今回の氷室京介ツアーで物議を醸し出しているMOONという曲。
すでにご存じの方も多いかとは思うが、
2010.12.4静岡の会場を発端に巻き起こった、
賛否両論MOON前の尖閣諸島漁船追突問題MC。
俺は今回の武道館で初めて聞いたそのMCだが、
知らない人のために誤解の無いように要約すると、
氷室はこんな感じのことを言っていた。(と、記憶する)
日本とチャイナは物凄くいい関係にある。
そんな中で漁船が追突してきた。
しかし船長を釈放せずに二国間の関係が悪化するよりも、
船長を釈放し今の友好的な関係を保つ方が国益としては得策だろうというようなこと。
国民の幸せとは日常の幸せ、
つまり多くの人が望む幸せとは生活の向上というシンプルな話なのだから。
みたいな話。
まったくの同意見だ。
人によっては「何故釈放した」「弱腰外交だ」と批判する人も多いだろう。
その考えは分かる。しかし、所詮は「精神論」。
どちらかと言えば俺も精神論は嫌いではないタイプの人間ではあるが、
政治に精神論は必要ない。
少なくとも大不況である今の日本には。
そう、悲しいかな、その優先順位の差は大きく広がってしまったのである。
チャイナとの関係が悪化し、俺たち個人の生活に不利益が起こる可能性があるのならば、
さっさと釈放し、「国民にとっての損得を政治家が考える」
非常にシンプルな考えではないだろうか。
我々の日常の中で損得勘定ばかりで物を考えていたのでは、つまらない人生となることだろう。
もちろん、損得勘定は大人として非常に重要なことではあるが。
しかし、政治家は損得勘定だけで物を測ればいいのである。
つまらない政治家になるべきなのである。
氷室が言いたかったのは氷室個人の思想というよりも、
政治家としてそこの部分を損得勘定で考えればという論理的な話しだったのではないだろうか。
チャイナの船長を釈放したことによって関係悪化を免れた。
きっと、それを当たり前と思う人間が精神論だけで語るのだろう。
ネイティブ・ストレンジャーで氷室は言った。
「なぜここにいまがあるかを 知りたい」
つまり、船長を釈放していなければ今の日本はどうなっていたのか。
そこを考えずして、この問題は語れないのである。
人生に対し自暴自棄になった「破滅型」の人間でないのならば、
自ずとその答えは分かるのではないだろうか。
今の状況が何故あるのかを。
強いチャイナ。そして理不尽な国チャイナ。
そんな国を敵に回すのは損だということは誰でも分かるだろう。
喧嘩をして相手が強ければ、その時は適当に謝って、その後にナイフで刺せばいい、、
時に政治とはそういう喧嘩、、駆け引きでもあるのではないだろうか。
そう、
つまりは、
船長を釈放しても、
その勝負が終わったわけではないのである。