黙(だま)って、お義母さまと…。ほんとに、ごめんなさい」
「ああ……、そうなんだ。いいよ、そんなこと。別に、気にすることじゃ…」
 僕は気が抜(ぬ)けてしまった。妻は、ほっとしたのか僕に抱(だ)きついてきて、
「ありがとう、許してくれて…。もう、そういうところ、大好き!」
<つぶやき>で、結局、夫(おっと)さんは、何を隠しているのかな? ちょっと気になりますね。
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