MID NIGHT-XXX

~眠れない夜のために~

『是非に及ばず』 ~氷室京介

2013-08-24 00:00:00 | Weblog


8月21日に発売となった、氷室京介ソロ25周年記念のベスト・アルバム、

『KYOSUKE HIMURO 25th Anniversary BEST ALBUM

  “GREATEST ANTHOLOGY”』



 


各所で言われていることだけれど、

今回のベスト・アルバムは、とにかく音が良い。

5年前にも同じことを書いたような気もするが、

今回のベストはまさに、

現代の音楽業界における最高のテクノロジーを駆使して、

最高のレベルという領域に到達させたと言っても過言ではない、

そんな凄さだといえるのだ。

5年間の間に育まれたテクノロジーの進化が導いたものなのか、

それとも、他のファクターがあったのかは分からないけれど、

それを最も感じることが出来た曲と言えば、そう、

『JEALOUSY(を眠らせて)』ではないだろうか。

何か、立体的な音というか、

音がロールするようにウネルというか、

「あれ?ウーファー替えたっけ?」、、なんて、

そんな錯覚さえも覚えてしまう程、良い音なのである。

そして、曲順がまた良い。

特に、ディスク2「INVARIANT SOULS」の、

『EASY LOVE』

『BANG THE BEAT』

『NORTH OF EDEN』

『BLOODY MOON』

『WARRIORS』

の5連荘はまさに、

「氷室は俺の為に並べてくれたのか!?」といったような、

ちょっとパラノイア・チックな感覚をも覚えてしまう、

そんな "美味しい曲達" のオンパレードだった。

『NORTH OF EDEN』の美学から、

『BLOODY MOON』の欲望へと、

隣り合わせに並ぶ、

2つの反発する人間であるが故の真理は、

擦り合いながらも、見事なまでのコントラストを放ち、

二つの曲にして、一つの「人生論」を現わして魅せたと言えるのではないだろうか。

そんな『NORTH OF EDEN』と『BLOODY MOON』の2連荘で、

聴き手のセンシビリティを支配する、

イメージ先行形の曲を並べたかと思えば、

間髪入れず連なった、キメキメの『WARRIORS』では、

チューニングを合わせるような、

この曲の象徴的イントロを聴かせ与えて、

そのシステムの宿命とも言える、

オートマチック的モード変換をイメージさせたのは、

特に秀逸していたセンスだったと言えるだろう。

聴き手の感性を振り回す そのやり口は、

ある意味、乱雑であるように見えても、

そこには計算された氷室京介のセンスが詰まっていて、

自分で、お気に入りの曲を好きな順序で並べただけのMY BESTとは異なる、

"氷室京介のテイスティング " 

という妙技をも感じる事が出来た、

ゴージャスなベストアルバムだったと言えるのではないだろうか。



氷室は、昨日放送されたNEWS ZEROのインタビューで、

戦国武将 織田信長の言った、

『是非に及ばず』という言葉を引用し、


「自分がやりたいことをやっているのだから、

 四の五の言わずに、

 ダメな答えが出てもそれを受け入れるよりしょうがない」


と語った。

そう、今回のNEWS ZEROで語ったその話は、

以前に氷室が同番組に出た時に言った、


「前のめりに倒れる覚悟を持っている」


という言葉に対してのリプライでもあったのだと言えるかもしれないだろう。


氷室京介の、ブレの無い一貫した姿勢と、

そして流行りに媚び無いそのスタイルは、

25年という時の中で生まれた曲達と共に、

"GREATEST ANTHOLOGY" というアルバムを通して、

"揺るぎなき氷室京介のアイデンティティー"

を示して魅せたのだと言えるのではないだろうか。




NEWS ZEROで、久しぶりに観た、

BOØWY LAST GIGSの映像。

「最後に夢を見てる奴らに送るぜ!」

と叫んだ、氷室京介の言葉は、

時を超えた今、

改めてその胸に、鳴り響いたことだろう。

そう、

25年経っても尚、

俺達の夢で在り続けている、


その男、自身の胸に。










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