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皆川博子「結ぶ」

2014年12月10日 | ま行の作家

 

創元推理文庫
1998年文藝春秋より刊行された作品を再編集した上、文庫化
2013年11月 初版
解説・日下三蔵
352頁

 

 

1991年から1998年にかけて発表された幻想小説18編を収録

 

印象に残ったのは

表題作「結ぶ」
まるで江戸川乱歩の世界
身体のあちこちを縫われ最終的には球にさせられてしまう、という懲罰

 

「水色の煙」
寓話と折り紙を介した叔母と甥の戯れ

 

「薔薇密室」
老いたバレリーナが、発表会を手伝ってくれた若い男性に寄せる一方的な想い

 

「心臓売り」
古い心臓を買い取り、それから様々な情景を読みとる少女の独白

 

「メキシコのメロンパン」
小さな画廊でお茶を楽しむ生者と死者の奇妙な交流

 

 

じんわりとやってくる恐怖だったり、優しさだったり、郷愁だったり
皆川さんの、少しずつ味わいの違う幻想世界を堪能できる短篇集でした

 

 


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