新手

　いつだったか、将棋世界で読んだことがあります。『女流棋士はもっと新手を出していかなければ駄目だ』と。もっとソフトな言い方だったかもしれませんが、おおよそこんな感じの趣旨だったと思います。

 

　確かに言われてみれば、女流棋士が発案の新手や戦法というのは少ないのです。不勉強な私に思い出せるのは、藤井システムにおける『安食新手』くらい。清水先生や中井先生ですら、『清水新手』や『中井新手』と呼ばれる手は生み出していないのです（ただし、女流棋士の戦型は男性棋戦のそれと大きく違うため、注目度が低いという見方はあるかもしれません）。

 

　しかし、今日は男性棋戦でも使われそうな新手が生まれました。発案者は里見女流四冠。得意の中飛車ではなく、なんと相掛かりの後手番での新手です。

 

　不慣れな戦型もしっかりと研究し、新手まで出すなど、里見女流四冠はいよいよ男性棋士と遜色の無い存在となってきましたね。彼女が一体どこまで成長するのか、注目です。