みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0050「恋人週間」

2017-07-11 19:32:17 | ブログ短編
「あの、佐藤太一(さとうたいち)さんですよね」
 女性は一礼(いちれい)すると、「私、結婚促進公団(けっこんそくしんこうだん)から派遣(はけん)された百瀬(ももせ)ひとみです。今日から一週間、あなたの恋人(こいびと)になりました。よろしくお願いします」
「はい……?」太一はきょとんとして、「えっ、何なんですか?」
「あの、連絡(れんらく)が来てると思うんですが…」
 ひとみは顔(かお)を赤らめて、「申し訳ありません。私、またへまをしちゃって…。ごめんなさい。あの…、改(あらた)めてご説明(せつめい)します。政府(せいふ)が試験的(しけんてき)に恋人週間を始めて、それは、えっと…、人口増加(じんこうぞうか)の対策(たいさく)で…。つまり…、政府がやる合コンみたいなものです。登録(とうろく)されている男女を出会わせて…」
「登録って、僕(ぼく)は登録なんかしてませんよ」
「あの、登録は本人(ほんにん)じゃなくても、家族(かぞく)ならできるんです。だから…」
「あっ。もしかして、お袋(ふくろ)が…。まったく、勝手(かって)なことするんだから」
「断(ことわ)らないで下さい。一週間でいいんです。もし断られたら、登録を消されちゃって…」
「でも、あなたみたいな奇麗(きれい)な人だったら、恋人なんてすぐに…」
「見た目で判断(はんだん)しないで下さい! 恋人ができないから、こうして…」
「あの…」太一はひとみの涙(なみだ)を見て、「分かりました。一週間…、よろしくお願いします」
「ありがとうございます。私、がんばりますから」
<つぶやき>これがきっかけで、結婚できるのでしょうか。後は、この二人しだいです。
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ジャンル:
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