みどりの一期一会

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富裕層増税に前向きの党も 各党の財政再建策/アベノミクス 前進か後退かではなく

2016-06-24 20:36:17 | ほん/新聞/ニュース
まずは、今日の最新ニュース。

「イギリスで23日に行われたEU=ヨーロッパ連合からの離脱の賛否を問う国民投票は
開票の結果、離脱の票が過半数を占め、離脱派が勝利しました。」

残留派が優勢というのが、おおかたの予想だったので、
このニュースによって世界じゅうに激震がはしり、
離脱派が勝利しそうという頃、株式市場は乱高下で大荒れ、
離脱が決まった時には全面安、円高もすすでいます。

英国民投票 離脱派が勝利 キャメロン首相辞意(6月24日 NHK)

今日紹介したかった記事の本命は、
昨日の中日新聞生活面の白井康彦さんの記事。

各党の税に対する政策、財政再建策について比較できます。 

  富裕層増税に前向きの党も 各党の財政再建策
2016年6月23日 中日新聞

 選挙戦がスタートした参院選。国の財政状態が悪い中、消費税増税の再延期では各党が賛成で一致しており、財政再建策に関する各党の主張が注目される。与党と野党で違いがはっきりしているのは、富裕層や大企業を対象とした増税だ。慎重な与党に対し、野党側は前向きな姿勢を示している。

◆租税回避策強化はほぼ一致
 「社会保障費が膨らんで、国の財政が苦しいことは多くの国民が理解している。増税を二度先送りしたことで、将来、どのように増税するのか難しくなった」。一般家庭の家計状況に詳しい岐阜大教育学部の大藪千穂教授は、こう話し、選挙戦で税制などの財政問題が、これまで以上に議論されるよう期待する。

 各党の公約には、大学生向けの公的な給付型奨学金の創設や保育士の給与アップなど、国の財政出動を伴うものが多い。それだけに有権者は、各党がその財源をどう確保しようとしているのか、財政をどう再建するのかといった点を、チェックしなければならない。

 民進、共産、社民、生活の野党各党は、フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が提唱して注目された富裕層増税の導入に前向きだ。民進は「大企業、富裕層に公正で応分の税負担を求める」と強調。高所得者の所得税率の引き上げや、相続税などの資産課税の累進性の見直しを盛り込む。株式の配当や譲渡益などの金融所得の分離課税分の税率については「5%引き上げ」を挙げている。

 共産は富裕層、大企業向け増税を中心にした財源確保の見込み額を二十二兆三千億円と明示。「大企業優遇税制の見直し」で四兆円、「所得・住民・相続税の最高税率を元(所得・住民税で計65%)に戻す」ことで一兆七千億円、「富裕税の創設」により八千億円などをそれぞれ見込む。

 自民・公明は、二〇一九年十月に消費税率を10%に引き上げるとともに、食品などの税率を据え置く軽減税率を導入することを強調。「デフレ脱却を確実に行って成長と分配の好循環を確かなものにする」とアピールする。おおさか維新は「国や地方の公務員人件費の五兆円削減」を挙げる。

 市民団体「公正な税制を求める市民連絡会」は、各党に対し、税制に関するアンケートを実施した。

 富裕層、大企業向け増税に消極的な姿勢をみせている自民は、その理由を「経済がグローバル化する中、高額所得者が重い税負担を避けて資金や人材が流出する事態にも十分配慮して議論を進める必要がある」と回答。この意見は、富裕層や経済界にも根強い。自民は税制による格差是正策にも配慮しており、所得税について「再分配機能を高めるために人的控除(配偶者控除や扶養控除など)などの見直しを行う方向で検討する」と説明している。

 アンケートでは、タックスヘイブン(租税回避地)の問題についても「対策を抜本的に強化すべきだと思いますか」と質問。軒並み「思う」との回答を寄せた。社民は関連して「国際的な法人税率引き下げ競争を転換すべきだ」とした。

 市民連絡会の共同代表を務める作家の雨宮処凛さんは「アンケートで各党の税制への考え方の違いが明らかになった」とし、有権者に税制に関する各党の姿勢にも着目するよう呼び掛けている。
 (白井康彦) 


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中日新聞社説は「アベノミクスの成果」についての論評。

安倍首相の自画自賛の経済政策の評価はまゆつばものなので、
ちゃんと見極めたいですね。

  社説:アベノミクス 前進か後退かではなく 
2016年6月24日 中日新聞

 安倍晋三首相が三年半にわたって進めた経済政策、アベノミクスの成果をどうみるかは参院選の焦点の一つである。目先だけでなく将来像も含め判断すべきだ。

 「成長と分配の好循環」と自民、公明の連立与党は掲げる。これに対し、最大野党の民進党が主張するのは「分配と成長の両立」。ともに「成長」と「分配」を前面に出しているが、中身は大きく異なっている。

 自公は、有効求人倍率や新卒の就職率など雇用の改善、企業の収益増大、税収増をアベノミクスの成果と強調する一方、いまだ道半ばだとして路線継続を訴える。

 強調する「成長と分配の好循環」とは、主にアベノミクスによる果実である税収の上振れ分の活用を指す。税収(一般会計)は確かに、この三年間で約十兆円増えた。企業の利益が増大し、法人税収が増加したためだ。これを消費税増税の再延期で穴があく社会保障の財源に充てたり、アベノミクスの恩恵が及びにくい低年金者へ一律三万円を配ったりする。

 ただ、これまで企業の利益が増えたのは異次元緩和による円安の効果が大きかったのである。今年に入ってからの円高進行で企業の利益も税収も期待できず、流れが逆回転するおそれがある。そもそも恒久的に必要な社会保障の財源を、景気によって大きく左右される税収の上振れ分で賄おうという発想は危うく、再分配というには不安定だと指摘する声は多い。

 与党自身がアベノミクスは道半ばというように、経済全体の動きを最も的確に表すGDP(国内総生産)は、この三年間で五百二十三兆円から五百三十兆円(いずれも物価の変動分を除いた実質)へとわずかしか増えていない。異次元緩和や財政出動は将来世代への負担先送りとの懸念があろう。

 一方の民進党がいう分配と成長の両立はどうか。大企業と富裕層の税負担を高め、低所得者や若者への分配に軸足を置く。格差を縮小し、経済成長の潜在力を引き上げる狙いだが、政策理念は聞こえがよくても具体的な成長底上げへの施策が鮮明でなければ説得力を欠くのではないか。

 消費税増税の先送りに伴う社会保障充実の財源を、当面は赤字国債の増発で賄うとした点も、負担のつけ回しとの批判は免れまい。

 日本の所得再分配は経済協力開発機構(OECD)の中で最下位に近い。成長と分配の実現は今や経済政策の喫緊の課題である。 


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