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井上靖「楼蘭」

2011年09月04日 | あ行の作家

 

新潮文庫
1968年1月発行
1993年6月 50刷改版
2008年4月 60刷
解説・山本健吉
305頁

 

歴史小説短編集です

表題作「楼蘭」
紀元前120年頃、ロブ湖畔に栄えたオアシス国家楼蘭
漢と匈奴に挟まれた小国の悲劇
匈奴により250マイル離れた土地へ移住を命ぜられた人々
それから数百年、楼蘭を匈奴から奪還しようと『何時かは帰るべき都』に向かった若い武将が見たのはロブ湖の影も無く砂漠の中に埋まってしまった町だった
湖の移動は1900年にスェーデンの探検家によって謎が解かれました
石坂浩二さんのナレーションと喜多郎の音楽が印象深い「シルクロード」でも取り上げられていました
ろうらん、という音の響きと当てられた漢字に、より強くロマンをそそられます

映画「敦煌」をもう一度観たくなりました


他に
中国西域を舞台にした「洪水」「異域の人」「狼災記」「宦者中行説」「褒姒の笑い」
印度を舞台にした「羅刹女国」「僧伽羅国縁起」
本能寺の変後の明智光秀の精神状態を描いた「幽鬼」
熊野国、補陀落信仰を扱った「補陀落渡海記」
明治21年、磐梯山の噴火を回想した「小磐梯」
戦前~戦後にかけて小説家になりたいと願いつつ自堕落な生活をした男の独り語りのような「北の駅路」

寓話的な作品、ノンフィクションかと思わせるような作品などなど
面白さ山盛りでした

 


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