みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

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2017-03-23 19:44:09 | お知らせ
短編物語013「決まりごと」03

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「稀なこと」

2017-03-22 19:19:37 | ブログ短編
 世の中には奇跡(きせき)といえるようなことが稀(まれ)に起きるものだ。彼の場合も、今まさにそれが起きようとしていた。彼の目の前には、彼の憧(あこが)れの…、初めて会ったときから好きになってしまった彼女がいた。その手には、手紙らしきものが握(にぎ)られている。
 これは、まさか…。あのラブレターっていうやつか? この歳(とし)になるまで、といっても彼はまだ高校生なのだが…。その存在(そんざい)は知っていても、それを目(ま)の当たりにするなど夢(ゆめ)のまた夢。それも、めちゃ好きな娘(こ)から受け取ることができるなんて――。
 彼女は、うつむきながらその手紙を彼に差(さ)し出した。彼は、頭の中が真っ白になって身体が動かない。彼女は、ちょっと困(こま)った顔をして小声で言った。「これ、受け取って…」
 彼はやっと我(われ)に返って、震(ふる)える手でその手紙を手に取った。だが、そこに書かれている文字を見て愕然(がくぜん)とした。〈挑戦状(ちょうせんじょう)〉??? なんじゃこりゃ!!
 彼女はため息まじりに言った。
「頼まれたのよ、高梨(たかなし)君に。この間のゲームの決着(けっちゃく)をつけたいって」
 高梨…。確かにこの間、完膚(かんぷ)なきまでに叩(たた)きのめしてやった相手だ。だが、何で彼女が…。これはどういうことだ? 彼女と高梨は付き合っているのか? そんなバカな…。僕なんか、ちゃんと話しをしたこともないのに――。
 彼はその真相(しんそう)を知りたかった。だが、その前に彼女は走り去ってしまった。
<つぶやき>これは、高梨君から聞くしかないでしょ。その勇気があればの話しですが…。
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0014「恋の始まり」

2017-03-21 18:56:22 | ブログ短編
「おはよう。田中(たなか)君…、早いのね」ななみは恥(は)ずかしさのあまり声がうわずっていた。
「あ、吉田(よしだ)さん。あの、どうも…」田中の方も何だか落ち着かない様子(ようす)だ。
 この二人、お互(たが)いに好きなのだ。でも、それが言い出せないでいた。他の友達がいるときは何でもないのだが、いざ二人っきりになると意識(いしき)しすぎてしまい何も話せなくなる。二人してもじもじしていると、それぞれの携帯(けいたい)が鳴(な)り出した。
「あ、さゆり。何してるの、遅いよ。えっ…、今日、来られない? 何でよ…」
「何だよ、研二(けんじ)。早く来いよ。えっ、嘘(うそ)だろ。どうすんだよ。えっ…」
 今日は友達四人で水族館(すいぞくかん)に行くことになっていた。それが、ドタキャンされたみたいだ。実(じつ)は、友達が気をきかせて、二人っきりになれるように計画(けいかく)したのだ。二人はどうしていいのか分からず、うつむいてしまった。でも、真(ま)っ赤な顔をしたななみの方から、
「あの…、さゆり、来られないって。何か…、急に用事(ようじ)が出来たみたいなの」
「そう…。沢田(さわだ)も、今日、ダメだってさ。どうしようか…、これから」
「えっと…、行かない? 水族館。二人で…。せっかく、来たんだから…」
「そうだね。うん…、そうしようか。それがいいよ」
 二人はぎこちなく歩き出した。二人の恋の時計(とけい)が、ゆっくりと動きはじめた。
<つぶやき>恋の始まりは、突然(とつぜん)やって来るんですよね。今思えば、その頃(ころ)がいちばん…。
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「検証」

2017-03-19 19:30:57 | ブログ短編
 私はこの病院(びょういん)で看護師(かんごし)として働くようになって一年。やっと仕事にも慣(な)れてきて遣(や)り甲斐(がい)というものを感じはじめていた。そんな時、女子高生の患者(かんじゃ)さんが入院してきた。初めてその娘(こ)と会ったとき、私は彼女が口にした言葉にちょっと驚かされた。
「ねえ、この病院って出るんじゃない? 毎日、不可思議(ふかしぎ)なこと起きてるよね」
 私はそれを受け流して、「この後、検査(けんさ)がありますから。呼びに来ますね」
 彼女は私の言ってることなど耳(みみ)に入らないのか、病室を見回して妙(みょう)なテンションで呟(つぶや)いた。「何かわくわくしちゃう。今夜は眠れそうにないわ。どうしよう――」
 私が呆気(あっけ)にとられていると、彼女は私に向かってささやいた。「ねえ、お姉さんは不思議(ふしぎ)な体験(たいけん)とかした? 例(たと)えば、誰もいないはずの病室で物音(ものおと)がしたりとか――」
「そんなこと…。ここはお化(ば)け屋敷(やしき)じゃないんだからね。あなたは病気を治(なお)すことを――」
「はい、はい。じゃあ、ここで一番長く働いている人、教えてくれない? その人から、いろいろ訊(き)きたいことがあるんだ。退院(たいいん)するまでに、霊体験(れいたいけん)の検証(けんしょう)をしたいの」
 私は曖昧(あいまい)に返事(へんじ)をすると病室を出た。こんな娘(こ)は初めてだ。私は看護師長(かんごしちょう)にそのことを話した。すると、師長は小さな溜息(ためいき)をついて私に言った。
「分かったわ。あなたにも伝(つた)えるときがきたようね。実(じつ)は――」
 それ以来(いらい)、私の身(み)の回りでもいろんなことが起き始めた。この時の女子高生の彼女は、どういうわけか後輩(こうはい)の看護師として働いている。今でも検証を続けているようだ。
<つぶやき>病院での不思議な体験談はいろいろあるみたい。私は、恐いのはちょっと…。
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0013「復活の日」

2017-03-18 19:36:54 | ブログ短編
 古びた酒場(さかば)のカウンターで、一人の男がバーボンを飲んでいた。だいぶ酔(よ)いが回っているようで、うつろな目をして物思(ものおも)いにふけっていた。そこに、この店には不釣(ふつ)り合いな、二十歳(はたち)ぐらいの若い女が近寄ってきて、隣(となり)の席に座り男の顔を覗(のぞ)き込んだ。
「ねえ」女は男に声をかけ、「私にダンス教えてよ。お願い」
 男は女の顔をちらりと見ただけで、何も言わずに残っていたバーボンを喉(のど)に流しこんだ。
「おじさん、聞いてんの? 何とか言いなよ」女はイラついて男の腕(うで)をつかんだ。
 男はその手を振りはらうと、「何度来ても同じだ。俺(おれ)は、ダンスはやめたんだ」
「そんなこと言わないで。私も、おじさんみたいに一流(いちりゅう)のダンサーになりたいの」
 女の目は真剣(しんけん)だった。男の心は揺(ゆ)れていた。彼女を見ていると、昔の自分とそっくりなのだ。捨(す)てたはずの夢(ゆめ)がちらつき、心の片隅(かたすみ)で熱い気持ちがくすぶり始めていた。
「やめとけ。俺みたいになるだけだ。踊れなくなったら、もう死んだも同然(どうぜん)だ」
「だったら、私が生き返らせてあげる。おじさんがなくした夢、私が取り戻(もど)してあげるわ」
「お前な……」男は何か言いかけたが、しばらく考え込んで、「俺の授業料(じゅぎょうりょう)は高いぞ」
「えっ…、教えてくれるの? ありがとう! でも、授業料っていくらなの?」
 男は飲んでいたグラスを差し出し、「こいつ、一杯(いっぱい)だ」
<つぶやき>いくつになっても、熱い情熱を忘れないでいたいですよね。青春、万歳!!
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