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映画・それでも夜は明ける

2014年03月18日 | 映画(海外)

 

原題 12YEARS A SLAVE
2013年 アメリカ・イギリス合作

                                   

 

1841年、ニューヨーク州サラトガで愛する妻と可愛い子供たちに囲まれ、幸せな日々を送っていたバイオリニストのソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)

彼は生まれた時から自由黒人で白人の友人も多くいたが、紹介された二人組の興行師に騙され、ワシントンに連れて行かれたうえ自由証明書を奪われ、南部ジョージア州から逃げて来た奴隷・プラットとして農園に売られてしまう
有無を言わさず名前も家族も財産も奪われたソロモンですが、妻と子供たちに再会するという希望を心に持ち続け、厳しい生活に耐えるのでした

最初に売られたのは牧師で大農園主のフォード(ベネディクト・カンバーバッチ)
有能なソロモンはすぐフォードに気に入られるも大工のティビッツ(ポール・ダノ)から何かと難癖をつけられ、我慢できなくなったソロモンはティビッツに反撃、命を奪われそうになる
フォードはティビッツにソロモンを殺されないうちに借金返済を兼ねてエップス(マイケル・ファスベンダー)に彼を売ることにする
客観的に見れば合法的ではあっても、ソロモンをエップスに売るのがキリスト教の教えに従っていないことは明白です
フォードは牧師ということもあり寛容な人間ではありましたが、奴隷制支持者であり、所詮奴隷は財産の一部に過ぎないのです
あの時代、善人のように振る舞っていても本当の善人ではない人間が多かった、ということでしょう

さて、エップスという男
これが全く酷いサディスト!
制度に依存しているだけのエップスにとってはソロモンのように知識と教養を備えた奴隷の存在は脅威です
暴力で奴隷たちを支配することしか出来ず、暴力をふるう自分に陶酔しています

希望を失いそうになるソロモンに「強さ」を教えてくれる女性奴隷パッツィー(ルピタ・ニョンゴ)に励まされ日々を過ごす彼の前に現れたのが、エップスの友人で大工の奴隷解放論者のバス(ブラッド・ピッド)
バスに最後の望みを託したソロモン
果たして妻と子供たちとの再会は叶うのでしょうか

 

 

 

ストーリーの厳しさとは別に、アメリカ南部の自然の美しさに見惚れました
何度か映し出される、大木の間から見える朝方か夕方の太陽
それは辛い日々がまた今日も始まる、のか終わるのかという状況を表現しているのでしょうか
邦題の「それでも夜は明ける」には、明けない夜は無い、いつかソロモンの希望は叶う、という意味合いを持たせているのだろうと想像していましたが、奴隷として過ごした12年間、毎日夜は明けた、ということなのだろうか、とも思いました

 

ソロモンをとりまく自然に音楽が効果的に使われています
電子音楽ではなく伝統的な弦楽器や木管楽器をベースに打楽器を加えた普遍的な音楽が、ソロモンの周囲の静けさを際立たせています

 

 

実話に基づいた映画なのだそうです
1808年に奴隷輸入が連邦会議で禁止された後、国内での奴隷売買は儲かる商売だったとか

またひとつ、映画を通して知らなかった世界史を学ぶことができました

 

 

 

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4 コメント

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はじめまして (西京極 紫)
2014-03-19 00:27:36
西京極紫と申します。
僕のブログにトラックバック、ありがとうございました。
TB返しておきますね。

「それでも夜は明ける」、僕も音響効果やBGMが
素晴らしかったと思いました。
主人公の心象を音で観客に感じさせていましたね。

これからも宜しくお願い致します。
西京極さん (こに)
2014-03-20 08:08:43
初めまして。
訪問&コメント&トラバありがとうございます。

>主人公の心象を音で観客に感じさせていました
仰る通りです!
印象的なメロディラインではないのですが、その時々のシーンに見事にマッチしており、映画の質をより高めていたかと思います。

こちらこそ、よろしくお願いします。
南部 (たんぽぽ)
2014-03-21 20:34:48
綿花の畑と黒人奴隷。
「風と共に去りぬ」を思い出します。
南部の風土と切っても切り離せない黒人奴隷。
なんだかちょっと切ないですね。
そういえばアメリカ原住民と交流するシーンも有りました。
アメリカの歴史は他民族の蹂躙の歴史。アメリカンドリームも裏から見えるとまた別の形が浮かび上がりそうです。
たんぽぽさん (こに)
2014-03-23 11:11:11
当時~ごく最近まで
文学作品でも人種差別が当然のように描かれていますね。
映画というジャンルで過去の闇を描くことで未来が明るくなれば良いと思うのですが、そうなったらなったで物足りなくなるのが人間で、また新しい争いのタネを作る、とか。
恐ろしいことです。



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