バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

彼の家に棲むテロリスト

2008年04月29日 | 猫の話
今日、昼休憩から戻ると、昼休憩のひとコマらしく、
同僚がひとかたまりになって話をしていた。

休憩中に送られてきたメールに目を通していると、
ルイスが聞いてくる。

「ね、ケイエス、仔猫欲しくない?」

私は猫が大好きで、仔猫なんて大ファンだ。
でもうちには猫がもう2匹もいて、それ以上飼うつもりはない。

正直、もっと欲しい気持ちは一杯なのだが、
そうしてしまうと、責任に自信が無くなってくる。

我が家は今のところ、猫と人間の頭数が一緒なので、愛情が行き渡っている。
人によっては、どんなにペットの数が増えようとも同じように愛情を
注ぐことができるよと言える人もいるだろうが、私が100%、責任をもって
育てることができるといいきれるのは、2匹までだ。

それをルイスに伝える。

彼の話によると、彼の友達が家の近所の駐車場で2匹の仔猫を拾った。
放っておけないので、引き取り手を捜しているとのことだった。

「僕がね、一匹を引き取ることにしたんだけど。」

と、その言葉に私の心臓が、どーんと、堕ちてく。

彼には、妻、娘二人に、ある事情で親が面倒を見ることができない
他人の娘二人、プラス、子犬がいる。

その彼の娘(レイラ:2歳)が、どんなに凶暴か
私は彼から聞いて、知っているのだ。

レイラはまだ子供ということもあって、物事の良し悪しがまだわからない。
人の痛みなんて皆無だ。

こんな小さな子供に子犬を与えたらどうなるか。

いつも彼は職場で『昨日の晩、レイラがクローイ(子犬)にしでかしたこと』を
言って聞かせる。

引っ張って、引きずり回しただの、おもちゃで叩きまくるだの、
周りは「ああ、レイラはやんちゃね。」と、笑って聞いているが、
私は全く笑えない。

何ひとつ、可笑しくも、可愛くもない。

かわいそうな子犬だなあ、と思うだけだ。
クローイは、ブルテリアかなんかの種類で、決して大型犬でもなければ、
中型犬ですらない。

子供が簡単に「おもちゃだ」と思える大きさだ。

そんな家庭に拾われようとしている仔猫。

心から、気の毒になる。

さらにルイスが聞いてくる。「猫は扱いは簡単なの?」

「自立しているから簡単だけど、心は繊細だから違う意味で難しいかもね。」と
アドバイスする。

遠まわしに『やめとき』と伝えてるつもりだった。

「でも引っかいたらどうしよう?」

猫じゃけー、引っかくのは当然じゃんか。ぼけ。と思って毒付くが、
「だからね、ちゃんとしつければいいじゃん?」と、言葉から棘を抜く。

そこにレベッカが加わる。

「それなら簡単よ。爪を獣医で抜いてもらったらいいのよ。うちもしてるし。」

この辺りから、私は完全に気分を害していた。

猫が引っかくのを懸念するなら、どうしてその要因になるものを取り除くことを
考えないのか。

しつけてもダメなら、爪切りを定期的にすれば良いではないか。

どうして人間の都合で、猫の大切な体の一部を奪うのか。

私の目の前では、すでに料金の話になっている。

私は気分を害すと、すぐに顔に出るので、口論になるまえにさっさと
デスクに戻って、やっつけないといけない私の仕事に気分を切り替えた。

「ルイスの家にはテロリストがいるけど、
とりあえず、ご飯と寝床はゲットできるね。」と無理して前向きに考えた。

ルイスの気持ちが変わって、「やっぱりやめといたわ。」
とか、明日聞けたらいいのだけど。




あんたたち、よかったね。うちにテロリストがいなくてさ。






気分を変えて、今夜の晩御飯は、酢豚にした。



うちの酢豚にはパイナップルが入っている。

と、以前日本にいる友達に言ったら、『うげぇ』とか言われた。
日本人って、料理に果物って嫌がる人多いね。

うちでは、ポークソテーにりんごのスライスとか、
ローストチキンにクランベリーソースを添えるとか言うと、
すっごい嫌な顔をされたぞ。

美味しいのに。
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