夕暮菜日記

私的日記、教育、社会、音楽、等々について

時間について5(何を測っているのか?)

2009年11月05日 14時31分19秒 | 科学
前回から1ヶ月も開いてしまったので、ちょっとだけおさらいから。

・振り子、バネ振り子、音叉、水晶振動子、惑星の公転、など、周期性のある運動について考察してきた。
・これらの運動は、どれも同様の方程式で表現できる。
・これらの運動は、どれも復元力による振動である。

さてあらためて、現代の学生が、これらのことを実験で確かめることを考えよう。
学生が用意するものは、振り子とストップウォッチだ。
学生は、振り子を設置し、10回なり、100回なり振動させる。
そして、それに要する時間を、ストップウォッチで測り、割算で1回の振動に要する時間を算出するだろう。
さらに、振り子のおもりの質量、糸の長さを何パターンも変えて、同様の実験をくり返す。
こうやって得たデータを表にまとめて、ある関数を導き、振り子の等時性について、再発見する。
(最近の学生は、表計算ソフトなど使うのだろうか?)

ここで、学生の使ったストップウォッチをよく見てみよう。
このストップウォッチ、十中八九デジタルだ。
このストップウォッチは、水晶振動子という『振り子』を内蔵しており、その振動を規準に、時間を表示している。
つまり、『ストップウォッチで、振り子の周期を測る』という行為は、
実は、『振り子で振り子を測っている』のである。
このことは、ストップウォッチをセシウムの原子時計に換えても事情は変わらない。
では、学生の再発見した『振り子の等時性』とは何なのだろう?
私に言わせれば、彼は『二種類の振り子の振動数の比』を測った、ということにならないだろうか?
つまり彼の『振り子の等時性』は『振り子の振動数の等比性』である。
実験用振り子が1回振動する間に、水晶振動子が1000回振動するとしよう。
この『1:1000が常に一定である』ことを確認したに過ぎない、ということ。
ここから『振り子の等時性』を導くには、ある前提が必要だ。
それは『時間は一様に流れている』ということ。

これは『今測った『1秒』も、1時間前に測った『1秒』も、明日測る『1秒』も、同じ長さである』ということを意味する。

今日はこんなところ。

(このシリーズ、4回で終わらせるつもりだったのだけど、、、、なかなか終わらない。私の頭の中が乱雑な証拠だな、、、、)

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