MID NIGHT-XXX

~眠れない夜のために~

デザイア

2013-05-26 00:00:00 | Weblog


氷室京介のニューシングル『North Of Eden』が主題歌となっている、

三池崇史氏監督氏作品、映画『藁の楯 わらのたて』が、

カンヌ国際映画祭でスタンディングオベーションを受けた反面、

酷評を浴びていると話題になっている。

まあ、日本ならまだしも、諸外国ならば当然の御話だろう。

しかも酷評を受けたのは、主にプレス向け試写会でのことだったというのだから、

「らしいね」という感は否めないといったところ。

カンヌで受け入れられなかった理由の一つとして、

というより、

ブーイングというポーズをしなければいけなかった理由の一つは、

リアルに描写しすぎた幼い女の子の性というところにもあったのだとは思う。

例えば、あの映画の影響をうけて、

似たような性犯罪を犯したという輩が現れたとしよう。

そんな状況下で、

もし過去に『藁の楯 わらのたて』を絶賛したという著名人がいれば、

ゴシップ誌の見出しには、

まるで犯罪に加担したかのような活字が躍るかもしれない。

面倒な話には巻き込まれたくないという、

危機管理意識原理主義の諸外国等では、

あのようなキワドイ描写がある映画を受け入れないというのは当然の御話なのだ。

一方で思うことは、

無差別連続殺人のようなシーンであったのならば、

多分、今回のようなブーイングはなかったのではとも思う。

誤解を恐れずに言うのだとすれば、

人間の根底奥底に眠る欲望を否定する為のポーズ、、、

それがブーイングであったのかも知れないという察し。

つまりは、あのシーンに震えたからこそ、

公けの場ではそれを否定したい、、いや、

否定しなければならないという、

保たなければいけない倫理観がそうさせたのだという御話。

しかし悲しいかな、

そんなポーズもまた、誰もが持つ虚栄心の現れ、、

人間の持つ欲望の現れでもあると言えるのではないだろうか。


そう、

映画『藁の楯 わらのたて』は、カンヌで酷評を受けてこそ、

この映画が訴えたかった、人間の欲望と美学という対極が、

そのスクリーンを超えて、より鮮明に映し出されたのだとも言えるのだ。
















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