みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0060「マイホーム」

2017-08-10 19:41:25 | ブログ短編
 山田(やまだ)さんは念願(ねんがん)の一戸建(いっこだ)てを購入(こうにゅう)した。とても便利(べんり)な場所なのに、信じられないくらい安かったのだ。家族(かぞく)は欠陥住宅(けっかんじゅうたく)じゃないのかと心配(しんぱい)したが、物件(ぶっけん)を見てみると、少し古いがとてもしっかりした造(つく)りになっていた。
 引っ越しの後片付(あとかたづ)けもすんで、家族が寝静(ねしず)まった深夜(しんや)のこと。二階に寝ていた山田さん夫婦(ふうふ)は、ガサガサという物音(ものおと)で目が覚(さ)めた。その音は階下(かいか)から聞こえてきていた。階段(かいだん)のところまで来てみると、娘(むすめ)が下を覗(のぞ)き込んでいた。
「ねえ、パパ」娘はひそひそと、「下の電気(でんき)、ついてるみたい。泥棒(どろぼう)かな?」
 山田さんを先頭(せんとう)に、みんなで下へ降(お)りてみた。すると、台所(だいどころ)の明かりがついていて、流しに洗(あら)い残(のこ)してあった食器(しょっき)が奇麗(きれい)に片付いていた。リビングに行ってみると、掃除機(そうじき)がさっきまで使われていたかのように、コンセントにコードが差(さ)し込まれたままになっていた。
「誰(だれ)が出したの? 片付けておいたのに」奥(おく)さんが不思議(ふしぎ)そうにつぶやいた。
 一通(ひととお)り家の中を見てみたが、盗(と)られたものもなく、誰かが侵入(しんにゅう)した形跡(けいせき)もなかった。一安心(ひとあんしん)した三人は、リビングに集まった。すると、突然(とつぜん)電気が消えて真(ま)っ暗(くら)になり、娘が悲鳴(ひめい)をあげた。「なにか足にさわった」娘はそう言って母親に抱(だ)きついた。明かりか戻(もど)ると、三人は目を疑(うたが)った。テーブルが奇麗(きれい)に飾(かざ)られて、メッセージがおかれていたのだ。
<ようこそ。大歓迎(だいかんげい)です。これから仲良(なかよ)く暮(く)らしましょうね>
<つぶやき>謎(なぞ)の同居人(どうきょにん)、それともこの家の精霊(せいれい)なのかな。こんな物件はいかがですか?
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