みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0025「エリカちゃん」

2017-04-23 19:34:38 | ブログ短編
 由佳(ゆか)は、お手伝(てつだ)いロボ<エリカちゃん>を手に入れて上機嫌(じょうきげん)だった。これで家事(かじ)から解放(かいほう)され、自分だけの時間を楽しむことができる。エリカちゃんは最新式(さいしんしき)だけあって人間とそっくりで、ロボットとは思えないほどだ。由佳と同じ二十代の女性をモデルに作られていた。
 由佳は分厚(ぶあつ)いマニュアルを見て、「こんなに読めないわ。まっ、いいか」と言ってロボットの起動(きどう)スイッチを入れた。動き出したエリカちゃんに、由佳は掃除(そうじ)、洗濯(せんたく)、炊事(すいじ)と次々に家事を言いつけた。由佳は大満足(だいまんぞく)だった。いつどこへ出かけても、時間を気にしなくてもいい。すべてエリカちゃんがやってくれるから――。
 今日も遅(おそ)くまで友達と遊んで帰ってみると、エリカちゃんは夫(おっと)とソファーでくつろいでいた。肩(かた)を抱(だ)いたりして、夫もまんざらでもない様子(ようす)。それを見た由佳は、
「エリカ、何してるの? ちゃんと仕事をしなさい!」
「あなたこそ、いつまで遊んでるのよ」エリカは命令口調(めいれいくちょう)になり、「早く部屋を片づけなさい。洗濯物(せんたくもの)だってたまってるのよ。さっさとやりなさい!」
「えっ…」由佳は怖(こわ)くなりトイレに逃げ込み、携帯(けいたい)でメーカーに電話をかけた。メーカーの担当者(たんとうしゃ)は、「ありがとうって言いました? 人間と同じで、感謝(かんしゃ)の言葉(ことば)をかけないと暴走(ぼうそう)するんです。マニュアルの注意書(ちゅういが)きにも書いてあるんですがね。よく、読んでみて下さい。対処法(たいしょほう)としましては、しばらくエリカの言う通りにしてれば、もとに戻(もど)ると思います」
<つぶやき>近日、お助けロボ<タクヤくん>発売決定! 予約(よやく)はお早めにお願いします。
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