みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

<消えた有権者>代筆投票(上)代筆投票(下)/庭の山野草。丁子草、フタリシズカ・ユキノシタ

2017-05-20 21:40:10 | ほん/新聞/ニュース
毎年5月になると咲く庭の山野草。

紅枝垂れモミジの下に丁子草が咲いています。
丁の花の形をした淡いブルーの5弁花です。


  



マートルの下には、フタリシズカの花。




日の当たるところには、ユキノシタが咲いています。




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  <消えた有権者> 代筆投票(上)
2017年5月18日 中日新聞

 高齢となるなどで一票を投じることができない「消えた有権者」は全国で二百万人以上-。四月五、六日付の連載で、その可能性を指摘した。だが、あくまで八十歳以上に限った推計。八十歳未満にも障害者にもいるだろう。読者の体験が裏付ける。

 名古屋市中川区でパン店を営む佐藤奈美さん(53)は悩んでいた。四月二十三日に投開票された名古屋市長選の一週間ほど前。認知症で要介護2の母、克江さん(77)を投票に連れて行くべきかどうか。ゆっくり話せば会話もできる。書くのは難しくなったが、読み聞かせれば理解できる。「でも、二度とあんな怖い思いをさせたくない」。佐藤さんは昨年七月の参院選を思い出していた。

 混む当日は避け、期日前投票に連れて行った。だが、受付でこう言った途端、選管職員に母から引き離された。「代筆ですが…」

 代筆担当という男性職員に記載台へ連れていかれる母。脇には別の男性職員が付く。不正がないかチェックする立ち会い役だ。両脇から見知らぬ男性に注視され、母はおびえている。近づくことも許されず、佐藤さんは投票所の出口から叫んだ。「候補を読み上げてください。そうすれば理解できます!」。職員の一人が佐藤さんに手をかざし、声を遮った。

 佐藤さんのいとこ、母からみるとめいが東京で地方議員をやっていた。選挙で着るスーツは洋裁が得意な母が仕立てた。めいの活躍に目を細めながら、政治の動きを注視していた。母の一票は大切にしたい。「だから、もっとやさしくやってください…」

 その時、別の職員が投票所から出てきた。佐藤さんは事情を詳しく説明した。その職員が仲立ちし、何とか投票にまでこぎ着けた。

 「あのつらさをもう一度味わわせるのか」。佐藤さんは悩む。「家族になら意思を表せる人も多いはず。どうして、こんな仕組みなのでしょう」

 以前は家族やヘルパーが付き添えた。記者がそう言うと佐藤さんは驚いた。二〇一三年五月の公職選挙法改正をめぐる衆参両院の議事録を見てもらう。この改正で「代筆などを担う者は選管職員に限る」との趣旨が定められた。

 議事録には、政治家の良心が共鳴する議論がつづられている。法案は与野党各党の共同提案だ。改正の狙いは、成年後見を受ける人の選挙権を取り戻すこと。それまでは成年後見人を立てる際、被後見人の選挙権が剥奪されていた。それは理不尽との司法判断が出て、スピード成立したのが改正公選法だった。その際、被後見人の一票が悪用されないよう、公正を保つ目的で加えられたのが「選管職員に限る」の規定だった。

 「そうでしたか。よかれと思ったのが裏目に出たと…」と佐藤さん。議事録にはこうある。「弱い立場にある人たち、この人たちの思いのこもった一票を国に届けないで何が民主主義か」(公明党・国重徹衆院議員)。その言や善し。だが、そのために消えた、あるいは消えかかっている一票もある。

 思い立った佐藤さんは母を市長選の期日前投票に連れ出した。受付に笑顔の女性がいた。男性の立ち会い役がにらみを利かせるが、女性のソフトな案内で投票できた。「でも、次の選挙では母の症状は確実に進んでいます。今の制度のままで母の意思を受け止めてもらえるでしょうか」と佐藤さん。この一票を守る意思は政治にあるだろうか。
 (三浦耕喜) 


  <消えた有権者> 代筆投票(下) 

 投票所で代筆できる人を選管職員に限定したことで、認知症などで文字が書けなくなった高齢者の「一票」が届きにくくなっている。同じことは、障害がある人たちにも起きている。憲法が国民に保障している「投票の秘密」。この権利は、現在の代筆投票の制度で守られているだろうか。

 「国家に『あなたは主権者ではない』と認定されたのかと、大変苦痛に感じました」。もつれてはいるが、はっきりした声が今月十二日、大阪地裁の法廷に響いた。投票所で代筆できる人を選管職員に限った公職選挙法の規定は憲法に違反するとして、希望する補助者の協力で投票する権利の確認などを国に求めた訴訟の初弁論だ。


 陳述したのは、原告の大阪府豊中市に住む中田泰博さん(44)。先天性の脳性まひがある。文字は書けるが、所定の記載欄に収まるようには書けない。無効票にされかねないと、家族やヘルパーに代筆してもらっていた。

 ところが二〇一三年の公選法改正で、それが不可能になった。見ず知らずの選管職員に投票先を伝えて書いてもらう制度になったためだ。

 「投票内容は高度なプライバシーのはず。だからこそ憲法で明文化されている」と中田さんは言う。昨年七月の参院選では地元選管に何度も談判したが、改正法を盾に認められず、投票を断念した。

 憲法は一五条四項に「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない」と定める。中田さんには「すべて」に、自分が入っていないように感じられる。だれに、どの党に、投票するのか。その秘密が守られることは民主政治の根幹だ。投票先が分かれば、不当な圧力を受けかねない。自由に投票先を選べる根拠でもある。

 もちろん障害の制約はある。だから、せめて「この人なら教えてもいい」という人を選ばせてほしい。これが中田さんの願いだ。

 一三年の法改正時の議事録を読むと、憲法が保障する「投票の秘密」を掘り下げた形跡はない。憲法は与野党ともこだわる政治の大事のはず。なのに、だれも憲法との矛盾に気付かなかったのだろうか。「当事者の声を聞かないから」。中田さんは、こうつぶやいた。

◆当事者の声をよく聞いて
 サッカーJ2のFC岐阜元社長で筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う恩田聖敬さん(39)も昨年七月の参院選で疑問を感じた一人。恩田さんは言う。

      ◇
 ほぼ動けない、話せない状態になって初の選挙でした。郵便投票は煩雑そうで断念。妻とヘルパーに連れられ、投票所に向かいました。バリアフリーで中まではスムーズに入れます。

 妻が事情を説明すると、選管職員が私の意思を確認して代筆するといいます。しかし、選管職員は口文字ができません。候補者名を指さし、まだ動く首で意思を確認します。仕方ないので、そうしましたが、第三者に投票先を知られるのは気持ちの良いものではありません。大きな争点がある選挙なら、自分の信条を知られぬよう、棄権を選択するかもしれません。

 例えば、家族や介助者をあらかじめ登録し、その代筆なら認めてはどうでしょうか。話せない私でも、家族や介助者とはコミュニケートできます。障害があっても人を守り、支えることは普通にあります。一緒に生きられる社会をつくるため、当事者の声をよく聞いてほしいと思います。
 (三浦耕喜)


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