徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:渡辺由佳著、『会話が弾む!一目置かれる!気の利いた「ひと言」辞典』(講談社の実用BOOK)

2017年09月15日 | 書評ーその他

渡辺由佳著、『会話が弾む!一目置かれる!気の利いた「ひと言」辞典』(講談社の実用BOOK)はいつもお世話になっているオンライン書店で期間限定特別価格!キャンペーンでなんとたったの200円(電子書籍、税込み)でセールされていたので、「200円なら見てみようかな」と思って購入したものです。

著者の渡辺由佳氏は元アナウンサーで現在は話し方講師だそうで、「話し方のプロ」と言える方なのでしょう(知らんけど ( ´∀` ))。

 

目次

はじめに

本書の特長

序章 気の利いた「ひと言」のつくり方

1章 気まずい、困った、面倒くさいを切り抜けるコメント

Case1 コメントしにくい
Case2 気まずい!
Case3 大きなお世話!
Case4 言いにくいことを言う

2章 慎重に言いたい大人コメント

Case1 お詫びする
Case2 断る
Case3 注意する
Case4 励ます

3章 「さすが!」と言われる大人コメント

Case1 お礼を言う
Case2 挨拶する
Case3 お祝いする
Case4 ほめる
Case5 ほめられる
Case6 意見や感想を言う

4章 社会人の言い回しバリエーション&マナー講座

本書の重要部分

本書の重要なポイントは最初の方にまとめられています。

気の利いた「ひと言」を生み出す4つの力とは、1.常識力、2.語彙力、3.感性(五感をフルに使う)、4.瞬発力(瞬時に言葉にする)。

気の利いた「ひと言」が作れる基本テク。

  1. 比較:「あの土地は東京ドーム2個分の広さがあります」
  2. 比喩:「マシュマロのように柔らかそうな肌ですね」
  3. 数字:「このスーツ着ると男前度が2割増すんです」
  4. 具体例:「子役の子の泣く演技が上手くて感動しました」
  5. ずらす:(あまりかわいくない子どもの写真を見せられて)「いいな~、私も子ども欲しくなっちゃった
  6. 思いやる:(「離婚したんだ」に対して)「それは大変でしたね。。。」
  7. 自虐:(「上司に気に入られていていいよね」に対して)「俺、そこだけだもん
  8. 質問返し:(「結婚しないの?」に対して)「そういう○○さんはどうなんですか
  9. 独自表現:(CDを返してほしい時)「私のCD、ホームシックになってない?」

6の「思いやる」は人として当たり前のことだと思うので、「テク」の一つにカウントすることには抵抗を感じますが、それをどう言葉にするかという意味ではコミュニケーション能力の一つに違いないので、その意味での「テクニック」ということで了承できます。でもテクニックばかりあっても、その根底にある「思い」がなければ、言葉だけが上滑りすることは確実ですし、相手もそういううわべだけの言葉は敏感に察知するはずです。逆に「思いやり」が本物であれば、かける言葉が不器用でもきちんと伝わるものだと思います。

8の「質問返し」は一般的には失礼な行為とされていると思いますが、失礼な質問に対しては適切な対応と言えるかもしれませんね。

感想

内容は部分的に(特に3章、4章)、以前に読んだ日経ウーマンの『言いにくいことの上手な伝え方』と重複していますが、本書ではビジネスシーンに限らず日常的にあるちょっと反応しにくいシーンでの気の利いたひと言テクが紹介されており、「なるほど、そう来るか!」とか「うまい!」と感嘆しつつ笑えて面白いので、【辞典】にもかかわらず一気読みしてしまいました。

私が個人的に面白いと思ったのは特に「ずらす」、「自虐」、「独自表現」のテクを使ったコメントの例です。

私のコミュニケーションは基本的にストレートで、話題から逸れることを極力避けて、そこに留まる傾向が非常に強いので、話題の焦点をずらして気まずさを避けたり、相手を傷つけないようにしたり、自分の触れられたくないところから注意を逸らさせたりするやり方は実に新鮮でした。

「自虐」は私もやらないこともないですが、キャラとしてどちらかというと「意識高い系」または「高ビー」にカテゴライズされることが多いような気がするので、 もうちょっと意識して使った方がいいかも?と思ったりしてみました。

「独自表現」の例は確かに意外性があって面白かったです。自分がそれを使えるかどうかは判断しかねますけど。意識して使ったこともありませんが、知らないうちに日本で暮らす日本人から見ると「独自表現」になっている可能性は無くはないかも知れません。なにせ私は「日本語のできるドイツ人」ですので ( ´∀` )

とまあ、このように本書は自分のコミュニケーションの仕方を振り返るきっかけにもなりました。


書評:日経ウーマン、『言いにくいことの上手な伝え方』(日経BP社)

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