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スピリチュアルに興味を持った霊止(ヒト)-人生の本質を追いかける。毎夜ひとりごとを楽しむ。求めよ、されば与えられん

でんでんむしのかなしみ かたつむりのうた

2011-07-16 | 写・画・絵・詩・物語
 

日本の名作

でんでんむしのかなしみ/かたつむりのうた

一匹のでんでんむしがありました。
ある日、そのでんでんむしは、たいへんなことに、気がつきました。

「わたしは今まで、うっかりしていたけれど、わたしの背中のからの中には、かなしみがいっぱい、つまっているのではないか」

この悲しみは、どうしたらよいでしょう。でんでんむしは、お友達のでんでんむしのところに、やっていきました。

「わたしはもう、生きていられません」

と、そのでんでんむしは、お友達にいいました。

「なんですか」

と、おともだちのでんでんむしは聞きました。

「わたしはなんという、ふしあわせなものでしょう。わたしの背中のからの中には、かなしみがいっぱい、つまっているのです」

と、はじめのでんでんむしが、話しました。すると、おともだちのでんでんむしはいいました。

「あなたばかりではありません。わたしの背中にも、かなしみはいっぱいです」

それじゃしかたがないと思って、はじめのでんでんむしは、別のおともだちのところへいきました。すると、そのおともだちもいいました。

「あなたばかりじゃありません。わたしの背中にも、かなしみはいっぱいです。」

そこで、はじめのでんでんむしは、また別の、おともだちのところへいきました。
こうして、おともだちを順順にたずねていきましたが、どのおともだちも、同じことをいうのでありました。

とうとうはじめのでんでんむしは気がつきました。

「かなしみは、だれでも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしのかなしみを、こらえていかなきゃならない」

そして、このでんでんむしはもう、なげくのをやめたのであります。

ある朝、王様は、石の壁に、一匹のかたつむりをみつけました。かたつむりがつのをふっているのを見ていると、王様は子どもの時分、なんだか、かたつむりの歌を、よく歌ったことを,思い出しました。

「でんでんむしむし、つの出せや、だったかなぁ」

と、いろいろ考えたが、ちっともその歌は、思い出せませんでした。

「お前たち、でんでんむしの歌、知らないか」

と、おそばのものに聞いても、「知りません」

といって、首をかしげています。王様は、「でんでん むしむし」

と、口の中でいいながら、庭をぐるりと回ってきました。それでも、思い出せないので、とうとう怒って、かたつむりをつぶしてしまおうとしたとき、ふっと王様の心に、

「でんでんむしむしつのふれよ、夜あけにぬすとがやってくる」

という歌が、うかびました。それといっしょに、その歌を、よく歌ってくださった、やさしいお母さんのことも、思い出しました。そこで、王様は、かたつむりをつぶさないで、青い葉の上に、そっとのせてやりました。


新美南吉作
365のみじかいお話


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