みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

ホームページで新作を公開しました

2017-01-22 19:51:51 | お知らせ
読切物語073「禁断の場所」
を公開しました。

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「あたしのもの」

2017-01-21 20:04:36 | ブログ短編
 高級(こうきゅう)レストランで、食後のデザートを前にして彼女はほくそ笑(え)んだ。そして心の中で、
〈この人は、もうあたしのものよ。今まであの小娘(こむすめ)と張(は)り合ってきたけど、これで――〉
 目の前にいる彼は、緊張(きんちょう)した面持(おもも)ちで彼女を見つめている。彼女はそれに答えるように微笑(ほほえ)みかけた。そして…、とうとう彼は、指輪(ゆびわ)のケースを取り出してフタを開けると結婚を切り出した。彼女の顔が、かすかに紅潮(こうちょう)した。
〈やったわ、これであの小娘に勝ったのよ。まあ、あたしが勝つことは最初から分かっていたけど。あたしのこの美貌(びぼう)をもってすれば、あんな小娘なんかに――〉
 彼女は上目(うわめ)づかいに彼を見た。彼は、やっと言えたことにほっとして、ハンカチで汗(あせ)をぬぐっていた。気が緩(ゆる)んでしまったのか、にやけた男になっている。
 彼女は、そこで初めて気がついた。
〈あたし、この人の、どこを好きになったのかな? ちょっと待って…、ほんとにこの人でいいのかしら? 何か…、なんか違(ちが)う気がするんだけど――〉
 彼女のためらいの気持ちが、指輪の輝(かがや)きさえも消し去ってしまったようだ。――彼は、彼女の返事(へんじ)を待っていた。間違(まちが)いなく彼女と結(むす)ばれると、彼の中では確信(かくしん)があった。
 彼女はおもむろに口を開いた。「ごめんなさい。あたし、そんなつもりないから」
<つぶやき>これは男を撃沈させるに充分な威力を持っています。使い方には注意です。
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ホームページで再公開しました

2017-01-20 19:12:01 | お知らせ
読切物語043「怪盗リカちゃん」

以前、公開した作品を再公開しました。
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「運命の人」

2017-01-18 19:13:42 | ブログ短編
 一人暮(ぐ)らしの叔母(おば)のアパートに高校生の姪(めい)が訪(たず)ねてきた。年齢(とし)が十も離れていないので、ほとんど友だち感覚(かんかく)でちょくちょく遊(あそ)びに来ているのだ。姪はやって来るなり嬉(うれ)しそうに叔母に話しかけた。
「ねえ、あたし、運命(うんめい)の人に出会ったみたい。何か、ビビッと来ちゃって…。あたし、この人と結(むす)ばれるんだって感じちゃったの。これって、すごいよねぇ」
 叔母の顔つきが急変(きゅうへん)した。姪の手を取り座(すわ)らせると、いつになく真剣(しんけん)な表情(ひょうじょう)で言った。
「いい、よく聞きなさい。人生(じんせい)の先輩(せんぱい)としてあなたに言うんだけど…。私も、あなたくらいの頃(ころ)、ある人にね、ビビッと来ちゃったことあったの。私、勇気(ゆうき)を出してその人に告白(こくはく)して、付き合うことになったんだけど…。しばらくしてね、その人には他に本命(ほんめい)の娘(こ)がいることが分かったの。私は、その本命の娘に近づくための――」
 叔母は声をつまらせた。姪は、まさかここで叔母の失恋(しつれん)話を聞かされることになるとは思わなくて、それもかなりヘビーな感じなのに戸惑(とまど)いを隠(かく)せなかった。さらに叔母は、
「ごめんなさい。…それ以来(いらい)ね、好きな人が出来ても、相手(あいて)のこと信じ切れなくて…。だから、いまだに一人なんだけど…。つまり、私が言いたいのはね…」
「分かった。分かったわ」姪は思わず言った。「あたしも、よく考えてみるね。だから、心配(しんぱい)しないで。叔母さんも、まだ若(わか)いんだから、がんばってよ」
 恋愛経験の少ない姪には、それ以上かける言葉が見つからなかった――。
<つぶやき>恋愛って難しいものなのかなぁ? これって、一人ではできないんだよね。
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「しずく63〜想定外」

2017-01-15 19:05:26 | ブログ連載~しずく
 初音(はつね)はつくねの顔を覗(のぞ)き込みながら言った。「そうかな? あたしが見た感じ、そんなことないと思うけど。でも、人を寄せ付けなくする雰囲気(ふんいき)はあるわよね」
「ああ、そうかも…」つくねはちょっとまごつきながら答えて、「だからね、川相(かわい)さんって、誰(だれ)とでも仲良(なかよ)しじゃない。クラスのみんなと上手(うま)くやっていくには、あなたと…」
「もう、やだ」初音は笑いながら、「そんなこと…。あたしに任(まか)せてよ。あたしが、みんなと仲良くできるように――」
 初音が話しに夢中(むちゅう)になっている間に、つくねは手にした石をそっと初音の背中(せなか)に押し当てた。だが、緑の石は何の反応(はんのう)も示(しめ)さない。――当然(とうぜん)のことだが、背中に触(さわ)られたのだから初音だって気づいてしまう。〈えっ〉という感じで立ち止まると、背中の方をちらっと見つつ、つくねと目が合った。つくねは、取り繕(つくろ)うように何か言おうとした。その時、いきなり後から背中を押されて、つくねはその拍子(ひょうし)に手にした石を落としてしまった。
 同じく初音も背中を押されて、二人して振(ふ)り返ると、そこにいたのは水木涼(みずきりょう)だった。涼は口をとがらせながら二人を睨(にら)みつけ言った。
「もう、ひどいじゃない。二人だけで帰るなんて。どうして、私も誘(さそ)ってくれないのよ」
 初音は呆(あき)れた顔をして、「だって、あなた、部活(ぶかつ)に行ったんじゃなかったの?」
<つぶやき>まさかここで涼が来るとは、これは想定外(そうていがい)の出来事(できごと)でした。さあ、どうする?
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