美呆村

美呆の日記

新年の演劇

2017-01-22 | 村のこと


あけまして、おめでとうございます。

……
新年のご挨拶がこんなにも遅れ、果たして私は
一体何をやってきたのだろうと、そんなことを思ってしまいます。

年明けから、演劇をやっていて、その演劇の準備のため、自分のあらゆるエネルギーを
注ぎ込んでいました。
その演劇は、ひびきの村ミカエルカレッジを学んでいる内容とも重なり、
テーマとしても「本当の自分」と出会うというものです。

実はその作品は、私が17歳の時に書いた戯曲で、
「いつか見た空」という、居酒屋を舞台にした物語です。
どんな物語だったのかは、簡単にあらすじを…(チラシに書いたあらすじを下記に)

<居酒屋に集まる客。その人々の様々な悩みの中に沈んでいる、ある何か。
記者が何年も探し続けているコルフォという不思議な子どもがこの町の近くにいるという。
また、人の心の声が聞こえると悲痛な叫びをあげる青年が、助けを求め居酒屋へ。
コルフォは老発明家に、ある発明を依頼した。そして数日後、その発明品をもって
居酒屋に現れる――。「本当の自分」と出会う、笑いあり、感動の物語>



17歳の時に書いたものを、昨年5月に読み直して、
主に登場人物の彫りを深く書き改めました。

7月に受講生の皆さんに手渡したのですが、
その時から、この演劇はきっといい作品になる、という確信があり、
つい先日1月13日に本番を迎え、その確信は現実のものとなりました。

本番前の一週間、午前も午後も、時には夕方遅くまで残って
練習していたのですが、個人個人が、自分の役に向かって、テーマに向かって、
打ち込んできました。
ここまで根詰めて、大人が何かを作ることがあるのだろうかと、
本当に不思議になるくらいです。
その時間は、一生に残る思い出の時間になりました。

出演者のどなたかが、今、とても青春している、と
おっしゃっていました。

この青春というものが、10代の頃に感じていたものとはまた違い
消化した、より純化した形で、感じられているように思いました。
もう二度とこないと思っていた青春を、確かに自覚して、
もう一度、体験しているような。

約1時間半の舞台の本番を終え、夜六時から、ひびきの村メインホールで打ち上げをしました。
その打ち上げの、楽しかったこと!
みんなが心から笑い、公演中のハプニングについて、テーマとなるところを話し合っていました。
この作品を選んで、本当によかったなと思いました。
このような話ができるということ、それが、この作品の良さであり
また、この演劇の醍醐味であったように感じました。
(すごくいい作品だったから、また再演してください!と誰かが言っていました。再演なるか!?)


新年早々、こうした時間を持てたこと、本当に、格別な年だなと感じました。
そして、出演者の何人もの方が、
「演劇って本当に楽しいんですね」
「もう一度やりたいです」
とおっしゃってくださいました。
本当にうれしい。

自分は、17歳の頃に感じていた心の中のことは
結局、今になっても、変わることなくあって
それと今も向かい合っている、向かい合おうとしている、
考えている…
ということ。

それは、きっと人間の、本質、のようなものなのかな、と思っています。

この演劇をとおして、言語造形も深められました。
やはり、演劇っていいな。
また作っていきたいな、と思いました。