みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0047「しゃっくり」

2017-07-02 19:20:53 | ブログ短編

「ねえ、大丈夫(だいじょうぶ)?」遥(はるか)はニコニコしながら、「つばを飲み込むと、止まるかも」
「お前、楽しんでないか? ヒック…。たかが、しゃっくりじゃないか、こんなヒック」
「そうだ、これなんかどう? これを呑(の)み込めば…」
「こんなの呑み込んだら、喉(のど)に詰(つ)まヒック、ヒック…。何で大福(だいふく)なんか持ってヒック…」
「お店の前、通ったら、食べたくなっちゃって。そうだ、いいこと思いついちゃった」
 遥は押し入れの中に頭を突っ込んで、何かを探し始めた。
「もういいよ、そのうちヒック、止まるから。ヒック、お前、何しに来たんヒック…」
 圭介(けいすけ)は水でも飲もうかと立ちあがった。その時、すぐ後ろで<パン! パン!>と大きな音がして、圭介は飛び上がった。振り返ると遥が大きなクラッカーを手に立っていた。
「あのな…、驚(おど)かすなよ。どこからそんなの…」
「ほら、圭介のびっくり誕生会(たんじょうかい)に使おうと買っておいたのよ。でも、圭介ったら自分の誕生日忘れてて、結局(けっきょく)できなかったじゃない」
「ああ、そんなこともあったな。あれ、止まった……。やった、やっとおさまった」
「よかったね。これで話せるわ。ねえ、私ね…。赤ちゃん、できちゃったの!」
「えっ、ほんとかよ! ヒック…、ヒック…。まただヒック…。驚かすなよヒック…」
<つぶやき>おめでたなんですか。こんなこと聞かされちゃったら、そりゃ驚きますよね。
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コメント
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