みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

「おみくじ」

2014-02-18 15:07:57 | ブログ短編
 僕は、正月早々(そうそう)、神社のおみくじで大凶(だいきょう)を引いてしまった。何なんだよ、これは…。去年は付き合ってた彼女に振(ふ)られ、仕事も巧(うま)くいかずにさんざんな年だったのに、今年はどうなっちゃうんだよ。僕がくさっていると、隣(となり)にいた妹が言った。
「もう、そんなことで落ち込まないで。大丈夫(だいじょうぶ)よ。考えようによっては、これも良いことよ。だって、これ以上悪くなることないんだから。そうでしょ」
 確(たし)かに、妹の言うことには一理(いちり)ある。何だよ、こいつ。いつもは僕のことバカにしてるくせに、今日はやけに優(やさ)しいじゃないか。僕は、少しだけ妹を見直(みなお)した。
 僕は、ふっと妹の持っているおみくじを覗(のぞ)いてみた。…大吉(だいきち)! こいつ、さっきからニコニコしてると思ったら、こういうことだったのか?
 僕は妹の顔を見つめた。妹は素知(そし)らぬ顔でおみくじをバッグにしまうと、
「早く行こうよ。福袋(ふくぶくろ)が無(な)くなっちゃうわ。せっかくお兄ちゃんが買ってくれるって――」
 僕は買うなんて言ってないぞ。そうか…。そのために、僕を初詣(はつもうで)に誘(さそ)ったのか? まったく、なんて妹だ。僕は妹の後ろ姿を追いながら呟(つぶや)いた。
「こいつ、絶対、僕のツキまで吸(す)い取ってるんだ。そうじゃなきゃ、こんな悪いことが続くはずが…。くそっ、負けないぞ。絶対、ギャフンと言わせてやる」
<つぶやき>彼女はいろんな意味で、お兄ちゃんを大切に思っているのかも知れませんね。
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