『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『孤高のメス』を観た]

2010-06-09 22:14:43 | 物語の感想
☆忙しいので短信ですまん。

 月並みな話ではあるが、力強く描かれた力作だった。

 類まれな外科手術の技術を持つ医師が、「目の前の患者に全力を尽くし、救う」と言う確固たる意思のもと、設備の伴わない市民病院で、当時、法律で是非があいまいであった脳死肝移植に挑む物語。

 スケールを大きくせずに、手術室の一点を、いかにもリアルに描いて、物語全体を重厚に見せてくれた。

 でも、それだけでは、よくある物語だ。

 理想を追う、主人公の当麻医師(堤真一)の敵役の設定なども、いかにもマンガ的だ。

 私は、この作品を、やや惰性に生きていたオペ看護婦・中村(夏川結衣)と当麻との「純愛の物語」として見た。

 その、セックスも抱擁もキスもない、気の利いた言葉もない、だが、手術時の器具を手渡す、その間接的な接触が、なんとも言えない「大人のプラトニック」を醸していた。

 こんな感覚は、『羊たちの沈黙』の、大林宣彦語るところの「純愛」感覚以来だろう。

 すると、クライマックスに向かって、中村の当麻への視線に宿る信頼が、私を非常に感動させるのだった。

 スケールの狭さは、登場人物のご都合主義的な「役割」を生み(魚屋やボランティア少年の、それぞれの悲劇など)、作品に瑕を感じてしまいそうに思えて、不思議とこの作品ではマイナス点にはならなかった。

   ◇

 この物語は、臓器移植と言う、人間の横(同時代性)の繋がりの物語でもある。

 そして、当麻の医師を目指すに至った理由(設備の伴わない地元の医院で死去)は、物語の1989年から現在の間に成長した中村の息子が医師に育ったと言う、時間軸上の繋がりの物語ともリンクするのであった。

                                        (2010/06/09)
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2 コメント

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こんばんわ (sakurai)
2010-06-10 21:30:40
結構、よくある話で、単純明快だったのが、すっきりと力作に見せてくれましたかね。
あたしは、もうちっとどろどろねばねばの入り組んだもんをみたかったので、ちょっと物足りなかったのですが、原作はどろどろらしいので、今度読みますわ!
sakuraiさんへ♪ (ミッドナイト・蘭)
2010-06-11 06:56:10
私も、もっと「どろどろねばねば」系だと思っていたので、意外にさっぱりした展開に拍子抜けしました。

もっと、「人間の尊厳とは!」「企業のあり方とは!」とか、大上段に構えたテーマがあるのかなぁと考えていました。

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