みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

「するのか?」

2017-08-21 19:37:13 | ブログ短編
 彼は、何時(いつ)もなら行かないような高級(こうきゅう)レストランに彼女を連(つ)れて来た。二人は付き合い始めて、もう数年たっている。そろそろ…、あれをしてくれるんじゃないかと、彼女の期待(きたい)は高まっていた。でも、彼女はそういうことを顔に出すようなことはしなかった。
 食事をしている間、彼は時々(ときどき)もぞもぞとテーブルの下へ手をやっていた。何をしているのか、彼女は気になった。さり気なく様子(ようす)をうかがうと、彼の上着のポケットが膨(ふく)らんでいるのを発見(はっけん)した。彼女は、心の中で――。
〈これは、もしかしたら指輪(ゆびわ)? 婚約(こんやく)指輪を用意(ようい)してるのね。そうよね、それがなくちゃ話しにならないもの。でも、大丈夫(だいじょうぶ)かしら? 私の指(ゆび)のサイズ分かってる?〉
 彼と目が合った。彼女は優(やさ)しく微笑(ほほえ)んで、「これ、美味(おい)しいわね」
「そうだろ。前に来たとき、とっても美味(うま)かったから、君もきっと気に入ると思って」
「前に…? えっ、誰(だれ)と? いつ来たのよ? まさか一人ってことないわよね」
「ああ…、友だちだよ。友だちと来たんだ。もう、何年前だったかな…」
「このお店、去年開店したのよ。私、知ってるんだから…。で、誰と来たんだって?」
「だから…、友だちだよ。おかしいなぁ、去年だったかなぁ」
 気まずい空気(くうき)が一瞬(いっしゅん)流れた。でも、彼女はそれ以上追及(ついきゅう)しなかった。だって、あれがあるから…。彼女は満面(まんめん)の笑(え)みをうかべた。それを見た彼は――、ちょっとびびってしまったかもしれません。さて、彼はあれをするのでしょうか?
<つぶやき>ここは、もらうものをもらって…。それから、友だちの話を聞きましょうね。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。
ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 0063「早とちり」 | トップ | 0064「祖父の財宝」 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ短編」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。