みどりの一期一会

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波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延/上野千鶴子さんコメントも。

2013-08-30 10:28:51 | ほん/新聞/ニュース
昨日の中日新聞生活面、見開きの右側は白井さんの記事。
左側は、「波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延」の記事。

上野さんの「判決は、認知症の人は拘禁状態下に置けと言っているのと同じ。
高齢者介護の全責任が家族にあるという考え方そのものが問題だ」というコメントもあります。

以下に記事を紹介します。


2013年8月29日 中日新聞

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波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延
2013年8月29日 中日新聞

 認知症の男性が電車にはねられたのは見守りを怠ったからだとして、電車の遅延の賠償金約七百二十万円を遺族からJR東海に支払うように命じた判決が、名古屋地裁であった。判決は「認知症の人の閉じ込めにつながる」と波紋を広げている。遺族は控訴した。

 判決によると、二〇〇七年十二月、愛知県大府市の男性(91)=当時=は、同居で要介護1の妻(85)=同=がまどろむ間に外出。同市の東海道線共和駅で線路に入り、電車にはねられ死亡した。

 男性は〇〇年、認知症状が出始めた。要介護度は年々上がり、常に介護が必要な状態となり、〇七年二月から要介護4に。事故当時、週六日デイサービスを使い、妻と、介護のため横浜市から近所に転居した長男の嫁の介護も受けていた。

 遺族側は、事故は予見できなかったと主張したが、判決は、医師の診断書などから男性の徘徊(はいかい)は予見できたとした上で、介護体制などを決めた横浜市の長男を「事実上の監督者」と認定。男性の要介護度が上がったのに、家に併設する事務所出入り口のセンサー付きチャイムの電源を入れるなどの対策をせず、妻も目を離すなど注意義務を怠った結果、男性が第三者に与えた損害は償うべきだとして、JRの求める全額の支払いを二人に命じた。遺族の代理人やJRによると、認知症の人による列車事故の損害賠償請求訴訟の前例は把握していないという。

◆男性の移動経路は不明

 賠償を命じられた遺族の長男は「常に一瞬の隙もなく見守るなんてことは不可能。家族でやれることはすべてやってきた」と主張。代理人の浅岡輝彦弁護士は「判決が認められれば、徘徊歴のある高齢者の家族は、すべて事故時に責任を負わされるおそれがあり、介護が立ちゆかなくなる。JRは線路への侵入防止対策を十分にとらないまま、遺族にだけ賠償請求するのはおかしい」と指摘する。

 一方、JRは「男性の介護の体制を取り決めた家族に監護、監督責任があると考え、支払いをお願いしたが、応じていただけなかった。熟慮した結果、公正な判断を仰ごうと提訴した」と説明し、判決は「主張が認められた」と評価。線路への侵入防止などの安全対策については、「法律上求められている安全義務はすべて果たしている」と主張する。

 遺族側は、金を持たない男性が大府駅の改札を通り、隣の共和駅に移動したとして、JRの管理の落ち度を指摘。しかし、男性が家から事故現場に行った経路は分かっておらず、判決はJRの過失はないとした。

 東海地方の鉄道各社によると、同様の事故で損害が出た場合は原則、損害額を請求。認知症を理由に、請求額を減らすことはないという。

◆閉じ込めにつながる 社会的支援の視点欠落

 判決は、認知症の人の在宅介護の在り方に影響すると、注目を集めている。社会学者の上野千鶴子さんは「判決は、認知症の人は拘禁状態下に置けと言っているのと同じ。高齢者介護の全責任が家族にあるという考え方そのものが問題だ」と指摘する。
 「介護に深く関わった家族に責任を求める判決で、いっそ認知症の人に関わらない方がよいという考えを家族が持つのでは。介護事業所も責任を問われるのを避けるため、認知症の人を外に出られないようにしたり、受け入れを拒んだりといったことが広がりかねない」と影響を心配する。


 医療や介護の関係者も「介護する家族に厳しい判決」とみる。認知症の人と家族の会愛知県支部の尾之内直美代表は、判決の求めるような常に男性を見守るヘルパーの配置は今の制度ではできないとし、85歳で要介護1の妻の責任を全面的に求めたことに驚いた。

 北九州市で訪問診療をする医師長崎修二さんは「老老介護に対する社会的支援の視点の欠落」を感じた。一般論とした上で「85歳の妻が90代の認知症の夫を介護する負担は大きい」と指摘。「介護する家族の大変さに目を向け、認知症の人の見守りは社会全体ですべきだ」と語る。
 (佐橋大、山本真嗣)


そうそう、9月7日は上野千鶴子さんが岐阜のじゅうろくプラザにいらっしゃいます。
講演と小笠原文雄さんとの対談です。

  9月7日 1:15 PM ~ 4:30 PM. 在宅フォーラム〜在宅ひとり死を考える〜@じゅうろくプラザ(岐阜県・岐阜市) 

第8回 岐阜在宅ホスピス研究会

講演1:上野千鶴子 ”『在宅ひとり死』を考える“

講演2:小笠原文雄 ”『在宅ひとり死』の条件“

対談:上野千鶴子×小笠原文雄

参加費:無料・定員約500名  *事前申込不要

会場:じゅうろくプラザ 電話058−262−0150

詳細はこちらからどうぞ http://www.geocities.jp/ogasawaranaika/kouenkai.html


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