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『ぼくのミステリ・クロニクル』

2017-01-25 18:31:40 | 本の話・読書感想
ぼくのミステリ・クロニクル
戸川安宣\空犬太郎
国書刊行会


『ぼくのミステリ・クロニクル』 戸川安宣/空犬太郎・編(国書刊行会)
 昨年11月の、隆祥館書店でのトークイベントでゲットしたのですら発売から時間が経ってて、さらに読み終えたのが年をまたいでようやくという、ミステリ読みの風上にもおけない所業ですよねはいすみません……。
 でもっ!
 読み始めたら早い早い!楽しい楽しい!結構分厚いのにするする読めるー!で、読み終わるのもったいない~~。
 いや本当、ミステリ読みの端くれとしてもうお腹いっぱい。なんかもう伝説読んでるみたいでひええええって感じ(←語彙力 笑)
 たとえば、ラノベからミステリーを読み始めた若い人とか、現代のミステリがメインで昔のは好きじゃない…という人には興味は薄いかもしれないですが、ミステリを読み続けていくなら読んでおいた方がいいね、と思います。
 


うーん、戸川さんまだご健在なのに、既に生きる伝説になってて神々しい……!

ていうかね、大乱歩はもちろん、都築道夫(敬称略)とか、中島河太郎氏とか、中井英夫(敬称略)とか、なんかもう目が潰れそうなとんでもないお歴々と実際に面識ややり取りやお付き合いがあったとか、現代のわたし達からしたらもうレジェンドですよ伝説ですよ凄すぎる。当たり前ですが生前の姿も声も知らなくて作品を読んだり講演で人となりをふんわり聞いたりすることしかできない巨匠と、リアルでお付き合いがあった人がいるなんて信じられない夢の世界……。
江戸川乱歩に会わずにいたのが心残り、と仰ってますが、直に会える時代だったというのがもう物語の中のことですよ……くらくらするわ。

戸川さんと鮎川哲也先生のお付き合いの深さ長さは、隆祥館書店でのトークイベントでもお聞きしましたけど、鮎川先生というと北村薫先生や有栖川先生が自然と結びつくし何というかもう、新本格第一世代と言われる先生がたがまだデビューするかしないかという頃のエネルギーってどんなんだったんでしょう。もう憧れるしかないし、ちょっと切なくもなってくる……何しろもうミステリは広く読まれるようになってるから、先生方のように危機感も飢餓感もないし……本格ミステリというものに対する何かが、今のわたし達とこの時代では決定的に違うんでしょうね……。

それと、本好きさんが出版社に入社して編集者になって管理職になって社長会長まで勤め上げた、そんな戸川さんのクロニクルはもしかしたらこの一冊では書ききれないものなのかもしれないですね。もっともっとエピソードがありそう。
ツイッターでフォローしている東京創元社のK島さんはじめ、有名な編集者さんのお名前が登場しては退場されていく、出版社ってひょっとして終生雇用の方が珍しいんでしょうか?知り合いに編集者はおろか出版社に勤めてる人なんていないので……。

それにしても、単行本にしろ文庫にしろ、書店に並ぶその最終的な形態、本そのものはもちろん表紙カバーも帯も挟み込まれる新刊案内も、これから大事にしていこうと思いましたよね。いったいどれだけの企画会議や時間、人の手を使ってこの本一冊になっているのか。
特に帯は、既刊の文庫になると外されてることが多いけど、わたしは帯付きのものを買いたい。その気持ちはこだわりとか頑固者とかじゃなくて当たり前だったんだよね、うん。

ミステリ好きさんはもちろん、本というものが好きなかたにもぜひ読んでほしい、出版業界のクロニクルでもあると思います。ぜひ。

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